1991年4月15日 1991年全日本F3000選手権シリーズ第3戦 CABINインターナショナルフォーミュラカップ 激 し い 追 い 上 げ に 本 領 を 発 揮 --------------------------------------- 開幕戦からの2レースを不本意なリタイヤで終えた25番ロス・チーバーだった。しかし 、気分も新たに今回のレースを迎えたいところ。レースウィークの4月12日は、丁度 チーバーの誕生日。心機一転をはかるには良いタイミングだった。「これで27歳にな ったわけだけど、22歳っていうことにしておいてよ」と、おどけてみせた。 [4月13日:予選]今にも雨が降り出しそうな空模様。湿度は92%に上がっていた 。各チームとも空を睨みながらの予選となった。午後にも2回目の予選が予定されてい るが、このセッションでタイムアタックをするべきだろう。そこで、使用が許されてい る予選用タイヤ2セットをこのセッションで使い切ってしまうことにした。そして2セ ット目のタイヤで1分17秒336を出し、予選A組3番手、総合で5位を得た。従来のコ ースレコード(1分17秒220)更新にわずかに及ばなかったが、91年型のニューマシン の中では最速タイムを出している。「僕より速いドライバーは皆、去年走り込んでセッ ティングの煮詰まったマシンに乗っている。まだセッティングが完璧でない状況ではベ ストな走りだった」と、チーバーは冷静に予選結果を分析した。予選終了後、突然チー ムに誕生パーティーを開いて貰い、「五月人形」をプレゼントされたチーバーはさらに 決勝に意欲を燃していた。 [4月14日:決勝]恒例、朝に行われるウォーミングアップ走行は、発生した霧のた めに中止となった。その代わりとして、決勝レース前の昼に20分間の走行時間が設けら れた。レースセッティングで走るチーバーは、1分20秒128の自己ベストタイム(7番 手)を出す。決勝レースのスタート前に、最終チェックの走行が5分間行われるが、こ こでチーバーのマシンからオイル漏れが発見された。メカニック達がマシンを囲み、緊 急修理が行われるが、時間切れで正規のスターティンググリッドには着けず、ピットス タートとなってしまった。不運なスタートとなったが、それに思い悩んでいる暇はない 。レースが始まるとチーバーは猛然と追い上げを開始した。そして5番目のベストラッ プタイム(1分19秒800)をマークし、12位でゴールを迎えたのであった。チーバーの 走りは、チームスタッフの拍手で迎えられた。 ド ラ イ バ ー & チ ー ム 監 督 コ メ ン ト ●ドライバー/ロス・チーバー(RossCheever) トラブルでグリッドに着けなくて残念だった。ストレートでのスピードは速か った が、フロントタイヤのグリップが少し足りなかった。レース途中からリア ブレーキに トラブルが発生し、スピンをしてしまった。91年型のレイナードは ハイポテンサシャ ルを持っていると思う。もっとテスト走行の時間が欲しい。 そうすれば、もっといい レースを見せることができると思う。 ●チーム監督/本間勝久(Katsuhisa Honma) オイルラインのゴムのジョイントの部分がマフラーに触れたようで、そこから 割れ てオイル漏れが起きてしまったんです。今までまったく無かったことで、 何かのはず みでオイルラインがズレてしまったのでしょう。残念なレースにな ってしまいました が、スタートしてからロスは頑張ったと思います。優勝した 星野選手の0.23秒落ちの タイムで走りましたからね。まだシーズンも前半。セ ッティングは進んできているの で、これからを見ていてください。 レ ー ス デ ー タ ●開催日/4月13日(予選)~14日(決勝) ●開催地/富士スピードウェイ(静岡県):1周 4.470km ●主催者/ビクトリーサークルクラブ、テレビ朝日、日刊スポーツ新聞社 ●観客数/予選日:15700人/決勝日:65300人 ●天 候/予選日:曇り後雨/決勝日:曇り、気温20℃、路面温度22℃ -------------------------------------- 提 供 プロミス&レイナードレーシング事務局 --------------------------------------