全日本F3選手権シリーズ 第8戦 決勝結果 TI英田サーキット・8月16日(日) 伊藤大輔、ベストスタートも後続にプッシュされコースアウト 快晴に恵まれた決勝レース、暑い典型的な夏のレースデイとなった。予選で失 敗し5番手スタートとなった我々は、いかに前のマシンをうっちゃって表彰台を 狙うか遅くまでミーティングを行なった。 伊藤は「失敗してしまいましたが、マシンの調子はいい。だから決勝レースで は思い切りいきますよ」と決意を露にする。レースは25周の長丁場となり終盤 どこまでトップグループを追い込むことができるかがキーだ。チームではタイヤ の消耗度を軽減させるセッティングを施してあり、序盤、中盤戦をどう乗り切っ ていくかは伊藤の腕にかかった。そしてその前に必ずやっておきたいことといえ ば、予選4番手につけたデルフラー選手をスタートで必ず料理しておく必要があっ た。予選で敗れたもののこれまでのセッションでコンスタントに速いタイムを出 していたのは伊藤の方だ。ツイスティなコースでデルフラー選手におさえこまれ てしまうと、トップグループとの差が開いてしまう。スタートでデルフラー選手 をパスするのはマスト事項と言えた。 さて、迎えた決勝レース。伊藤は抜群のクラッチミートでデルフラー選手を抜 き、4番手に浮上。加藤選手をも捕らえそうな勢いで1コーナーをクリア。次の 高速S字コーナーにダンブレック選手─舘選手─加藤選手─そして伊藤の順位で 入っていった。 しかし、伊藤の背後で2台のマシンが軽く接触し、コントロールを失ってしまっ たマシンがリヤからコーナに入って、伊藤のマシンに左サイドからプッシュ。押 し出されスピン状態に陥った伊藤はそのままグラベルに飛びだしてしまった。な んとかコース復帰を試みた伊藤だが、むなしくもタイヤはグラベルの中でもがく だけ。伊藤にとって第8戦は、わずか数百メートルで終わってしまった。 伊藤大輔 「スタートは狙いどおりにいって加藤さんにぴたりとついていけた。しかし、リ ヤから突然誰かがプッシュしてコントロールする間もなくスピンしてコースアウ トしてしまった」 百田監督 「もらい事故ですから、なんともいいようがない。とにかく残念。うまく1コー ナーに4番手で入っていったんですが……。ただ、こういうときに予選順位の重 さを痛感します」 深尾栄一チームマネージャー 「不完全燃焼のままレースウイークが終わってしまった感じですね。後ろから来 たマシンは避けようがありませんから、しかたがないアクシデントと言えますが、 シリーズを考えると痛い無得点となってしまいました。残りはあと2戦で、経済 的な問題はまだ続いていますがなんとか出場し、シリーズに対してケリだけはつ けて終わりたいと思っています。このまま終わるわけにはいきません」 SKILL SPEED 深尾栄一