SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ決勝 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が4位入賞 (HONDA)

  • 2011年10月16日(日)・決勝/会場:ツインリンクもてぎ(4.801km)/天候:晴れ/気温:25℃(15:00現在)/路面温度:29℃(15:00現在)/コースコンディション:ドライ/観客:2万6000人

 10月16日(日)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2011 オートバックス SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝レースが行われました。

gt111016001L.jpg  ウエットコンディションのもとで行われた昨日の公式予選では、#32 EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴組)がHonda勢でトップとなる4番グリッドを獲得。以下、#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)は7番グリッド、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)は9番グリッド、#1 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル組)は11番グリッド、#8 ARTA HSV-010(武藤英紀/小林崇志組)は14番グリッドを手に入れました。

 午前9時から45分間にわたって行われた今朝のフリー走行は、昨日から雨が降り続いたため、ウエットコンディションで行われました。ここで#32 EPSON HSV-010は1分55秒491をマーク。Honda勢のトップに立つとともに総合でも2番手につけ、改めてウエットコンディションでの強さを印象づけました。これに続いたのは6番手タイムを記録した#17 KEIHIN HSV-010。さらに#100 RAYBRIG HSV-010は10番手、#1 ウイダー HSV-010は11番手、#8 ARTA HSV-010は15番手となりました。

 昼近くになると栃木県地方の上空は抜けるような青空へと変わり、汗ばむほどの暑さとなりました。コースはドライとなり、2011 オートバックス SUPER GTシリーズの最終戦は絶好のコンディションに恵まれました。

 本来ツインリンクもてぎを得意としているHSV-010 GTですが、昨日はウエットコンディションのため持ち前のパフォーマンスを十分に発揮できず、予選では期待通りの成績を収めることができませんでした。しかし、昨日とは全く異なるドライコンディションとなったため、本日の決勝レースでは5台のHSV-010 GTが力強く反撃することが期待されました。

 スターティングドライバーは、4番グリッドの#32 EPSON HSV-010は道上選手、7番グリッドの#100 RAYBRIG HSV-010は伊沢選手、9番グリッドの#17 KEIHIN HSV-010は金石選手、11番グリッドの#1 ウイダー HSV-010はデュバル選手、14番グリッドの#8 ARTA HSV-010は小林選手が務めます。

 午後2時にフォーメーションラップが開始。コントロールラインまで戻ってきたところでグリーンランプが点灯し、53周のレースが始まりました。5台のHSV-010 GTはいずれも順調にスタートを切り、#32 EPSON HSV-010は5番手、#100 RAYBRIG HSV-010は6番手、#17 KEIHIN HSV-010は9番手、#1 ウイダー HSV-010は12番手、#8 ARTA HSV-010は13番手となってオープニングラップを終えました。

 3周目、#100 RAYBRIG HSV-010に乗る伊沢選手は#32 EPSON HSV-010をパスし、5番手に浮上。道上選手が操る#32 EPSON HSV-010は6番手となりました。同じ周に#17 KEIHIN HSV-010に乗る金石選手はライバルの1台をオーバーテイク、8番手へと駒を進めます。続く4周目に#1 ウイダー HSV-010の小暮選手はライバル2台の攻略に成功、一気に10番手へとポジションを上げました。

 そして、8周目には#32 EPSON HSV-010が#100 RAYBRIG HSV-010を追い抜き、#32 EPSON HSV-010は5番手、#100 RAYBRIG HSV-010は6番手となり、5台のHSV-010 GTはその後も順調に周回を重ねていきます。

 Honda勢でいちばん早くピットストップを行ったのは#17 KEIHIN HSV-010と#100 RAYBRIG HSV-010の19周目。2台ともタイヤ交換、給油、ドライバー交代を行ってコースに復帰します。続いて21周目には#1 ウイダー HSV-010がピットストップ、24周目には#32 EPSON HSV-010がピットストップを行い、いずれも順調に作業を終えました。

 一方、ハードタイヤでスタートした#8 ARTA HSV-010は31周目までピットストップを引き延ばし、一時トップに立つ快走を見せました。さらに、タイヤを交換しない作戦を敢行することでピットストップ時間を短縮、コースに戻ったときには9番手となっていました。

 全車がピットストップを終えた32周目、Honda勢のトップは#32 EPSON HSV-010の5番手でした。しかも、#32 EPSON HSV-010の直後には4台のHSV-010 GTが連なり、5台そろってトップ10圏内を走行する展開となりました。

 35周目にはトップを走っていたライバルがピットストップを行い、#8 ARTA HSV-010の直前でコースに復帰します。このため#32 EPSON HSV-010、#100 RAYBRIG HSV-010、#17 KEIHIN HSV-010、#1 ウイダー HSV-010の4台は1つずつ順位を上げました。その後、この1台を間に挟みながらもHonda勢はトップグループを上回る快調なペースで周回を重ね、トップ3との差をジリジリと詰めていきます。この結果、35周目には7.7秒だった3番手と4番手#32 EPSON HSV-010との差は、38周目には5.4秒、44周目には3.0秒と急速に縮まり、47周目にはテール・トゥ・ノーズとなりました。

 #32 EPSON HSV-010に乗る中山選手は何度も3番手を走るライバルに襲いかかりますが、GT300クラスの車両に進路を阻まれるなど、なかなかチャンスを手に入れることができません。この間に#32 EPSON HSV-010との差を詰めた#100 RAYBRIG HSV-010の山本選手は、51周目の90度コーナーで#32 EPSON HSV-010をパス、4番手に浮上しました。一方、タイヤ無交換作戦で走り続ける#8 ARTA HSV-010は、レース終盤になるとペースが伸び悩むようになり、47周目には10番手、52周目には11番手へと順位を落としてしまいました。

 5台のHSV-010 GTはこのままのポジションで走りきり、#100 RAYBRIG HSV-010は4位、#32 EPSON HSV-010は5位、#1 ウイダー HSV-010は6位、#17 KEIHIN HSV-010は7位となりました。一方、#8 ARTA HSV-010は11番手でチェッカーフラッグを受けましたが、レース中に2度の黄旗追い越しがあったために計40秒のタイムが加算され、13位となりました。

 この結果、チャンピオン争いのドライバー部門では#1 ウイダー HSV-010が3位、#17 KEIHIN HSV-010は4位、#100 RAYBRIG HSV-010は9位、#32 EPSON HSV-010は12位、#8 ARTA HSV-010は15位でシーズンを終えました。また、チーム部門ではウイダー ホンダ レーシングの3位がHonda勢の最上位となりました。

瀧敬之介|Honda GTプロジェクトリーダー
 「レース後半に5台のHSV-010 GTが連なって走行したほか、彼らが一生懸命走るシーンをお見せできたので、観客のみなさんには楽しんでいただけたかなと思っています。とくに、HSV-010 GT特有の甲高いエグゾーストノートが5台連続して響く様子は格別だったのではないでしょうか。また、決勝レースの後半ではトップグループを上回るペースで周回し、とくに#1 ウイダー HSV-010は首位より2~3秒速いラップタイムを記録できたことは、HSV-010 GT本来の速さを発揮できたという意味でよかったと思います。ただし、私の立場でいえば、成績を残せなかったことが悔しいですね。その原因は、雨の予選でパフォーマンスを発揮できなかったことにあります。いずれにせよ、これでシーズンは終わりました。目標としていたタイトル防衛はできませんでしたが、多くの収穫がありました。来年は、この経験を生かし、タイトル奪還を目指してSUPER GTに挑みます。1年間、5台のHSV-010 GTに熱いご声援いただき、本当にありがとうございました」
伊沢拓也選手(4位 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「表彰台に上がれなかったのは悔しいですが、今シーズンを締めくくるにふさわしいレースができました。今季は苦しみましたが、前レース(第7戦オートポリス)から光明が見え、その流れをしっかりつかむことができました。今日はしっかり戦い、しっかり結果を残せたので、来季につながるいいレースができたと思います」
山本尚貴選手(4位 #100 RAYBRIG HSV-010)
 「今季はクラッシュをしたり、自分のミスでレースを台無しにする時もありましたが、最終戦では自分の成長をしっかり見せたいという思いで、ベストを尽くしました。今日はチーム全体が一丸となり、伊沢選手も助けてくれたので、その想いに乗ったようなレースでした。結果に満足することは一生無いと思いますが、今日に関しては自分の走りができました。欲を言えばもっと順位を上げたかったですが、チームで勝ち取った4位だと思います」
道上龍選手(5位 #32 EPSON HSV-010)
 「序盤にライバルのマシンに抜かれましたが、安定したタイムを刻んでいこうという意思統一がチームでできていたので、落ち着いて順位を取り戻すことができました。表彰台を逃したのは残念でしたが、中山選手もペースよく攻めていたので、1年間やってきた成果が出たレースだったと思います。今季は後半戦からいいレースが展開できるようになり、チームのレベルも上がったと感じています。ただ、予選から上位に食い込まなければ結果になかなかつながらないので、それを来年の課題としてがんばりたいと思います」
中山友貴選手(5位 #32 EPSON HSV-010)
 「道上選手から交代する際にマシンの状況などをアドバイスしてもらったので、不安なくスタートすることができました。あきらめないで走っていたら前のマシンに追いつけましたが、残念ながら抜くことはできませんでした。いいペースで走れていただけに悔しいです。ただ、今季最後のレースをトップ集団の中で締めくくり、いいパフォーマンスを見せることができたと思います。今後もチャンスがあればもっといい結果を出して、期待に応えたいと思います」
Text & Photo: HONDA


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