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SGT:第7戦もてぎ決勝 イエローハット完勝でGT-Rは今季5勝目!GT300はウェッズスポーツISが最後尾からの大逆転勝利!!

9月14日ツインリンクもてぎで行われた2008スーパーGTシリーズ第7戦「もてぎGT300kmレース」決勝は、 #3YellowHat YMS TOMICA GT-R(ロニー・クインタレッリ/横溝直輝組)が終始安定した速さでポール・トゥ・ ウィンを達成。これでGT-Rは今季5勝目を挙げることとなった。
GT300クラスは#19ウェッズスポーツIS350(織戸学/阿部翼組)が優勝。予選後の車検で不合格となり、 最後尾スタートを強いられたが、序盤から積極的なオーバーテイクを繰り返し、まさかの大逆転優勝を成し遂げた。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:39,000人)

080914GT500Winner 080914GT300Winner

2008年スーパーGTもいよいよ残り3戦。
第6戦までは有効ポイント制だったが、ここからの3戦は全ポイントが有効。 チャンピオンを狙うチームにとっては取りこぼしの許されない戦いが続く。
決勝レースは午後2時にフォーメーションラップが開始された。
ところがここでGT50012番手スタートの#100レイブリックNSX、 GT3006番手スタートの#33ハンコックポルシェの2台がエンジンストール。
ハンコックポルシェは何とか再始動に成功して隊列を追いかけるが、レイブリックNSXはそのままガレージに押し戻されてしまった。
結局100号車は2周遅れのクラス最後尾でレースに加わったが、ポジションアップは叶わなかった。

080914GT500Start一方スタートではポールシッターのイエローハットGT-Rがそのままトップで1コーナーを通過、2位#1ARTA NSX、 3位#6エネオスSCとここまでは予選順位のままだ。
しかしその後方では#22モチュールGT-Rと#38ZENT SCが5コーナーで接触、38号車はスピンして大きく順位を落とし、 22号車には13周目に入ったところでドライブスルーペナルティーの裁定が下された。

080914FinalGTR序盤は上位3台が僅差でトップグループを形成しながら周回を重ねていたが、次第にエネオスSCは遅れ始め、 20周を過ぎる頃には7秒以上に間隔が開いてしまった。
2位を走るARTA NSXはイエローハットGT-Rが周回遅れに詰まるたびにテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込み、 トップ浮上のチャンスをうかがったが、3号車をドライブするクインタレッリ、横溝両名とも最後まで付け入る隙を与えず、 ピットストップ以外では一度もトップの座を譲ることなく63周を走り切り、今季初勝利を挙げた。
080914GT500TOP32位にはARTA NSX、ファイナルラップで大きくペースを落としたエネオスSCを抜いた#36ペトロナスSCが3位に入った。

080914GT300StartGT300クラスはポールの#26ユンケルポルシェの谷口信輝が序盤から逃げにかかり、一時は後続に4秒以上のリードを築き上げるが、 2位の#2紫電の加藤寛規が20周を過ぎた辺りから徐々に間隔を詰め始める。加藤は28周目には遂に0.420秒差まで詰め寄るが、 谷口も一歩も引かないまま、30周終わりでピットストップに入った。

そのすぐ後ろでは#62ウィルコムヴィーマックの黒澤治樹、#110クムホボクスターの光貞秀俊、 #77クスコインプレッサの佐々木孝太らによる熾烈な3位争いが展開されるが、4周目の4コーナーで黒澤と光貞が接触、 黒澤のヴィーマックはスピン状態に陥って一気に22位に後退、光貞のボクスターも佐々木に抜かれて4位となるが、 光貞は14周目の3コーナーで佐々木のインをついて再び3位を奪い返した。

しかし本当の見せ場はその後ろの集団だった。

080914FinalIS350 予選後の車検で不合格となり、まさかの最後尾スタートとなった#19ウェッズスポーツISの織戸、 エンジンストールで6番手スタートをフイにした#33ハンコックポルシェの木下の2台がほぼ毎周オーバーテイクを繰り返し、 ぐんぐんと順位を上げてきていたのだ。
木下は10周目、織戸は13周目には早々とトップ10圏内に入り、更に前を行くクルマたちとのギャップを切り取っていく。
レース距離の3分の1を消化する21周目には、2台は立て続けに#52グリーンテックISを抜き去り、33号車は7位、 19号車は8位に浮上した。

33号車は上位陣のピットストップにも助けられ、5位に浮上して32周終わりでピットイン、 19号車は36周まで引っ張って3位でピットイン。阿部翼にステアリングを委ね、#66triple aムルシエRG-1の後ろ、 5位でコースに復帰した。

トップの紫電はいつものように規定ぎりぎりの41周終わりでピットイン。 迅速なピットワークで高橋一穂をトップのままコースに送り出した。この時点で2位ユンケルポルシェとの差は16秒。 その後方には#66ムルシエRG-1、#19ウェッズスポーツISが迫ってくる。

66号車の後半を担当した余郷敦は42周目の90度コーナーで26号車山路慎一のインに飛び込み、接触しながらも2位を奪い取る。
抜かれた#26山路は次の周でもGT500の6号車に進路を譲る際、姿勢を乱して#19阿部に追いつかれ、 44周目の1コーナーで同じように接触を伴いながら3位の座をも明け渡すことになってしまう。

最後尾から遂に表彰台圏内に上がってきた19号車は、その後も阿部の積極果敢な走りで66号車との差を削っていき、 46周目の5コーナーでGT500の集団に抜かれる際、見事なライン取りで#66余郷のインに飛び込んでこれを攻め落とした。
残るは1台。#2紫電との差はこの時点で6秒450まで縮まっていた。

阿部は高橋を1秒上回るハイペースで追い上げ、51周目には1秒065まで差を詰めた。
そして52周目。
ヘアピンで姿勢を乱した高橋のインに阿部が並びかけ、バックストレッチで待望のトップに躍り出た。
その後は56周目の最終コーナーをオーバーランするなど、危ない場面も見られたが、それでも最後までトップの座を守りきり、 第3戦から投入されたレクサスIS350に待望の優勝をもたらした。
2位には#2紫電、3位には#66ムルシエRG-1が入り、 19号車同様に目覚しい追い上げでレースを盛り上げた#33ハンコックポルシェは結局6位でレースを終えた。

080914GT300Finish 080914GT300TOP3

次回第8戦はオートポリス。10月19日決勝だ

Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA



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