- 2012年9月29日(土)・予選 会場:オートポリス(4.674km) 天候:雨 気温:15℃(14:15時点) 路面温度:18℃(14:15時点) コースコンディション:ウエット
9月29日(土)、大分県日田市にあるオートポリスにおいて、2012 オートバックス SUPER GT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」が開幕し、公式予選が行われました。
今大会を含めて残り2戦となった2012 SUPER GTシリーズはオートポリスに舞台を移します。九州エリアで唯一のSUPER GTレース会場となるオートポリスは阿蘇山麓の地形を利用したダイナミックなテクニカルコースであり、アップダウンと中高速コーナーが多く、マシンのセットアップとタイヤの選択が重要となります。また、今までは荒れた路面がドライバーを苦しめてきましたが、シーズンオフに舗装の全面改修を行ったため、飛躍的なタイムアップが期待される状況となっています。
今シーズンのHonda HSV-010 GTは、第3戦マレーシアのセパンサーキットで#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組)が勝利を飾ったものの、なかなかリズムに乗りきれない展開が続いてきました。しかし、参戦7戦目となる今大会はウエイトハンデが半減され、参戦8戦目となる最終戦ツインリンクもてぎではウエイトハンデがゼロとなるレギュレーションを考慮すると、同一のマシンが連勝することも考えられます。そのため、HSV0-010 GTは逆転タイトル獲得を目指し、更なる開発と改良を続けてオートポリスに挑みました。
九州地方は台風17号の影響により今週末の天候が不安視されています。公式予選の行われる本日も朝からサーキット周辺を霧が覆い、常に小雨が降り続き、時折り激しい雨が降る難しいコンディションとなりました。
午前9時から2時間にわたり行われた公式練習では、ウエットコンディションのもと参加車両15台がコースインをしてマシンセッティングの調整に時間を費やしました。その中で、#32 EPSON HSV-010(道上 龍/中山友貴組)が1分45秒832の2番手タイムを記録しています。また、#17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大組)が6番手、#18 ウイダー HSV-010(小暮卓史/カルロ・ヴァン・ダム組)が11番手、#8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/小林崇志組)が12番手、#100 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴組)が15番手のタイムをマークしました。
今回の予選はノックアウト方式が採用されています。予選1回目では上位11台が予選2回目に進出、予選2回目では上位7台が予選3回目に進出し、この予選3回目で記録した予選タイムにしたがって決勝レースのスターティンググリッドを決めます。また、惜しくも次のセッションに進出できなかったチームは、その段階での予選順位が決勝レースでのスターティンググリッドとなります。
予選1回目は午後2時15分に開始されました。阿蘇山麓は雨が降り続き、ヘビーウエットの路面となる厳しいコンディションでタイムアタックが繰り広げられました。数台のマシンがコースアウトを喫し、2度の赤旗中断となる展開のもと、塚越選手が乗る#17 KEIHIN HSV-010が2番手タイムとなる1分53秒381を記録しました。続いて伊沢選手が乗る#100 RAYBRIG HSV-010は5番手、小暮選手が乗る#18 ウイダー HSV-010は7番手、道上選手が乗る#32 EPSON HSV-010は10番手タイムを記録して、4台のHSV-010 GTが予選2回目への進出を決めました。一方、ファーマン選手が乗る#8 ARTA HSV-010は13番手となり、この時点で決勝レースのスターティンググリッドが確定しました。
続く予選2回目は雨が小康状態となるものの路面状況は改善することはなく、マシンの水しぶきが激しく舞うなかでの走行となりました。走行時間が残り6分となったタイミングで、#32 EPSON HSV-010の中山選手がマシンのフロント部分を損傷する単独クラッシュを喫し、予選が一時中断されました。その後、午後3時21分に再開されて各車がタイムアタックを試みた結果、金石選手が乗る#17 KEIHIN HSV-010が1分49秒175の3番手タイムを記録しました。さらに、ヴァン・ダム選手が乗る#18 ウイダー HSV-010が5番手、続く6番手タイムを記録した山本選手の#100 RAYBRIG HSV-010の計3台が予選3回目に進出することとなりました。この時点で#32 EPSON HSV-010の11番グリッドが決定しました。
上位10台のスターティンググリッドを決める予選3回目は15時52分に開始されました。路面は少し改善されたものの、薄い霧が立ちこめるコンディションとなりました。HSV-010 GTは最後までタイムアタックを試みましたが深溝のレインタイヤを選択したことが影響し、塚越選手の#17 KEIHIN HSV-010が1分47秒911を記録して5番手、小暮選手の#18 ウイダー HSV-010が1分48秒170を記録して6番手、伊沢選手の#100 RAYBRIG HSV-010が7番手タイムとなる1分48秒342を記録し、決勝レースのスターティンググリッドが確定することとなりました。ポールポジションは#19 WedsSports ADVAN SC430が獲得しました。
一方、デビュー3戦目となる第6戦富士ラウンドで初表彰台を獲得する活躍をみせた#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、GT300クラスの予選2回目で中嶋選手が2分1秒407を記録し、12番グリッドから決勝レースを迎えることとなりました。Hondaの技術支援を受けて開発されたレーシングハイブリッドを搭載するCR-Zの巻き返しに期待がかかります。
明日は午前9時20分からのフリー走行後、午後2時に決勝レース(65周)がスタートします。
- 松本雅彦|Honda GTプロジェクトリーダー
- 「今日は悪天候での走行となりましたが、HSV-010 GTの戦闘力には手応えを感じています。予選3回目はタイヤ選択の差が明暗を分ける結果となりました。我々の3台は深溝のレインタイヤを予選1回目から使用していましたが、最終セッションでの路面状況は浅溝のタイヤを選んで賭に出たチームがいいタイムを記録する結果となりました。このサーキットは舗装が一新されてHSV-010 GTに有利な環境になっていますし、事前テストでもいい感触を得ています。明日の決勝は、天候がどのように変化するのか分かりませんが、路面はドライでもウエットでもトップ争いができると期待しています。今回のレースでウエイトハンデが半分になっており、最終戦はゼロになるため2戦連続優勝が可能な展開となります。どちらのサーキットでもHSV-010 GTの戦闘力は高いと感じていますので、ぜひ期待してください。みなさまのご声援を宜しくお願いいたします」
- 金石年弘(5番手 #17 KEIHIN HSV-010)
- 「塚越選手が公式予選から好調な走りをみせていましたが、自分の走行ではクリアラップを取ることがうまくできず、いいタイムが残せていなかったので、予選が始まるまでちょっと心配していました。ただ、マシンの状態もよく、塚越選手にしっかりバトンをつなぐことができたと思います。5番手スタートは優勝を狙えるポジションなので、まずはミスをすることなく、優勝を目指してがんばります」
- 塚越広大(5番手 #17 KEIHIN HSV-010)
- 「走りだしから調子がとてもよく、セッティングも今日のコンディションにしっかり合っていました。ただ、天候の変化を読むことが難しく、予選1回目、2回目はしっかり上位をキープできましたが、3回目ではうまく対応する事ができませんでした。明日も天候がどのようになるのか分からないですが、必ずチャンスはあると思うので、そのチャンスを逃さず上位を目指します」
- 伊沢拓也(7番手 #100 RAYBRIG HSV-010)
- 「最近のレースではなかなか進出できなかった予選3回目までしっかりと進むことはできましたが、もっと上を目指していたので、悔しさが残っています。チャンピオンシップ獲得に向け、何よりも明日の結果がすべてだと思っています。明日はしっかり戦い、ライバルよりも先にゴールして望みをつなげたいです」
- 山本尚貴(7番手 #100 RAYBRIG HSV-010)
- 「予選3回目まで進出できたことはよかったですが、欲を言えばもっと順位を上げたかったです。ただ、ウエイトが半減してマシンの機敏さが出てきたので、マシンに手応えを感じています。オートポリスではマシンテストも行っているので、そのデータをもとに自信を持ってレースに臨み、最終戦につながるレースをしたいと思います」