スーパー耐久シリーズ2007第7戦、SUPER TAIKYU MOTEGI 500kmの決勝は、時折強く降ってくる雨のため、
セーフティーカーが3度も入る波乱の展開となった。
この影響で全体のペースも上がらず、午後2時40分には午後4時をもってレース終了、との公式通知が出され、
トップが92周を終了した時点でチェッカーが出されることとなった。
この混戦を制したのは、#8黒豆リボイスGT3(清水康弘/竹内浩典組)。
富士スピードウェイに続いて今季2勝目を挙げた。
(観客動員数:6,200人)
フリー走行での赤旗中断などもあり、スケジュールの遅延が懸念されたが、結局当初予定通り正午にフォーメーションラップが開始され、 第7戦決勝がスタートした。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#50BMW Z4を駆る柳田真孝だったが、
3-4コーナー区間で#8ポルシェの清水康弘が柳田を抜いてトップに立った。
抜かれた柳田も清水との間隔を1秒強に保ってしぶとくついていき、徐々にその間隔を詰めていく。
そして13周目のホームストレートで遂に清水に並びかけ、1コーナーを制して再びトップに。
ところがこの周の最終コーナーで50号車は駆動系のトラブルから突然スローダウン、一気に3位に後退してしまう。
それでも柳田は、8号車と1号車のポルシェ2台が熾烈なトップ争いを展開する隙に徐々に差を詰め、
雨が激しくなったために導入された最初のセーフティーカーを巧く利用してピットストップを行った結果、41周目にトップに返り咲いた。
ところが43周めの5コーナーで駆動系のトラブルが再発、柳田は立体交差下にストップしてレースを終えることとなった。
50号車はこれで第4戦の富士以来4戦連続でトップを走行しながら勝利を逃したことになる。
時折強まる雨のため、セーフティーカーはこの後も54周目と65周目に導入されることとなった。
コース上では8号車の後塵を拝し続けた1号車だったが、
最初のセーフティーカーでタイミングよくピットストップを行って順位を上げることができ、
その後は50号車のリタイヤにも助けられて総合トップに繰り上がって周回を重ねていった。
しかし3度目のセーフティーカーが入ったところで8号車がタイミングよく2度目のピットストップを行ってトップを奪い返すと、
1号車は66周終わりで交代したヘンリー・ホーのペースが上がらなかったために徐々に順位を落とすこととなり、結局総合5位、
ST1クラス4位でレースを終えることとなった。
3度目のセーフティーカーランで再びトップに立った8号車は、 竹内浩典が後続を全く寄せ付けない堅実な走りで午後4時のチェッカーまで走りきり、 第4戦富士以来の今季2勝目を挙げて2007シーズンを締めくくることとなった。
ST2クラスは#11オーリンズランサーEVO・MR(木下隆之/中谷明彦組)が混戦を制し、今季土付かずの7連勝を達成。
スタート直後から5、6台がトップ集団を形成して激しいバトルが展開されたが、ポールの#2フジツボインプレッサ、
#20RSオガワランサーらが接触やコースアウトで後退、
#13エクセディシーケンシャルに至ってはスリックタイヤでスタートするというギャンブルが外れて、勝利を逃す結果になった。
こうしたライバルたちのトラブルを尻目に、11号車は木下、中谷とも堅実かつハイペースな走りで最後まで踏みとどまり、7戦全勝を達成した。
ST3クラスは、#41SABOTAGE Z(塩渕誠二/脇阪薫一/吉田広樹組)が優勝。
#113カルラレーシング☆ings北海Z(大井貴之/伊橋勲組)が5位に入ってシリーズタイトルを獲得した。
4台がタイトル獲得の権利を持って最終戦に臨んだST3クラスだったが、
ポールシッターでランキング3位の#7アメニティホームRX-7がスタート手順の違反でドライブスルーペナルティをもらって最初にタイトル争いから脱落することとなった。
ランキング2位の#27FINAアドバンM3と同4位の#74アラビアンオアシスZはレース中盤から激しく優勝争いを展開したが、
そこへ割って入ったのが41号車だった。
スタートドライバーの脇阪からバトンを受け取った塩渕は、76周目のV字コーナーで#27小林且雄を攻略、トップに躍り出ると、
その後は#27と#74のドッグファイトに乗じて差を広げ、チェッカーまで逃げ切った。
一方、ポイントトップでもてぎ入りした113号車は、ピットストップ時に再始動に手間取るハプニングなどもあり、
更にはスピンを喫したこともあって一時はクラス6位まで後退してタイトル獲得に黄信号が灯ったが、
クラス5位を走行していた#39NSXが終盤コースアウトしたことに助けられて5位に浮上、10ポイントを加算して辛くも逃げ切った。
ST4クラスは#51TUBE FOUR TRUST GOCHI(松本玲二/黒木英春/黒木健次組)が終始レースをリード。
SCランを利用してピットストップを済ませた#34オートバックスDC5にトップを奪われる場面もあったが、
後半を担当した松本が72周目の90度コーナーで積極的に仕掛けてトップを奪い返してクラス優勝をものにした。
また、ランキングトップの#76ホンダアクセスシビック(玉本秀幸/小林正吾/古橋譲組)は見事3位表彰台を獲得し、
今季初登場のシビックタイプRがシリーズタイトルを獲得することとなった。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA