本山とトレルイエの猛追を凌ぎきり、初表彰台をもぎとった片岡(Photo:K.Takeshita)
6月6日、ツインリンクで行われたフォーミュラ・ニッポン第3戦は、スタート前の 雨に翻弄されたレースとなったが、安定した走りを見せた予選3位のアンドレ・ロッ テラー(PIAAナカジマ)が初優勝。好判断でドライタイヤにいち早く交換した片岡 龍也(ルマン・スピリット)が金星といえる3位表彰台に上がった。 朝から厚い曇が空を覆うことになった決勝日。天気予報どおり、午後2時近くになっ て雨がポツリポツリと落ちてきた。この雨は一旦止んだものの、スタート直前になっ てまた雨足が強くなってくる。各チームはグリッド上でスリックからレインタイヤ に交換。あわせて、ウィングや足回りの調整などを慌しく行ない、スタートを迎え た。 スタートを制したのはPPスタートの#40ライアンだったが、2周目の1コーナーで#11 本山にインをつかれ、オーバースピードでコースアウト。最後尾まで落ちてしまう。 トップに立った#1本山は、8周目に2位に浮上した#20井出との差を保ちながら周回 を重ねる。 しかし、この頃から急速に路面が乾き始める。これにいち早く反応したのがルーキー #25片岡。早目と思われたスリックへの交換を行いコースに戻る。傍目からはギャン ブルに見えたタイヤ交換だったが、結果は大正解。#25片岡のペースが上がるのを見 て、各車続々とピットイン。このなかでトップ#1本山はややタイミングを逸した形 になり、4位に後退。代わって#31ロッテラーがトップに立ち、2位には何と#25片岡 がつけることになった。 レース折り返しの28周を過ぎても順位に大きな変動はなく、#31ロッテラー、少し 離れて#25片岡、#20井出、そして#1本山と続く。 膠着したレースに変化が訪れたのが33周目。最終コーナーで#3立川がスピンしてコー ス上にストップ。これでセーフティカーが入ることになり、#31ロッテラーが築い た5秒のマージンが一気になくなる。 36周を終えたところで再スタート。#20井出がこのチャンスに#25片岡をかわして2 位に上がり、#7脇阪が1コーナーの混乱でコースアウトしたものの、トップ#31ロッ テラーの優位は揺るがず。#20井出を少しずつ引き離して初優勝のチェッカーを受 けた。 ルーキー片岡、3位争いを制して3戦目で表彰台 終盤盛り上がったのは、40周過ぎから始まった#25片岡、#1本山、#19トレルイエの 3台による表彰台を巡っての争い。テール・トゥ・ノーズ状態で周回を重ねる3台は、 52周目に#19トレルイエが#1本山をパスすると、その勢いのままにゴールまで#25片 岡を攻め続けた。しかし、#25片岡は#19トレルイエと堂々と渡り合い、チームの好 判断で手に入れた3位を守りきり、3戦目で殊勲の表彰台を得ることに成功した。 (観客:1万8000人) ◆ツインリンクもてぎ http://www.twinring.jp/
2004年6月6日 ツインリンクもてぎ(栃木県) 決勝 天候:雨のち曇り/コース:ウェット/ドライ
P.-No.Driver---------------Team-----------------Time(Delay)-----Gap--- 1 31 アンドレ・ロッテラー PIAA NAKAJIMA 1”40'56.223 - 2 20 井出 有治 mobilecast IMPUL 6.492 6.492 3 25 片岡 龍也 LeMans Spirit 14.835 8.343 4 19 ブノワ・トレルイエ mobilecast IMPUL 14.977 0.142 5 1 本山 哲 ADiRECT 5ZIGEN 15.377 0.400 6 3 道上 龍 Yellow Hat KONDO 18.467 3.090 7 8 土屋 武士 LeMans 19.221 0.754 8 40 リチャード・ライアン DoCoMo DANDELION 19.513 0.292 9 32 小暮 卓史 PIAA NAKAJIMA 23.077 3.564 10* 2 金石 年弘 ADiRECT 5ZIGEN 24.083 1.006 11 28 野田 英樹 CARROZZERIA MOHN 26.202 2.119 12 11 松田 次生 COSMO OIL CERUMO 5Laps 5Laps -----------------以上規定周回数完走------------------------------------- 13 41 服部 尚貴 DoCoMo DANDELION 17Laps 12Laps 14 7 脇阪 寿一 LeMans 19Laps 2Laps 15 4 立川 祐路 Yellow Hat KONDO 24Laps 5Laps ファステストラップ #40リチャード・ライアン 1'39.360(49/55Lap) 規定周回数 49周 ※ビクトリーコーナーにおける停止車両回収のため、33周より3周回 セーフティーカーを導入した。 ペナルティ * #2 金石年弘 2004年全日本選手権フォーミュラニッポン統一規則第33条2 (ピット作業、燃料補給手順)違反により、ドライビングスルーペナルティを 課した