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Formula Nippon

NAKAJIMA RACING FN MOTEGI REPORT

シリーズ名:全日本選手権フォーミュラ・ニッポン
大会名:第8戦・ツインリンクもてぎ
距離:4.801379km×43周
予選:9月27日 晴・観衆:1万5000人(主催者発表)
決勝:9月28日 晴・観衆:3万3000人(  同  )

新生サーキット「ツインリンクもてぎ」戦、予選好調の高木虎之介/山西康司選手と
もに無念のリタイヤに終わる!!

 いよいよシリーズも大詰めとなってきた1997年度全日本選手権フォーミュラ・
ニッポン。さらに、今回の第8戦は、新サーキット「ツインリンクもてぎ」の初の全
日本選手権レースであり、また、北関東地区というサーキット所在地であることから
も、大きな注目を浴びての開催となっている。
 すでに年間ドライバーズ・チャンピオンシップを前戦のMINEにおいてペドロ・
デ・ラ・ロサ選手に決定されているという事実こそあるものの、PIAA NAKAJIMA 
RACINGはひとつひとつのレースで常に勝利することを目標としており、速さへの追求
は今回のもてぎ戦においても何ら影響がないことは、初日に行われる公式予選におい
て、チームとして唯一#64高木虎之介車と#65山西康司車の2台を揃ってスペシャル・
ステージ(SS)へ送り込んだことで証明された。
 特に山西選手はフリー・プラクティスにおいて、順位こそ低迷したものの予選の前
半でセッティングを大きく進めることに成功。ニュー・タイヤを装着したタイム・ア
タックにおいて、予選終了までの後約10分という時点で、それまでの20番手から、
一気に5番手に躍り出る大躍進を見せた。その後、山西選手は#27影山正美選手がタ
イムを更新したことから6番手に後退したが、そのタイムはSS進出に十分なものとな
った。山西選手にとっては第4戦の鈴鹿以降、ひさびさのSS進出ということになる。
 一方の高木選手は8月18日~19日かけて行われた、ここもてぎでの公式合同テ
ストをポルシェ・スーパーカップ出場のために1日キャンセルしており、絶対走行量
が他車と比べて少ないにもかかわらず、優々と2番手のタイムをマークしてSS進出を
決定していた。これで、高木選手は開幕戦からの連続SS進出記録を8回へと伸ばすこ
とになった。
 ただ、このSSにおいては、山西選手は好タイムをマークすることができず順位を上
げることができず、高木選手も予選の内容をふまえて施した若干のセッティング変更
が返って悪影響を与える結果となり、こちらもタイムを更新できず2番手のままで走
行を終えることになる。ポール・ポジションはロサ選手が、このところの好調さを持
続して、今期2度目の獲得となった。3番手には、#1のノルベルト・フォンタナ選手
が続いた。
 決勝当日午前中は時折色の濃い雲が上空を覆うことがあったが、徐々に初秋のさわ
やかな晴天へと移行し、ツインリンクもてぎのこけら落としレースとしては絶好のコ
ンディションとなった。午前中に行われた30分間のフリー走行においては、前戦MI
NE同様にレース・セッティングが向上した高木選手がダントツのトップタイムを
マークし、レースへの自身を深める。一方の山西選手も、ポジションこそ12番手だ
が、ラップタイム的には上々の出来でレースを迎える。
 このような状況でレースを迎えたPIAA NAKAJIMA RACINGは、スタートを告げるシグ
ナルがブルーに変わった瞬間に、やや表情を曇らせることになる。
 フロント・ローからスタートの高木選手も、6番手スタートの山西選手も通常は車
両が通ることの少ないインサイド側という埃の多い路面でのスタート位置のため、肝
心のダッシュがままならず、懸命に路面状況の良いアウトサイド側に進路変更を行う
間にそれぞれ他車の先行を許して4番手と9番手という第1コーナー進入となったの
だ。
 レースはオープニングラップから追い抜きポイントが少ないもてぎのコースを象徴
するように、テール・トゥ・ノーズの僅差で進行するが、自由にラインが取れるポー
ル・ポジション・スタートのロサ選手が一気にスパートを掛けてリードを取る。しか
し、スタートで2番手に進出した影山正美選手のペースが上がらず、背後にフォンタ
ナ選手と高木選手が攻め上がる。この中で、高木選手は4周目の第3コーナー進入で、
フォンタナ選手の背後につけたままブレーキング。しかし、ここでブレーキ・ロック
してしまい、スピン。そのままサンドトラップに飛び出して痛恨のリタイヤとなって
しまう。
 一方の山西選手は、4周目の高木選手のリタイヤ、22周目の#19黒澤琢弥選手の
リタイヤによりポイント圏内一歩手前の7番手に浮上して、スタート以降ずっとテー
ル・トゥ・ノーズで、前走車の#18ラルフ・ファーマン選手、#2ミハエル・クルム選
手を追走する。
 タイム的には、トップグループとほぼ同等のラップタイムで走行可能な山西選手で
はあったが、抜きどころのないツインリンクもてぎのコースにおいては、前走車の完
全なミスを待つのみの走行に徹するしかなく、その追走はレースがほぼ終了を迎える
41周目まで続いた。山西選手が待っていた前走車のミスは、この41周目に起こる。
立体交差からインフィールドに戻る左コーナーでミハエル・クルム選手がバランスを
崩してスピン。それをうまく避けた山西選手はポイント圏内の6位に、一瞬浮上する。
が、スピンしたクルム選手の車両は、惰性でコースに復帰し、回避運動に入っていた
山西選手のマシンに接触してしまう。これでバランスを崩した山西選手はスピンに陥
り、最終コーナーのサンドトラップに飛び出し、ゴールまで1周強を残して残念なリ
タイヤとなってしまう。
 レースはポール・ポジションから逃げ切ったロサ選手が優勝、2位にはスタートで
2位に浮上した影山正美選手、3位にはこれもスタート直後に3位のポジションを死
守したフォンタナ選手が、そのまま入賞した。

■PIAA NAKAJIMA RACING総監督:中嶋悟のコメント
『高木選手は、一瞬のミスとも言えるブレーキングのスピンでレースを終えてしまっ
たようです。山西選手は、集中して良いドライブでチャンスを伺うレースを続けてい
ましたが、不運にもクルム選手のスピンに巻き込まれてしまいました。山西選手の
レース内容は称賛に値するものであったと思います。』


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