往年のドライバーたちが顔を揃えたレジェンドカップ。ホンダCR-Zのレース仕様車を使ったイコールコンディションで、70~90年代に日本のレースシーンを沸かせた伝説の男たちがバトルを見せる、ファンにとっては垂涎のレースだ。
予選のルールも、50歳以上は1歳につき1秒が予選タイムからマイナスされるという年齢ハンデ戦になっている。とはいえ、殆どのドライバーはトップに遜色ない速さを見せ、そこいらのオジサン、おじいさんとはわけが違うことをタイムで証明した。
PPを奪ったのは、高橋国光(71歳)。以下、津々見友彦(69歳)、長谷見昌弘(66歳)、見崎清志(65歳)、星野薫(64歳)、鮒子田寛(65歳)、柳田春人(61歳)と、大ベテランのドライバーがグリッド上位を占めたが、若手(?)も後方グリッドからの追い上げを狙う。
レース序盤は、見崎、津々見、長谷見の「見」コンビに、国光が加わりトップを争ったが、安定した走りを見せる長谷見が3周目にトップに立つと、後続との差をやや開いていく。 このトップグループに予選10位から追い上げてきた中嶋悟、現役に近い鈴木亜久里、土屋圭市などが絡んでレースを盛り上げる。
土屋は、途中、師と仰ぐ国光をガードするように走行するが、その気持ちが蛇行運転を招き、オフィシャルから「場内清掃」のペナルティが提示される。
最終ラップでは、長谷見に追いついた中嶋が1コーナーでトップを奪うが、ダンロップコーナーから続くセクションで、長谷見が再逆転。中嶋は無理をせず、先輩に道を譲る。国光も中嶋の前に出て、最後は長谷見、国光、中嶋の順でチェッカーを受けた。
フライングスタートをした選手もいたようだが、ペナルティはなし。また、接触、蛇行をした土屋にはシャレともいえる場内清掃のペナルティが課されるなど、観客だけでなく、オフィシャルも大いに楽しんだレースだった。
Text:Shigeru KITAMICHI / Photo: Keiichiro TAKESHITA, MS Forum, Y.OHNISHI