全日本GT選手権

GTインサイドレポート/Testdays Fuji(2)

                    AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CAR CHAMPIONSHIP
                       1998  GT INSIDE REPORT
   Fuji TEST DAY                                             8- 9 July '98
   GT Inside Report             インサイドレポート               FMOTOR4版
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1998 AUTOBACS CUP全日本GT選手権
合同公開テスト第4回 富士スピードウェイ

 7月8、9日にGTC第5戦が開催(8/8,9)される富士スピードウェイにおいて、
GTAの公開テストが行われた。両日とも天候に恵まれ、ドライ・コンディション。
午前と午後の各2時間、2日間で4回の走行が実施された。

☆テスト1日目
1回目の走行は午前10時からスタートした。11時30分には気温28度/路温37度と気
温の上昇が早く、蒸し暑い1日になりそうな天候だ。
 今回も、ラップボードの上位にはNSXの車番が刻まれた。No.64 Mobil 1 NSX(ト
ム・コロネル/佐藤浩二組)が開始早々の10周目で1分28秒118をマーク。No.16 
Castrol 無限 NSX(中子修/道上龍組)が28秒799からスタートし、34周目で28秒531
をマークした。出走はやや遅めだったものの、6周目に28秒560を出したNo.100 
RAYBRIG NSX(飯田章)も3番手。午前は第3戦のクラッシュで欠場のNo.18 TAKATA
童夢無限NSXを除くNSX3台で、またもやトップを独占した。4番手につけたのは、
No.2 ZEXELスカイライン(影山正彦)で終盤の36周目に29秒650とスカイライン勢の
トップタイムを記録した。また、5番手にはスープラ勢のトップにNo.6 ESSO Tiger
 Supra(ピエール・ラファネル/高木真一組)が29秒853で入り、6番手にはNo.3 
ユニシアジェックススカイライン(長谷見昌弘/田中哲也組)が29秒865と、ここま
でが30秒を切ってきた。


 300クラスでは、序盤はNo.61 テイボン・トランピオ・FTO(中谷明彦/原貴彦組)
が36秒198からスタート。21周目にNo.44 アペックスDLモモコルセMR2(新田守男/
ピーター・ダンブレック組)が35秒748をマークし、トップタイムとなった。2番手
は、No.81ダイシンシルビア(福山英朗/大八木信行組)が終盤の29周目に35秒975
を出す。3番手は、No.61 テイボン・トランピオ・FTOで、序盤の36秒182がベストラッ
プとなった。前回仙台で久々の表彰台に上がったNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が
11周目に36秒583で4番手につけた。

 そして、午後のセッションは2時から開始された。気温の上昇も予想され、さほ
どタイムの更新はないものと思われた。だが、実際の気温は10時で27.4度だったが、
12時も変わらず、15時でわずかに27.9度まで上がったにとどまった。ただ、湿度は
65%から69%と蒸し暑い1日になった。
 午後は、No.100 RAYBRIG NSXが飯田のドライブで29秒511にまず入れる。15分過
ぎには、No.12 カルソニックスカイラインが29秒371とこの時点での午後のトップ
に。だが、1時間が経過する頃には18周目で28秒700をNo.100 飯田が更新。2番手
にはNo.38 FKマッシモセルモスープラ(竹内浩典/野田英樹組)が14周目に29秒230
を出した。さらに3番手にはNo.3 ユニシアジェックススカイラインものぼってき
た。終了間際に、No.16 Castrol無限NSX(中子修/道上龍組)が28秒185と午後の
トップタイムを更新した。さらに、No.3も長谷見がラストアタックで逆転し総合3
位の午後のセッションのタイムを出した。トップ2は午後もNSXそして、スカイラ
インにスープラというオーダーになった。

 300クラスは、序盤にはNo.25 つちやMR2(鈴木恵一/舘信吾組)がウエイトを積
みながらも35秒743のトップタイムをマーク。2番手はNo.61 テイボン・トランピオ
 FTO(中谷明彦/原貴彦組)が35秒775と続いた。3位にはNo.81ダイシンシルビア
が36秒005を出していた。だが、30周目にNo.61中谷が34秒938のトップタイムを更
新。これがこの日の300クラスのトップタイムとなった。2番手は35秒330のダイシ
ンシルビア、3番手は35秒374のNo.44 アペックスDLモモコルセMR2となった。


No.64 Mobil 1 NSX(1日目午前1位)
林マネージャー「ややマイナートラブルはありましたが、他は問題はなく方向性は
クルマには問題はないです。フィーリングも良いとトムも言っています。暑くなっ
てきちゃったのもあって、トム自身はそれで終わってしまったのですが、この調子
でテストを続けたいです。ライバルNSX同士ではなく、最後までしっかり走るとい
うことが大切です。耐久レースの経験が少ないですが、前へ前へと言う気持ちで取
り組んでいます」

No.2 ZEXELスカイライン(1日目午前4位)
影山正彦「100kg(積んでいるクルマ)に負けたらまずいでしょう。相方はさぼっ
てる(鈴木亜久里は今回欠席)し、逃げられています(笑)。スカイラインの中で
は仕上がりはかなり良いけど、NSXが速すぎる。次元の違う所に行ってるよね。戦
い方を考えないと…。(スカイラインの連勝については)ウサギと亀さんでしょ
う。富士とスカイラインの相性は悪くないし、過去にも勝ってる。技術と信頼性の
日産で、NSXを倒したいですね」

No.23 ベンズオイル・ニスモGTR(1日目午前12位)
影山正美「100kgのウエイトは重くて大変。50kgの上のボディブローが相当に効い
てる感じですね。いかにこの状態で速く走れるかを探さないと…、12番手ですから」

No.44 アペックスDLモモコルセMR2(1日目午前クラス1位)
新田守男「仕上がりは、まだまだ良い方じゃない。やりたい所は足回りのセット
ですね。ハイランドからここへは、空力をちょっとやったぐらいですが、こっちで
はたぶん使わないんで、仙台の確認ですね。今回は、ハコ初挑戦のダンブレック
選手におまかせですね(笑)」

No.61 テイボン・トランピオ FTO(1日目午後クラス1位)
中谷明彦「クルマはパーフェクトで、ほとんど変えていないし何の問題もない。
(クルマを下手に)いじると良いタイヤができないから。パフォーマンスはまだ
まだこれからで、テーマはいっぱいある。熱に強いタイヤを作ってくれているん
で、期待したいです」



☆テスト2日目
 9日は、気温は11時過ぎで28.6度と昨日と同じくらいだったが、日差しが強く路
温45度とよりハードな状況となった。1回目の走行は、午前10時からスタートした。
 開始20分後には、またしてもラップボードの上位にはNSXの車番が刻まれた。No.16
 Castrol 無限 NSX(中子修/道上龍組)が1分28秒466を5周目に記録。昨日のトッ
プタイムを叩き出したNo.64 Mobil 1 NSX(トム・コロネル/佐藤浩二組)も15周目
で1分28秒387。約1時間経過した頃、No.39 デンソーサードスープラGT(土屋圭市
/谷川達也組)が23周目で28秒868のスープラ勢トップタイムの3番手に浮上。だ
が、2時間のセッションのラストアタックで、No.100 RAYBRIG NSX(高橋国光/飯
田章組)が44周目に28秒606と逆転し総合3位に。

 300クラスでは、序盤はNo.44 アペックスDLモモコルセMR2(新田守男/ピーター
・ダンブレック組)が35秒458を出し、No.61 テイボン・トランピオ・FTO(中谷明彦
/原貴彦組)も35秒866を10周目に出す。No.81ダイシンシルビア(福山英朗/大八
木信行組)も35秒887を序盤に出した。20周目には、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
(山路慎一/松本晴彦組)が35秒556を出し2番手に。No.44 アペックスDLモモコル
セMR2も30周目に35秒230をマークし、トップタイムとなった。3番手は、35秒723で
No.61 テイボン・トランピオ・FTOとなった。


 そして、午後のセッションは昨日と同じ2時から開始された。6周目、まず29秒
台に入れてきたのはNo.100 RAYBRIG NSX で飯田のドライブで29秒909を記録する。
だが、その後No.37カストロール・トムス・スープラ(鈴木利男/ケルビン・バート組)
が6周目で29秒674、さらには7周目で29秒341とスープラがトップに立つ。15時を
過ぎてもモニターにはNo.37号車がトップをキープしていた。これより先、No.61テ
イボン・トランピオ・FTO(中谷明彦/原貴彦組)が14時50分頃に、ストレートでエン
ジントラブルでストップ。白煙を上げたため消火作業などのため赤旗で中断。今回
のテストでは、赤旗中断はさほど多くなかったが、昨日100RでNo.911ナインテン
PCJポルシェがクラッシュしたのに続く大きなアクシデントとなった。
 15時を僅かに過ぎた頃、やはりNSXが上位に来た。No.16 Castrol 無限 NSX(中
子修/道上龍組)が29秒041と28秒台目前のタイム。15時10分にはNo.39 デンソー
サードスープラGTが、23周目で午前中の自己のタイムを更新する28秒747でトップ
に浮上。だが、No.16 Castrol 無限 NSXも5分後には28秒651と応酬する。15時20
分にはNo.100 RAYBRIG NSXが32周目で28秒714と2番手につける。15時30分頃には
飯田は37周目で28秒388までタイムを上げた。残り15分を切り、各車は2日間のテ
ストの仕上げのラストアタックに突入する。No.16 Castrol 無限 NSXが33周目に28
秒251とこの日の午後のトップタイムをマーク。残り7分でNo.39 デンソーサード
スープラGTの谷川が38周目で28秒264と2番手のタイムを出す。2台のNSXの間にス
ープラが割って入った形でセッションは終了した。

 300クラスは、No.44アペックスDLモモコルセMR2が35秒567を7周目に新田がマー
クしていて、15時過ぎにNo.81ダイシンシルビアの福山が35秒861の2番手のタイム
を出す。No.61 テイボン・トランピオ FTOがストップしたため、No.15ザナヴィシ
ルビアが近藤のアタックで終盤に35秒914と3番手のタイムをマークした。


No.64 Mobil 1 NSX(2日目午前1位)
佐藤浩二「第3戦ハイランドで急遽NSXをドライブすることになり、昨日のテスト
も35周ぐらい乗りました。クルマはほとんど問題ないし、やっぱり走ると楽しい
ですよね。漠然としていた昔と違って、データーロガーで自分のタイムでも、ど
こが遅いか速いかがすぐにわかりますしね。トムさんは速いですよ。彼は走れば
速いから、今日の午前中のトップタイムも彼のおかげですよ。今回も、山西君は
乗っていません。レースで乗るかどうかはチームが決めることですから」

No.39 デンソーサードスープラGT(2日目午前4位)
土屋圭市「ダウンフォースを減らして、ガーニーとかリアウィングを3枚だったの
を2枚にしたり、余計な物をとっていってます。コーナーは苦しいけど、NSXより
8km/hはやられてるんで、なんとかしないと。コーナーを速くすると、トップスピー
ドが10km/hは遅い。ストレート勝負なんですが、下手すると最終コーナーが踏めな
い。ただ、チャンスはあると思う。ウイングは毎回ピットインする度に変えて、
1km/hでもタイムアップしてる。ロングでどうか、このセットで本番は辛いから、
予選セットかな。昨日は、セッティングに終始していて、ダウンフォースやドラッ
グのセットをやった。午後はタイヤのテストだったんで、ボク本来の走りができた
のは今日の今のセッションだね」

No.44 アペックスDLモモコルセMR2(2日目クラス午前1位)
新田守男「トップタイムですね。ずっと続けば良いな。No.25は昨日で帰っちゃっ
た。昨日からは、ピーターがセットして、元のボクの仕様に戻っちゃった感じ。彼
ともクルマの好みは変わらないし、コメントも同じ。タイムから見ても問題ない
し、違和感もない。フォーミュラでもハコでも速いでしょう、器用だよね。仕上が
り具合は、足回りとタイヤのバランスがうまく決まらないと言うか、妥協点が見つ
からない。前回の富士のテストと似たような感じですね」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(2日目クラス午前2位)
山路慎一「エンジンの調子が良くなって35秒5タイム的にはもうチョイですが、ま
あまあ良い感じで目標達成ですね。特別ストレートが速いんじゃなくて、クルマの
ポテンシャルでタイムアップできましたから。乗りやすさとバランスの良さで、や
ることがうまくはまった感じです」


No.16 Castrol 無限 NSX(2日目午後1位)
道上龍「シフトミスしての28秒251なんで、0.3秒ぐらいは損をしていますから、ミ
スがなければ27秒台に入っていたと思います。まあ、冬に比べては遅いけど調子良
い方だと思います。ロングもしましたし。細かいトラブルも出ず、ノントラブルで
終われて、うまくまとめられました」

No.39 デンソーサードスープラGT(2日目午後2位)
土屋圭市「空力がだいぶ良くなった。ラストのアタックは谷川です」
谷川達也「このテストではやっていく方向がみんな良かった。タイヤも新しい物は
ドライはすごく良かったし、レインも良い方向が見つかったのでタイムにつながっ
ています。ただ、決勝レースではタレや天候もまだわからないですから、このテス
トの結果よりもう少し上をめざしていかないと、NSXももっと来ると思いますから。
昨日は、今日よりも10km/h遅かったんですが、今日は他のスープラと同じぐらいに
なりました。決勝はストレートが速い方が楽ですし、タイムも上がってきますから」

No.100 RAYBRIG NSX(2日目午後3位)
飯田章「クルマの状態がいまいちです。ここでのシェイクダウンの時の感じに戻ら
ないんですよ」

No.44アペックスDLモモコルセMR2(2日目午後クラス1位)
新田守男「ハイランドのレースは、インタークーラーに穴が開いたりして遅かった。
今日は、ニュータイヤではなかったし気温も高かったんで、こんなもんでしょう。
タイムは自分が序盤に出しました。ピーターが後半はロングかけていました。強力
な助っ人なんで、まだ正式には(8月のレースでのドライブは)決まっていません
が期待できそうです」

No.15ザナヴィシルビア(2日目午後クラス3位)
近藤正彦「感触はすごく良いしロングも良い。アタックはひっかかっちゃった。真
ん中ぐらいまでは行ったと思うけど、予選じゃないから。テストは内容も濃かった
し良かった。昨日はMR2に2秒離されていて帰りも(チームが)暗かったんですが、
0.5秒差まで来ましたから。よそのチームは上がってないけど、ウチはタイムアッ
プしていますから。足のセットが決まってきたし、レースは楽しみですね。予選は
仙台みたいにはいかないかもしれないけど、恥ずかしくない予選はできそうです。
36秒台でコンスタントにレースは走れそうですから」

                    Reported by GT INSIDE REPORT Team


☆走行タイム・データ
1998 AUTOBACS CUP全日本GT選手権
GTC合同テスト第4回 富士スピードウェイ
                 天候:8日・晴れ/ドライ  9日・晴れ/ドライ
                Time
Po No. Machne         7/8 AM   7/8 PM   7/9 AM   7/9 PM
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 1  64   Mobil1 NSX             1'28.118*  1'29.985   1'28.387   1'29.846
 2  16   Castrol無限NSX         1'28.531   1'28.185*  1'28.466   1'28.251
 3  39   デンソーサードスープラGT       1'30.701   1'29.289   1'28.868   1'28.264*
 4 100   RAYBRIG NSX            1'28.560   1'28.523   1'28.606   1'28.388*
 5   6   ESSO Tiger Supra       1'29.853   1'29.866   1'28.980*  1'29.504
 6   3   ユニシアジェックススカイライン       1'29.865   1'29.113*  1'29.751   1'29.535
 7   2   ZEXELスカイライン            1'29.650   1'30.989   1'30.084   1'29.215*
 8  38   FK/マッシモセルモスープラ        1'30.285   1'29.230*  1'29.387   1'29.447
 9  12   カルソニックスカイライン           1'30.157   1'29.371   1'29.504   1'29.257*
10  37   カストロール・トムス・スープラ       1'30.277   1'29.641   1'29.879   1'29.341*
11  55   タイサンアドバンバイパー       1'32.130   1'33.108   1'29.968   1'29.615*
12  36   カストロール・トムス・スープラ       1'30.516   1'30.101   1'30.491   1'29.847*
13  23   ペンズオイル・ニスモGTR        1'30.826   1'30.361   1'30.386   1'30.243*
14  13   エンドレスGTR              1'33.297   1'32.707   1'31.743   1'31.358*
15  88   ウェディング ディアブロ GT1   -         -         -         1'32.027*
16  30   綜警PORSCHE            1'32.870   1'32.950   1'32.854   1'32.491*
17  61   テイボン・トランピオ・FTO       1'36.182   1'34.938*  1'35.723   1'36.249
18  44   アペックスDLモモコルセMR2       1'35.748   1'35.374   1'35.230*  1'35.567
19  81   ダイシンシルビア             1'35.975   1'35.330*  1'35.887   1'35.861
20   7   RE雨宮マツモトキヨシRX7       1'36.583   1'36.110   1'35.556*  1'36.822
21  25   つちやMR2              1'36.788   1'35.743*  -         -
22  15   ザナヴィシルビア            1'37.729   1'36.932   1'36.277   1'35.914*
23  21   ダンロップ-BP-BMW         1'36.893*  1'36.968   1'37.381   -
24  72   オークラRX7                1'40.630   1'37.892   1'36.955*  1'39.445
25  77   クスコスバルインプレッサ         1'38.500   1'37.291   1'36.982*  1'37.211
26 777   レイン・XディアブロDL         2'25.423   1'37.115*  1'40.225   -
27 910   ナインテンポルシェ             1'39.021   1'38.541   1'37.882   1'37.763*
28   9   大黒屋ポルシェ            1'39.272   1'38.421*  1'38.975   1'39.003
29  60   TOYOTA CAVALIER        1'40.557   -         -         1'38.974*
30 117   ホイールショップALTA RX-7     -         9'18.980   1'40.225*  1'40.592
31  10   アビリティポルシェ            1'40.912   1'40.292   1'40.381   -
32 911   ナインテンPCJポルシェ          1'40.909*  -         -         -

◎*印は2日間のベストタイム
◎コースレコード  GT500:1'28.625 / GT300:1'35.197
◎タイムは非公式のもの。データ協力:富士スピードウェイ

以上

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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