全日本GT選手権

GTインサイドレポート 99Rd.5/4

■ 1999 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 5 JAPAN SPECIAL GT CAP                            FMOTOR4 EDITION
   GT INSIDE REPORT      インサイドレポート3       99/08/08
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'99AUTOBACS CUP GTC第5戦FUJI(8/7,8)

☆決勝スタート直前情報
 天気:晴れ  路面状況:ドライ  気温:32度  路面温度:44度
 観客動員数:8月8日 6万2700人(8月7日 1万6500人)

■レース中のコメント
#36 カストロール・トムス・スープラ
関谷正徳「(ピットインは)予定より3周くらい早いんだけど、タイヤがちょっと
ツラくなってきたんで…」

#1 ペンズオイル・ニスモGT-R
エリック・コマス「マシンにはまったく問題はありません。本山もいいタイムで走
っているし、順調です。しかし、マクラーレンが速いね」

*26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「7番(RE雨宮マツモトキヨシRX7)に抜かれちゃいましたけどねぇ。で
も、スタートもうまくいったし、上デキでしょう」

*7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
松本晴彦「向こう(*26 STPアドバンタイサンGT3R)はターボで直線が速いから、抜
くのに手間取ってしまった。でも、着実に1台1台抜いてきたつもり。このままい
ってくれればいいね」

*19 ウェッズスポーツセリカ
織戸学「Bコーナーの出口で前のポルシェに追突してしまって、そのポルシェがス
ピンしたところにまた当たってしまったんです」

*25 モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「(バーストは)もったいないね、すごくいいペースだったから。思いの
ほかシルビア(*15ザナヴィARTAシルビア)のペースが上がらなかったのでプッシュ
して、*20のオートレット セリカまで抜けた。そのころからリアのバイブレーショ
ンが出始めて、このままだとヤバイと思ってセリカに抜かれない程度にいこうと思
ってたらダイシン(*81)が見えてきたんで、ダイシンまではいこうと思ってプッ
シュしたとたん、Bコーナー入り口でバーストしてしまった」

*77 クスコスバルインプレッサ
小林且雄「ヘアピンでザナヴィ(*15)と接触しちゃった。申し訳ないことをし
た。ウチもアライメントが狂って、ハンドルが曲がってフラフラ走ってる。しかた
ないね」

#38 FK/マッシモセルモスープラ
立川祐路「スタートは無難にいったんだけど、ソフトタイヤを履いていたのですぐ
にリアタイヤがきびしくなった。まあ、これは予定どおりで、早めにピットに入っ
て、竹内さんがハードを履いて走ってます」

#32 cdmaOneセルモスープラ
近藤真彦「Bコーナーを立ち上がったら電気がパッと全部消えて、自分でマシンを
止めた。ヨーイドンしてからすぐ、すでに不安だった。パワステかコンピュータか…」

#11 エンドレスアドバンGTR
木下みつひろ「ボクが暑くなる前にタイヤが熱くなってしまったので…。6周目く
らいから左側が前後とも滑り出した。トラクションに気を遣って32秒ペースをキー
プ。キツかった」

*111 JIM GAINER F355
井倉淳一「ブレーキが(バランスを)前後どっちに振ってもロックしてしまう。それ
に燃圧が落ちてきて、予定より9周早くピットに入った。燃圧さえ保てば…」

*72 オークラRX7
石川朗「ハンドルがブラケットのところからゆるんでガタガタいい出した。クルマ
はよかったんだけど、いつハンドルが取れるか心配で、3,4秒ペースを落として
いかざるをえなかった」


■リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No.   原因             周回数
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*19   接触によるダメージ       3L
#32   電気系             9L
*20   電気系            30L
*15   周回数不足          24L


■レース終了後のコメント
#18 TAKATA童夢NSX(総合2位)
脇阪寿一「ピット作業に時間がかかってしまってポジションを落としてしまった。
でも、スカイライン(#12)の後ろを走っているときにタイヤを温存できたので、最
後の10何周かでスパートをかけられた。本山選手(#1)は変なブロックもしなかっ
たし、クリアなバトルができた。タイヤのライフはGT-RよりNSXのほうがよかったみ
たい。クルマは、最初オーバーステア気味だったけど、燃料が軽くなってきたらよ
くなった」

#1ペンズオイル・ニスモGT-R(総合3位)
エリック・コマス「60kgのハンデウエイトにもかかわらず、クルマはよく走った。
サトシ(本山)もよく走ったし、ピット作業が最高だった。すごくうれしいよ」
本山哲「ピットストップが早かった。そのためにクールスーツも使わなかったし。
がんばった甲斐がありました。(#18とのバトルは)はじめのうちはオレのほうが
速くて、いけると思ったけど、周回遅れに引っかかるタイミングが悪くて、差を詰
められてしまった。それに、周回遅れの処理でムダにタイヤを使ってしまった。抜
かれたときは、最終コーナーですごく遅いクルマに引っかかって立ち上がりでスピー
ドを乗せられなかった。並んだときに横を見たら寿一(脇阪)が大笑いしてた。そ
のあとスープラ(#36カストロール・トムス・スープラ)にも迫られたけど、それ
はなんとかしのげた。車種によって速いところ遅いところが違うから、遅いところ
でいかに抜かれないよう抑えるかがポイントになった。GT-Rはトラクションが足り
なかった。エリック(コマス)とはお互いに信頼できている。頼りないところとい
うのがないから、心強い。GTのレースはいろんな状況が出てくるから、こういう信
頼関係というのは大事だと思う。ボクは1回休んでいるけど、エリックとチームが
チャンピオンになれるようにがんばる。今日の結果でかなり見えてきたと思う。た
だ、次はウェイトハンディが80kgになってしまうのでキツいけど、レースは何があ
るかわからないので、ドライバーもチームもミスなくレースしたい」

*7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(GT300 2位)
松本晴彦「ほんとうにうれしいです! 2位は久々ですよ。長いトンネルから抜け
たようです。チームが一丸となってやってくれたんで、入賞したかった。レースの
序盤はターボ勢についていったら、前でミスがあってバラけてきたんだけど、ウチ
はNAで立ち上がりが速くないんで抜くのがきつかった」
山野哲也「とりあえずスゲエうれしいねえ! 全日本選手権のレースでいつか表彰
台に上りたいという夢がGT選手権でかなって、めちゃくちゃうれしい。ドミニク
(シュワガー)に抜かれたけど、ボクとしてはタイヤもブレーキも目一杯で、精一
杯のペースだった。3,4秒差あったんで前を追うのはムリだと思った。感謝した
いのは雨さん(雨宮勇美代表)。ボクの実力があるかないかわからないうちに雇っ
てくれて、久々の2位表彰台に雨さんのおかげで立てた。あと、マージンを取って
1位で引っ張ってピットインしてくれたハルピー(松本晴彦)にも感謝したい。ヨ
コハマタイヤ、BOMEX、応援してくれたファンのかたにお礼を言いたい」

*25 モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「ボクの乗っているときにバーストしてしまいました。ポイントを離せた
からありがたいんだけど、トップが見えてたのにもったいないレースでした。中盤
からバイブレーションが出ていたのでヤバイなとは思ったけど、ストレートが遅い
からコーナーでプッシュしていかないとしかたなかった」

*14 ホイールショップアルタシルビア
古在哲雄「目立って速くないけれど、固いところをおさえました。チームの総合力
で走れたということでしょう。レースの直前に、温度上昇を予想して安全策を採っ
たセットにしました。タイヤのタレも少なかったです」

#35 マツモトキヨシ・トムススープラ
山路慎一「ドライバー交替して出ていこうとしたら、半クラでエンジン回転が落っ
こちちゃってクルマが前に進まなかった。クラッチにエアが入っちゃったみたい…」

*71 シグマテック911
城内政樹「Bコーナ-の2つ目で*19(ウェッズスポーツセリカ)に押されてスラ
イドして、ゴンとぶつかられてスピンした。左のサスペンションアームがいっちゃ
って、最後まで走りたかったんでアームを修理してまた出ていった」

#12 カルソニックスカイライン
星野一義「クルマの調子はよかった。でもGT-Rはつらい。完走してどうこうという
より、心臓が痛くなるようなレースをしたいよね。最後になってみたら3位とか5
位とかいうんじゃなくてね。なんとか勝てるようになりたいね。がんばるよ」

伊藤宗治トムス・エンジニア
「予選でのワン・ツー・スリーはあんまり関係ない。今日を過ぎれば忘れられてし
まうことですから。#37(の序盤にピットイン)はフェラーリにぶつけられたみた
い。リアタイヤがバーストして4本交換した。大きなタイムロスだったね。#35(の
ピットアウト時のトラブル)はクラッチじゃなくてエンジンの制御系。電気系みた
いなものですね。#36は、関谷さんが言ってたようにタイヤがキツかったから早め
に入れた。いろいろあるんだけど、ひとつずつ潰していかないといけない。テスト
をやってもトラブルで走れないこともあって、潰しきれてないのがいっぱい出てる。
もう少し潰そうかなというところ。耐久的な走りができていないということですね。
ABSについては、ようやくひとつ潰せたかなといったところです」

*81 ダイシン シルビア
大八木信行「展開的にもう一歩かなというところ。(終盤)FTO(*61)と並んで3
位争いをしているときに、ヘアピンでマッシモスープラ(#38)と接触したのが惜し
かったかな…。アクシデントやからね。クルマ的には問題なかった」
福山英朗「すまん。テイボン(*61)を抜きにいってインを差してるときだったか
ら、もう前のクルマしか見てなかった。まあ、向こう(#38)も2位を棒に振った
かもしれないけれど、ウチも3位を棒に振ったよ」

#38 FK/マッシモセルモスープラ
竹内浩典「福山さんも後ろを見ててくれないと…。まあ混走レースだからしょうが
ないんですけどね。100Rでヘルメットを見て福山さんだとわかって、ベテランでう
まい人だから信用できると思ってたんだけどヘアピンでぶつかっちゃったんで、そ
れはないかな、と。レースだからっていえば、しかたないんですけどね」

☆優勝記者会見
GT500優勝
#6 ESSO Tiger Supra
野田英樹「今日はチェッカーを受けるまでパーフェクトに進んだと思います。クル
マもいい状態でしたし、1コーナーですべて抜いてやろうと初めから思ってたんて
すが、すべてねらいどおりいったし、チームのみんなもトラブルが出ないように昨
日も遅くまで、今日も朝早くサーキットに入ってよく仕上げてくれたんで、そうい
う意味ではほんとうにみんなに感謝したいと思います。前半、ついていくぶんには
そんなに問題なかったし、同じトヨタ同士でからむわけにはいかないので、確実に
抜けるところをと思ってたんだけど、ブレーキングでウチがアドバンテージがある
のはわかってたんで、1コーナーで抜けるんだろうな、というのはわかってました。
トップに出てからもそんなにプッシュはしてないです。たぶんミシュラン勢はかな
り柔らかいタイヤを使ったんじゃないかな。我々はいつもよりちょっと硬めのタイ
ヤでしたが、昨日予選でミシュラン勢に負けちゃったんで、BSの人たちとみんなで
一生懸命今あるタイヤでどうやったら性能を引出せるかミーティングして、エア圧
とか打ち合わせどおりやったらいいかたちになったんで、そういう意味でBSのタイ
ヤもよかったんだと思います。(自分たちが)一番このクルマのことを知っている
と思いますし、もっと早く勝てて当然だと思いますけど、そういう意味では今、ち
ょっとだけホッとしてるんです。ここのところずっと運の悪いレースばかりで、GT
もフォーミュラもなかなか結果が出なくてストレスがたまるような状況が続いてた
んですけど、今日は速さをみせつけて結果的にも優勝できました。次のレースはウェ
イトを積んだりして、これからが大変だと思うんですけど、作戦をうまくたててあ
と2戦表彰台にあがれるように、ポイントでもまだチャンピオンがなくなったわけ
じゃないし、あきらめないで最終戦までがんばりたいと思います」
ワイン・ガードナー「正直なところ、"やっと"というのが感想なんです。SUGOの
レースとか何度も近いところまでいって手からすり抜けるということが多かったの
で。クルマも信頼性がおけるようになりましたし、トヨタとTRDがほんとうにいい
クルマに仕上げてくれたと思います。それにもちろんチーム・ルマンもいい仕事を
してくれたと思います。いいピットワークをしてくれて、BSもどうやったら勝てる
かということを最優先に考えてくれたと思います。野田選手も自分にクルマを渡し
てくれたときは29秒から30秒のマージンをかせいでくれていたので、私の仕事とし
てはそのマージンを最大限に利用してクルマをゴールまで持ってくることだけでし
た。私たちドライバー二人だけでなく、チーム全体、トヨタをはじめサポートして
くれたみんなの勝利だと思います。ほんとうに勝ちたかったので、チームと賭けを
しまして、勝ったら頭を剃るよって話をしてしまったので、たぶん、この記者会見
が終わったら断髪式が待ってると思いますので、帽子をずっとかぶったままでいよ
うと思います。後先になって申し訳ないのですが、スポンサーのESSOに感謝したい
と思います」

GT300優勝
*26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「先週の今日はまだクルマが税関にかかっていたというほどで、そんなに
短い時間でこういう結果が残せたということは、メカニックさん、チーム関係者の
みなさんが寝ずにしてくれたからというおかげ以外のなにもでもないんで、それに
すごく感謝しています。それとやっぱりポルシェ自体が持ってるポテンシャルがも
のすごく高いんです。こんなに短い時間に雨が降ったり天気がよくなったり、うま
くセッティングする時間がなかなかなくて、いろんなことを試行錯誤しながらやっ
て、それでレースを走ってみたらこんな結果を残せたということは、自分としては
すごくラッキーだったと思います。GT300クラスはポルシェがなかなか活躍できて
いなかったんで、そういう意味ではGT300クラスがとてもおもしろいことになると
思ってます。個人的にはバイパーで後ろのほうをチョロチョロ走ってるよりは楽し
いですね。ほんとうにすばらしいレースができたと思います。それとシュワガーが
すごくステディないいドライビングをしてくれたんで、この結果が出せたと思いま
す。すべてのスポンサーにも感謝したいと思います。昨日ちょっと走ったところで
はタイヤがつらいセッティングになっていたんで、タイヤにやさしいセッティング
に変えたんですね。それがどういうふうに出るか、どこまでやさしいセッティング
になるかすごくつかみづらいところだったんです。正直な話、あまりバトルしたく
なかったんですね。傍観者というか、横でジッと見ていたかったんです。でもスリッ
プストリームに吸いこまれちゃいまして、いつのまにかポンポンポンと前に出たん
で、ドライビング的にはバトルしてるときは気持ちよかったんです。ただ、後半に
なって燃料が軽くなってきたらクルマがバンピーになってきたんで、そのときにタ
イヤを傷めないように走るというのがつらかったです」
ドミニク・シュワガー「勝てたということで、これ以上うれしいことはないと思い
ます。やはりいろいろな幸運が重なって今日の勝利につながったと思います。チー
ムもほんとうにいい仕事をしてくれました。実際レースになってみると、たとえば
RX7やシルビアのほうがストレートが速いっていうのはあったんですけど、ポール
ポジションのクルマも問題を抱えてたようだし、うまくそういったものが重なって
トップに出ることができたと思います。私のパートナーもいい仕事をしてくれまし
た。すばらしいドライバーだと思います。5位スタートで優勝できたんですから、
これ以上の結果はないと思います。ただクルマのほうがいいセッティングが出てい
ませんので、(セッティングが出れば)もっといいレースができるようになると思
います。チームを支えてくれた人たちとスポンサーに感謝したいと思います。ポル
シェは今回ドイツから2人スタッフを派遣してくださって、そのスタッフの力を借
りることができたからこそ今回のような結果が出せたんだと思います。なかなか
セットアップする時間がなかったわりにはこれ以上ない結果だと思います」


*GTインサイドレポート4に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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