全日本GT選手権

GTインサイドレポート 00Rd.4/5

■ 2000 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 4 JAPAN SPECIAL GT CUP                            FMOTOR4 EDITION
   GT INSIDE REPORT     インサイドレポート特集2     2000/08/06
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2000AUTOBACS CUP JGTC第4戦FUJI(08/05,06)

■『JAPAN GT FESTIVAL in MALAYSIA』について
加治次郎GT-A事務局長に訊く
さる6月24、25日にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでJGTC
にとってはもちろん、日本のレース界にとっても初の試みとなる海外レース開催は
なされた。サーキットには3万人あまりの観客を集め、マレーシアを初め国内外の
メディアにも紹介、報道された。このイベントに関して、加治次郎GTアソシエイ
ション(GT-A)事務局長に聞いた。


-JGTC初の海外開催として、成功したといえるのでしょうか?
「われわれが海外に進出した"理由"にあてはめれば成功したのではないかと思いま
す。なんでこういう歯切れの悪いいいかたをするかといえば、やはり課題も多く残っ
たからです。もう少し多くの観客動員がほしかったとか、経済的な面、手続き上で
チームに迷惑をかけたなど、思うようにならなかった部分が意外とあった。初めて
の試みということを考慮すればある意味でしょうがないといってくれる方もいます
が、われわれがいってはいけないですから。だから、手放しで成功とはいえないの
です。最初のことですし、われわれも勉強させてもらったし、チームもよくわから
ないからこちらがいろいろやってあだになったとか、それはお互いに勉強したわけ
です」

-マレーシアの観客、関係者の反応はどう感じましたか?
「純粋にレースを観に来ていただいたお客さんにも、ビジネスとしてレースを考え
ている人にも、とてもエキサイティングでおもしろいのでまた来年も来てほしいと
いう言葉はいただきました。公式発表の観客動員は3万460人ありまして、初回とし
て認知されていなかった、あまり知られていなかったレースをいきなりやったとい
うことを考えれば、多くの人に来ていただけたと思います。
 ただ、これまで英語でのJGTCの情報発信や海外へのTVなど映像情報が十分でなく、
これが認知の面で足りなかった一因ということは痛感しています。われわれとして
はアジアの一員だと思っていても、やはり日本は少し違って見られていまして、彼
らにとってみれば、ヨーロッパのレースも日本のも同じなんです。アジア人の顔を
したのが行っているということでは意味が違いますけれど、(映像もないまま)遠
くから間接的に見ていると、同じなんです。そうなると日本のレースは十分に英語
で情報発信もしていないという基本認知の部分でヨーロッパのDTMやBTCCに比べて負
けているわけです。そういうなかでは健闘したし、(日本のレースを)見直してく
れた、日本のクルマやドライバーのレベルの高さを知ってもらえたと思います」

-今後もJGTCの海外イベントは行われるのでしょうか?
「われわれとしては最初からこのセパン1回で終わらせるつもりで始めたわけでは
ありません。今後、セパンでやるかはともかく、アジアで毎年やっていかないとア
ジアのレースにはなれません。ですから、毎回やろうという決意を持って、今回出
ていったわけです。では来年はどこで、どういうかたちで実現するかですが、それ
は、これから関係者のみなさんと相談してしてなるべく早めに決めたいと思ってい
ます」

-次回は中国の珠海での開催というウワサもあるようですが?
「たしかにそういう提案もいただいています。一方で関係者の多くから、せっかく
セパンでいい反応が得られたのでほんとうの意味で成功を収めるまでセパンで続け
てはどうかという意見もいただいています。もちろん、このような提案だけで決め
るわけではありません。今後もみなさんと相談し、広く意見をいただいて、状況を
考えて決めたいと思います」

-今後、他のカテゴリーも海外開催を予定していると思われますが?
「他のカテゴリーがどういうニーズで海外進出を考えているかがわかりませんから、
私としてはなんともいえません。ただ、日本のモータースポーツが、このままでは
孤立してしまい日本だけものになってしまうことは危惧しています。このまま限ら
れたものになってしまうのではなく、ちゃんとした地位を確立して欧米なみになる
ためには、日本のレースがアジアに出ていくことはマストだと思うのです。そうい
う思いがあって、われわれは毎年アジアで開催しようと決めたんです。ただ、これ
はわれわれの思いであって、他のカテゴリーがどう考えているかはわかりません。
ただ日本のモータースポーツ界を牽引していくJGTCとフォーミュラ・ニッポンは基
本的に同じ考え方をしているとは思います。
 われわれの海外開催は、準備が整ったから出ていったというわけでなく、バック
にある自動車産業、チームや大会を現在サポートしてくれているスポンサーやこれ
からとり込まなければならないスポンサーの環境など求めるものに対し、JGTCでは
緊急性があったからなのです。だから多少準備が足りない部分もありましたが、そ
れを承知で思いきって外に出たわけです。他のカテゴリーに関して、そういう緊急
性があるかは私にはわからないですし、余計なことをいうべきではないと思ってい
ます」

-今後も海外開催を行うとなると、国内でのオールスター戦などはなくなるのです
か?
「海外での開催が続くことで、国内のイベントが減るということはありません。今
年は海外でのレースがオールスター戦ということになりましたが、本来オールス
ター戦は新しい開催地域や観客層を開拓するという意味や、新しいイベント運営の
手法をつくるといった要素があるものなのです。そういう意味では現在のかたちで
のオールスター戦を、何度も同じサーキットで続けてやるという考え方はありませ
ん。今後もシリーズ戦の行われていないサーキットや市街地でやる可能性はありま
す。とくに市街地でのレース開催はぜひ行いたいと考えています。この場合の市街
地は海外ではありません。日本の市街地でないとやる意味はありませんから」

-今後のJGTCとアジア地域との関わり方はどうお考えですか?
「今回、レースに参加したチームなど関係者も、メディアも、観てくれた日本のファ
ンも、みなさんマレーシアのイメージが変わったのではないかと思います。マレー
シアには本格的なサーキットが3つもあり、高速道路も整備されています。また東
南アジアのビジネスの中心になれる可能性を持っており、英語、マレー語、中国語
とアジアで通用する言語が定着しています。ですから、アジアでは今後もマレーシ
アがモータースポーツの中心になっていくと思います。これを考えれば、アジア地
域への情報発信の拠点としてはうってつけだと確信しましたので、いい関係を保っ
ていきたいと考えています。
 また、今回のJGTCイベントを観ていただいたことで、マレーシアとお隣のタイな
どと連携して、GT300クラスをベースにしたレースイベントを実現したいという提案
もされています。そうなれば、日本からクルマやパーツ、人材などを提供できます
し、またぎゃくに人材が日本に来るなど、互いに協力しあった関係で発展できると
思います」



*第4戦富士スピードウェイのGTインサイドレポートは以上です。


☆JGTCやGT-A、そしてGTインサイドレポートにご意見・ご希望などございます方は、
古屋あて(QYB04322)もしくは、GT-A(インターネット:gtc@infosim.co.jp)まで
電子メールでお寄せください。
なお、メールへの個別の回答は出来かねますので、ご了承ください。回答をご希望
の方は、モーターレーシング・ファン・フォーラム(FMOTOR4F)の全日本レース会議
室、もしくはJGTCインターネットのホームページ(http://www.jgtc.net)のパドック
フォーラムでご質問ください。


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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