Formula Nippon

FN:第7戦オートポリス L.デュバル選手は3位入賞により初のドライバーズ・チャンピオン決定 (HONDA)

小暮卓史選手が独走で今シーズン2勝目、 L.デュバル選手は3位入賞により初のドライバーズ・チャンピオン決定、 NAKAJIMA RACINGも7年振りのチーム・チャンピオン獲得

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  • 2009年8月30日(日)決勝
  • 会場:オートポリス(4.674km)
  • 天候:予選/晴れ、決勝/晴れのち曇り
  • 気温:27℃(14:30時点)
  • 路面温度:47℃(14:30時点)
  • 決勝レース:54周(252.396km)
  • コースコンディション:決勝/ドライ
  • 観客:1万1630人(主催者発表)

 8月30日(日)、大分県・オートポリスにおいて2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦の決勝レースが開催された。

 今大会を含めても残り2戦となり、タイトル争いにおいても佳境に突入。29日(土)に行われたフリー走行では、ポイントランキング首位を走る#31 ロイック・デュバル選手(NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマーク。ランキング3位で年間チャンピオンの可能性が残る#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)が2番手に続いた。

 ノックアウト方式による公式予選第1セッションでは、フリー走行から好調なタイムを出していた#41 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマーク。決勝レースのスターティング・グリッドを決める第3セッションで、小暮選手がコースレコードとなる1分32秒 556を叩き出し、前戦に続く2戦連続のポールポジションを獲得した。小暮選手のポールポジション獲得は、今季最多の3度目となった。2番手には伊沢選手、3番手にはルーキーの#10 塚越広大選手(HFDP RACING)が入り、Honda勢が上位3グリッドを独占する結果となった。なお、予選終了後に競技団の裁定ミスが判明し、予選タイムが抹消された#40 リチャード・ライアン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が7番手、L.デュバル選手が10番手から決勝スタートを迎えることとなった。

 30日(日)に行われた決勝レースは、1周のフォーメーションラップののち、ピットスタートとなった1台を除き12台のマシンが各グリッドにつき、ドライ路面の状態で午後2時34分にスタートが切られた。ホールショットは、見事なスタートを切った伊沢選手がトップに立ち、3番手に小暮選手、4番手に塚越選手、8番手にR.ライアン選手と続く。L.デュバル選手は第1コーナーで押し出され、12番手まで順位を下げる苦しい展開となった。序盤、順位に大きな変動のないままレースは進むものの、トップを走る伊沢選手は順調な走りで、10周を終えた時点で2位との差を2秒以上に広げた。

 17周目、Honda勢ではL.デュバル選手が最初のピットイン。タイヤ交換、燃料補給を15.2秒で済ませ、コースへ復帰する。25周、ここまでトップを守ってきた伊沢選手がピットインするも、タイヤ交換に手間取るトラブルにより約30秒のピットタイムを要し、大きく順位を下げることとなった。

 36周目、トップのマシンが2回目のピットストップを敢行したため、ここまで暫定順位で2番手を走行していた小暮選手がトップに浮上する。小暮選手はトップのポジションをキープしたまま、43周終了時点で2位に15秒282の大差をつけて独走態勢を築く。同じく、早めのピットストップが功を奏した L.デュバル選手が3位に浮上、6位に伊沢選手、10位に塚越選手、12位にR.ライアン選手が走行する。46周目、10位を走行していた塚越選手がマシントラブルのために緊急ピットインしてリタイアとなった。

 レースはこのままファイナルラップを迎え、慎重なレース運びで2位との差を約20秒まで広げた小暮選手が、今季2勝目を見事にポール・トゥ・ウインで飾った。L.デュバル選手は、オープニングラップで最後尾からの追い上げとなりながらも、ピット作戦の成功もあり、着実に順位を上げて見事3位入賞を果たした。その結果、L.デュバル選手は、タイトル争いで計51ポイントを獲得し、最終戦を残して自身初の2009年全日本選手権ドライバー部門のタイトルを獲得した。さらに、NAKAJIMA RACINGは7年ぶりのチーム部門タイトルを獲得した。

コメント
坂井典次(Tenji Sakai)|「HR09E」開発責任者
 「今シーズンより投入した新エンジンのHR09Eが、L.デュバル選手の初のドライバーズ・チャンピオンとNAKAJIMA RACINGの7年ぶりのチーム・チャンピオンのダブルタイトルの獲得に貢献できうれしく思っています。またHondaにとっても、2メーカー供給となって初のフォーミュラ・ニッポンでのタイトルとなり、エンジニアとしてとても感慨深いものがあります。皆様のご声援ありがとうございます。今回のレースを振り返ると、予選から1位、2位、3位を獲得できましたので、かなりの手応えを感じていました。決勝レースでは小暮選手がスタートで出遅れたものの、ピットインのタイミングもよく、その後のレースの組み立て方も彼らしい、いいレースだったと思います。3位を獲得し、チャンピオンを決めたデュバル選手も、スタート直後の1コーナーで押し出されて最後尾になったものの、タイヤが保つぎりぎりのタイミングを見極め、早めのピットインを行ったチームの判断と、後ろを抑える走りではなく、前へ前へと攻めたデュバル選手の走りが導いたのだと思います。伊沢選手は大変いいスタートを決めて、自分のペースでうまくレースをコントロールしていたので、ピット作業でのトラブルは残念でしたが、最終戦では塚越選手ともども、若い力でいい結果を出してくれると思っています。最終戦も引き続きHondaへのご声援をお願いいたします」
小暮卓史選手(優勝 #32 NAKAJIMA RACING)
 「優勝できて非常にうれしく思っています。また、すばらしい仕事をしてくれたチームにとても感謝しています。3番手から追い上げる展開でしたが、あらかじめ燃料を多く積んでいたこともあり、前を走る選手についていけばチャンスはあると思っていました。今は、チーム優勝も決まり、チームメートでライバルでもあるデュバル選手がチャンピオンを決めたことに、心からおめでとう、と言いたいです」
ロイック・デュバル選手(3位、ドライバーズ・チャンピオン獲得 #31 NAKAJIMA RACING)
 「年間チャンピオンが決まり、非常にすばらしい気持ちです。いい仕事をしてくれたチームに感謝するとともに、恩返しができ、とてもうれしく思っています。今日は、スタート時の第1コーナーでのミスにより、最後尾から追い上げる非常にタフな展開となりましたが、結果として3位入賞することができました。昨日のトラブルもあり、不運なウイークエンドになるとも思いましたが、チームメートが優勝した上、チーム・チャンピオンを決めた最高の週末になりました。改めて、ここまで自分を信じてくれたみなさんに感謝したいです」
中嶋悟(チーム・チャンピオン獲得)|NAKAJIMA RACING 監督
 「ドライバー2人が最高の仕事をし、チームにすばらしい結果をもたらしてくれたことを、とてもうれしく思っています。今日はスタートで小暮選手、デュバル選手ともに順位を落としてしまいましたが、チームの作戦としては、もしスタートに失敗することがあっても大丈夫なように多めに燃料を積んでいましたし、デュバル選手の早めのピット作戦も功を奏したと思います。フォーミュラ・ニッポンは、今シーズンから車両もエンジンも変わりましたが、チームもドライバーも思いを1つにして早い段階から対応できたことが、この結果につながったのだと思います」
Text & Photo: HONDA


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