Formula Nippon

FN:第5戦鈴鹿決勝 大クラッシュで赤旗中断!波乱のレースを制したのは本山!

鈴鹿サーキットで開催された全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦は、 20周目に発生した激しいクラッシュにより赤旗が出される波乱の展開となった。
およそ30分の中断の後、セーフティーカーランにより再開された決勝レースを制したのは本山哲(アラビアンオアシス・チームインパル)。 上位陣の多くが1ストップ作戦を採る中、ノーピットで43周を粘り抜き、第2戦鈴鹿に続く今季2勝目を挙げることとなった。

なお、車体が前後真っ二つになるほどの激しいクラッシュに見舞われたブノワ・トレルイエには幸いにも怪我はなかった模様だ。

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第5戦決勝は午後2時30分にフォーメーションラップが開始された。
ポールシッターの松田次生がインに切り込みながら後続をけん制してトップで1コーナーへ。
2位にはトレルイエ、3位には本山がジャンプアップしてきた。
4番手スタートのロニー・クインタレッリも勢いよく飛び出して上位進出を狙ったが、1コーナー進入でトレルイエと本山に囲まれ、 行き場を失って4位に留まり、その背後には7番手スタートのアンドレ・ロッテラーが迫ってきた。
その一方で、3番手スタートの小暮は出遅れて6位に後退することとなった。

ロッテラーは、クラッチトラブルによりペースダウンしたクインタレッリを1周目のスプーンであっさりとかわすと、 その後も目覚しいペースで本山との差を詰め、2周目の1コーナーで早くも抜き去って3位に浮上する。
小暮もロッテラーに続いて1周目のスプーンでクインタレッリを、2周目のシケインで本山をかわして一気に4位まで挽回してきた。
前戦の勝者クインタレッリはそのままガレージに戻ってレースを終えた。

ロッテラーと小暮は前方の2台よりも明らかに速いペース。
それは燃料搭載量の違いを疑うに充分なほどだった。

4周目にはトレルイエの背後に迫ったロッテラーは、しぶとく押さえにかかるトレルイエと5周にわたってドッグファイトを展開する。
その間に小暮もじわじわと接近してきた。更にその後方からは立川祐路の姿も。

結局、ロッテラーは7周目、小暮は8周目に、同じく1コーナーでトレルイエを攻略し、松田の追撃に取り掛かった。
立川も9周終わりで0.379秒後方に迫ってきた。
懸命にトレルイエの隙をうかがう立川。巧みなライン取りで抵抗するトレルイエ。

両者のバトルは意外な形で決着することとなった。
20周目のスプーンで姿勢を乱したトレルイエと、その隙を突いて抜きに罹った立川が交錯。 アクセル全開のままインに巻き込んだトレルイエがガードレールに激突したのだ。
トレルイエのクルマはエンジンとモノコックの接合部から真っ二つにちぎれ飛び、そこらじゅうにパーツを散乱させてコース上に止まった。
ノーズは完全につぶれ、足回りもばらばらの状態だ。
このため、トップ3が21周を消化した時点で赤旗が提示され、レースは中断となった。
幸いトレルイエの生命には別状なく、意識もはっきりしており、本人が自力での脱出を試みていたことが後に明らかとなったが、 事故直後はサーキット中が騒然とする状態となった。

事故車両の排除のため28分50秒の中断の後、セーフティーカーの先導でレースは再開された。 この時点までにグリッド上では全車がタイヤ交換を済ませた。
また、このSCランのタイミングを利用して金石年弘、柳田真孝が21周目、ロッテラー、小暮、 横溝直輝らが22周目にピットインして給油を行った。
ここで小暮が給油に26秒以上を要した挙句にエンジンストール。 中断前まで3位を快走していた小暮はこれにより一気に17位まで後退することとなった。

これによりトップは松田、2位に立川、3位にデュバル、序盤大幅に順位を落とした本山が4位に浮上することとなった。
さらに立川は松田のコンマ5秒後方まで迫りながらも27周終わりでピットイン、同じ周にデュバルもピットに飛び込み、 これにより本山が2位に繰り上がる。

松田もまた、1ストップ組の一人だったが、34周まで粘って僅か14秒2で作業を済ませ、6位でコースに復帰するが、 これにより自動的に本山がトップに立つこととなった。
2位にはビヨン・ビルドハイム、3位には井出有治、4位にはミハエル・クルムがつけてきた。彼らはノーピットのままゴールを目指す作戦だ。

赤旗中断でレース前半のリードを失った松田と、 無給油ながらタイヤ交換をすることができた本山の間には挽回しがたい大差ができてしまった。
それでも諦めずに順位挽回を狙う松田は、40周目の2コーナーで5位のカルボーンを競り落とし、 ファイナルラップの1コーナーで4位クルムを攻略し、一気に3位を走る井出の背後を脅かす。
最後のシケインで勝負に出る松田、懸命に抵抗する井出。
軍配は井出に上がった。
松田は最終コーナーイン側のダートにはみ出し、 最終コーナーで逆にクルムの追撃を受けながらかろうじて4位を守ってフィニッシュラインを通過した。
松田とクルムの差は僅か0.100秒だった。

本山はこうした後方の混乱などまったく知らぬ顔で43周を走りきり、今季2勝目を前回と同じ鈴鹿で挙げることとなった。
これでシリーズポイントを23に伸ばし、ポイントランキングでも2位に浮上した。

次戦は富士スピードウェイ。8月26日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum



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