Formula Nippon

FN:第2戦もてぎ決勝 伊沢拓也選手が4位入賞を果たす (HONDA)

  • 2012年5月13日(日)・決勝  会場:ツインリンクもてぎ(4,801km)  天候:晴れ 気温:24℃(14:30時点)  路面温度:40℃(14:30時点)  決勝レース:52周  観客:9000人(主催者発表)

 5月13日(日)、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎにおいて、2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦の決勝レースが開催されました。

fn120513001L.jpg  ツインリンクもてぎのある栃木県地方は昨日に続いて快晴に恵まれました。しかも、今日は風も穏やかで、絶好のレース日和となりました。

 昨日行われた公式予選では、開幕戦でポールポジションを獲得した#40 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が今回も3番手と善戦し、優勝も期待できるポジションから決勝レースに挑むことになりました。また、チームメートの#41 塚越広大選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も予選5番手に入り、表彰台獲得に望みをつないでいます。そのほか、#16 山本尚貴選手(TEAM 無限)は予選7番手、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)は予選10番手、#31 中嶋大祐選手(NAKAJIMA RACING)は予選12番手、#10 金石年弘選手(HP REAL RACING)は予選17番手となりました。

 朝9時15分から30分間にわたって行われた本日のフリー走行では、#32 小暮選手がトップと0.448秒差の3番手タイムを記録。#40 伊沢選手は5番手、#16 山本選手は9番手、#41 塚越選手は11番手、#10 金石選手は14番手、#31 中嶋選手は15番手となりました。

 決勝レースのスタートが切られるころには気温が24℃に達し、日差しが強いこともあって汗ばむほどの暑さとなりました。そしてスケジュールどおり午後2時30分には全17台がスターティンググリッドに整列。1周のフォーメーションラップのあと、52周のレースは幕を開けました。

 6名のHondaドライバーは順調にスタートを切りましたが3番手からスタートした#40 伊沢選手は4番グリッドからスタートしたライバルに2コーナーでパスされてポジションをひとつ下げます。#41 塚越選手は予選順位と同じ5位、#16 山本選手と#32 小暮選手は6位と9位に浮上。#31 中嶋選手はひとつ後退して13位、#10 金石選手はライバルふたりを攻略して15位となり、それぞれオープニングラップを終えました。

 今回の決勝レースではピットストップの義務づけなどはありませんが、ほとんどのドライバーは途中で給油とタイヤ交換を1度行う1ストップ作戦で走りきると予想されました。この場合、できるだけ速いペースで周回を重ねる一方で、燃料をセーブすることで給油時間を短縮することが有効な戦略となります。このため6名のHondaドライバーはただ速く走るだけでなく、ミスなく慎重にドライビングすることもまた要求されました。

 4周目、#32 小暮選手は1コーナーでコースアウト。ここでグラベルベッドから脱出することができず、残念ながらリタイアに終わりました。このアクシデントにより、#31 中嶋選手は11位、#10 金石選手は13位にそれぞれ順位を上げました。

 8周目、#10 金石選手はヘアピンでライバルの1台をオーバーテイクし、12位となりますが、16周目の1コーナーでコースアウトを喫してしまいます。マシンにダメージはなく、すぐにコースに復帰しましたが、この影響で15位へと後退。続く17周目には少し早めのピットストップを行い、給油とタイヤ交換を実施してレースを再開しました。

 #40 伊沢選手、#41 塚越選手、#16 山本選手の3名はミスのないドライビングで前を行くライバルを懸命に追走しますが、ライバルとの間隔は逆にじわじわと広がってしまいます。一方で、3人のペースはいずれも後続のドライバーより速く、このため順位を脅かされることはありませんでした。こうしてレースはこう着状態に陥り、レース中盤までは順位の変動がほとんどない戦いとなりました。

 レースの折り返しが近づいた24周目にライバル勢の1台がピットストップ。これを皮切りにして、#31 中嶋選手は27周目、#16 山本選手は29周目、#41 塚越選手は30周目、#40 伊沢選手は31周目にピットストップを実施します。4人ともHondaエンジンの燃費が良好だったために短時間で給油を済ませ、コースに復帰していきました。ただし、これによって順位を入れ替えるまでには至らず、#40 伊沢選手は4位、#41 塚越選手は5位、ライバルの後退でひとつ順位を上げていた#31 中嶋選手は10位と、いずれもピットストップ前の順位を守っていました。ただし、#16 山本選手のみは後続のドライバーに先行され、7位となりました。

 レース後半、#40 伊沢選手は懸命にペースアップを図り、35周目に14.1秒だった前走者とのギャップを40周目には12.9秒、45周目には11.8秒と削り取っていきます。一方、#41 塚越選手は6位のドライバーに3秒ほどの差をつけて走行し、5位のポジションを確実なものとします。7位の#16 山本選手も8位のドライバーをジリジリと引き離していきました。

 しかし、#40 伊沢選手、#41 塚越選手、#16 山本選手、#31 中嶋選手の4選手にはポジションを上げる絶好のチャンスが訪れず、それぞれの順位を守ったまま52周のレースを走りきることとなりました。この結果、#40 伊沢選手は4位、#41 塚越選手は5位、#16 山本選手は7位で入賞、#31 中嶋選手は10位で完走を果たしました。

 一方、一時15位となっていた#10 金石選手は、31周目にふたつ順位を上げて13位となると、このポジションを守りきってチェッカーフラッグを受けました。

 優勝は#1 アンドレ・ロッテラー選手(PETRONAS TEAM TOM’S)でした。この結果、通算で12点を獲得した#41 塚越選手はシリーズポイント争いで4位となったほか、#40 伊沢選手は9点で5位、#16 山本選手は4点で8位となりました。

 2012年全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第3戦は5月26~27日に大分県のオートポリスで開催されます。

坂井典次(Tenji Sakai)|「HR12E」開発責任者
 「苦手と思われていた低速コーナーでのスピードを上げるための方策を見つけ、これを決勝レースに投入したところ、効果のあることが確認されましたが、残念ながらトップ3台のペースにはついて行けませんでした。この点については今後も継続して対策を施していかなければならないと考えています。そうした苦しい状況のなか、#40 伊沢選手、#41 塚越選手、#16 山本選手の3選手はよく健闘してくれました。特に、予選で苦戦を強いられた#16 山本選手は、決勝までにしっかりと態勢を立て直してくれました。彼の奮闘ぶりには拍手を送りたいと思います。次戦オートポリスは、我々が得意とする鈴鹿サーキットにコースの特性が近いので、今回を上回る成績を収められると期待しています。引き続きHondaドライバーに熱いご声援をお願いします」
伊沢拓也選手(4位 #40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 「結果は4位でしたが、今までにないくらいマシンの感触が良好で、本当に気持ちよくレースを戦えました。ただし、前を行く3台は速く、どうしても攻略できませんでした。この点は、今後も引き続き対策を検討していかなければいけないと思います。一方、開幕戦で問題となっていた決勝中のペースについては大きく改善されました。次戦は、表彰台だけでなく、優勝を狙っていきます」
塚越広大選手(5位 #41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
 「スタートで順位を上げられなかったのは残念でした。そのあと、レース前半は燃費を意識しながらの走行となりましたが、このため全くミスが許されず、まるで予選アタックを毎ラップ続けるようなドライビングをしなければいけませんでした。今回は5位に終わりましたが、もっともっと速さを身につけないといけないと考えています。次戦が開催されるオートポリスでは、昨年ポールポジションを獲得しているので、最後まであきらめずに戦い続けたいと思います」
Text & Photo: HONDA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース