全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝が、4月19日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションスタートの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が、チームメイトの太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)との勝負を制して優勝を飾った。
開幕大会から1か月のインターバルで開催された今大会。その1レース目となる第3戦は、チーム・ダンディライアンの二人が横綱レースを見せた。
スタートでは、3番グリッドスタートのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が、牧野と太田の間に割って入ったが、ダンディライアンコンビは、途中のピット作業で順位を戻すと、そのままワンツーフィニッシュを決めた。牧野は今季早くも2勝目。チームにとっては意外にも2012年以来のワンツーフィニッシュだった。3位はトップ二人に伍して走り、デビュー3戦目で表彰台を射止めたフラガが入った。
オープニングラップの1コーナーで、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)と大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が接触。両者はマシンにダメージを負い、1周せずにリタイア。これでセーフティカーランとなる。
3周目にリスタートすると、牧野、フラガ、太田、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)の順で周回を重ね、このオーダーは10周目にピット作業が始まるまで続いた。
規定の10周を終えたところで、太田、山下、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)らがピットイン。次の周にも、福住、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)らがピットに滑り込み、三分の二が序盤でピット作業を終えた。
14周以降は、ピットインを完了していない牧野、フラガ、岩佐のオーダーとなるが、17周目に2位フラガがピットインすると、これに続いてトップ牧野もピットイン。
牧野がコースに戻った時点では、すでにタイヤ交換を終えていた太田が前だったが、ニュータイヤのアドバンテージを活かして、牧野が逆転。ここから牧野は太田との差を開き、太田は後方から追い上げてきたフラガを抑えることに集中することになる。
これでトップ3はほぼ確定となったが、圧巻だったのは20周目、最後にピット・インした坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)。コースに戻った時点では8位だったが、23周目7位、25周目に6位、28周目には4位岩佐がギヤトラブルでストップしたこともあって5位。29週目には福住をかわして4位と、終盤怒涛の追い上げを見せた。
「本当はチームメイトとバトルはしたくないんですが、でも、そういう運命みたいですね。去年のもてぎは不完全燃焼だったので、良かったです」とレース後に語った牧野。勝利の女神に見放された期間を耐えて、今年はチャンピオンに向け一気に花開きそうなく気配を漂わせている。
明日行われる第4戦は、午前9時10分から予選、午後2時55分から決勝(37周)が行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Motorsports Forum











