全日本選手権フォーミュラニッポン第3戦で初導入された、参加全22台によるスペシャルステージは、午前中トップの松田次生(モバイルキャスト・チームインパル)が、他を圧倒する1分34秒775を叩き出してポールポジションを獲得した。
予選1回目終了後、何人かのドライバーがイエローフラッグ無視やスキッドブロックの規定違反によりベストタイム抹消やタイム無効とされたため、スペシャルステージを前に、出走順が大きく変更されることになった。
その上、セッションの途中で雨が降ったり止んだりと非常に不安定な天候だったため、この出走順がスターティンググリッドに大きく影響を及ぼすこととなった。
そうした順位変動の影響を被った一人、スキッドブロックの違反でタイム無効とされた金石年弘は最初のアタッカーとして1分35秒361を叩き出す。これは午前中の松田のベストをも上回る好タイムだ。
更に自ら赤旗の原因を作って午前中18番手に終わった小暮卓史も、
降り始めた雨が路面を濡らしきる前に果敢にコースを攻めて1分35秒194を叩き出し、この時点でのトップに立った。
逆に、 降り始めた雨に翻弄されてタイムを落としたのが荒聖治とロニー・
クインタレッリだった。
滑る路面に手を焼いた荒は1分37秒576、
最も雨脚の強いタイミングで走らざるを得なかったクインタレッリは1分38秒059を出すのが精一杯だった。
続くファビオ・カルボーン、柳田真孝も、濡れた路面のために低迷する。
しかし雨はファビオ・カルボーンが走り終えたあたりで完全に止んだ。
空は次第に明るくなっていき、強い陽射しが路面をどんどん乾かしていく。
ここからは、
セッションが進めば進むほどラバーグリップが上がっていく通常のドライセッションとなった。
横溝直輝は平凡なタイムに終わったものの、
続く井出有治はセクター1、2で小暮を上回る区間タイムを出してみせる。
しかしセクター3,4が延びず、終わってみれば1分35秒818と、この時点での3番手となった。
続く吉本大樹、平中克幸、ロイック・
デュバルらも小暮のタイムには及ばず、8位、4位、3位に終わるが、その次にコースインした本山哲は1分35秒183と小暮を僅かに上回ってトップに立った。
本山は、「午後3時以降に雨」という天気予報にあわせて、
なるべく順位を上げないようにと予選1回目のペースを調整していたのだった。
続く高木虎之介、ビヨン・ビルドハイム、J.P.オリベイラ、ミハエル・クルムは本山に及ばず、ディフェンディングチャンピオンのブノワ・
トレルイエでさえも1分35秒960と苦戦。
このまま本山のポールが決まるかと思われたが、
最後に出走した松田がセクター1、2、3でことごとく本山を上回る快走を見せ、
最終コーナーでは大きく姿勢を乱したものの1分34秒775と、唯一34秒台にはいる圧倒的なタイムで本山を0.408秒上回り、前戦鈴鹿に続いての2戦連続ポールを達成することとなった。
フォーミュラニッポン第3戦決勝は明日午後2時30分スタート。今回は給油ありの300kmフルディスタンスだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA