- 第9戦優勝 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
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「レースが終わってから野尻さんと、お互いが感情的になってた部分があったので、互いにリスペクトを持ってやっていこうという話をしました。ただレース前は絶対に勝ったろう、という気持ちしかなくて、1コーナーで並んだら絶対引かないと決めてたんで。最初の1〜2周でOT全部使い切ってでもオーバーテイクしてやろうと、それぐらいの気持ちでスタートしました。1コーナーは横並びで行って、自分の望む展開になりました。そこからはもう負ける気がしないというか。クルマは昨日同様素晴らしかったし、何の文句もないレースだったかなと思います」
「昨日のレースを見てもらっても分かるように、ダンデのセットはアウトラップが得意じゃない面があって。僕達が遅かったのか、トムスさんが速かったのかはわかりませんけど、5秒くらいのマージンを持って入ったけど、アウトラップで詰め寄られてしまいました。坪井くんのペースが速かったので、簡単に抜き返せないし、抜き返せるかどうかもわからなかったので、アウトラップでしっかりポジションを守ることを最優先に考えて、なんとか守れました。そこはよかったです」
「来週のデイトナで(IMSAの)テストがあるので、それに向けてSFで2連勝してきたよというのを持って向こうに行けるのがベストだと思っていたので、気持ちよく行けると思います。向こうは向こうの難しさが多いと思うんで、再び気を引き締め直してやりたいなと思います」
「(山本選手について)尚貴さんと関わらせてもらえたのは結構最近で、去年がGT500のデビュー戦だったので、そんなに長い関わりはないんですが、本当にいい先輩で、懐の広いというか、後輩思いのところを普段から感じているし、憧れられる人だなと。ドライバーとしてはもちろん、スーパーフォーミュラで3回もチャンピオンをとっている人で、間違いなく全員がリスペクトを送らないといけない選手だと思います。僕もリスペクトを送っていますし。そこの部分だけじゃなくて、人として、先輩としてリスペクトできる部分がすごく多くて、スーパーフォーミュラを去る今日が幸せな1日だったらよかったなと思います」
- 第9戦決勝2位 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)
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「シンプルに9分の1のレースだと思って、今日のレースを勝つ、という目標でスタートしました。ただ太田選手がとんでもなく速かったのを昨日散々見ていたので、1日で簡単に詰まる差じゃないなというのはわかっていました。1個でも順位を上げようとチームとみんなで頑張って、序盤すぐに2番手に上がることができました。そこまでの展開は良かったんですが、10周くらいですごく離されたので、やっぱり今日は優勝争いじゃないなと思って、福住選手とのバトルかなと思って、後ろを見ながらのレースになりました」
「ですから福住選手がピットに入ったのを見てこちらもピットに入るという戦略を取りましたが、アウトラップ頑張って見て太田選手がどう反応するかな、とは思っていました。そもそも5秒くらい差があったんですが、チャレンジする機会が一瞬だけ生まれたので、ここで目立たないとと思ってトライしましたが、抜ききれなくて。あとは見ての通り離されてしまったので、多分あそこで抜いていても普通に抜き返されていたんだろうなと感じたので、実力通りの結果だったなと」
「牧野選手はチャンピオンシップを考えると優勝しないといけない状況だったので、少なくとも僕の前にいないとそれはあり得ない話だったので、そこは意識せず、僕が優勝するにはどうするか。2位を確実に取るにはどうするか、そこだけを考えてレースをしていました」
「(山本選手について)僕自身はメーカーも違うし、世代も違うので、接点はあまりなかったんですが、僕がF4やF3をやってるときにトップカテゴリーでチャンピオンをとっていたので、ドライバーとしてすごい選手だと感じていましたし、そんなすごい選手とスーパーGTやスーパーフォーミュラに出られて嬉しかったです。そんな偉大な先輩が去ってしまう喪失感はあるし、後輩思いで、スーパーフォーミュラを盛り上げるために色々動いてくださっていたので、ドライバーとしても、人としても尊敬できる方だと感じていました。そういう人がいなくなっちゃうのは寂しいですね」
- 第9戦決勝3位 福住仁嶺(Kids com Team KCMG)
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「スタート自体は良くなかったんですが、そのあとの位置どりや、佐藤選手がフェアに僕のスペースを空けてくれたおかげで4番手に上がることができました。それがきっかけで坪井選手が野尻選手を抜いたあとで、野尻選手がOTを使えない状況になるのはわかっていたので、そのタイミングで3位に上がれたのが鍵だったんじゃないかなと思います」
「僕も(坪井選手を追い上げるよりも)表彰台をしっかり取りたいという方向性になっていて、野尻さんも後ろから迫ってきていました。昨日も最終的に抜かれちゃってるので、野尻さんのレースペースは速いんだと思い込んでいたので、野尻さんを押さえることしか考えていませんでした。野尻さんとの差が開いたところで坪井選手を追うように切り替えましたが、僕もロングランはきつかったので、正直抜けるほどのパフォーマンスはありませんでした。鈴鹿では開幕戦もポイントを取るのがやっとだったので、素直に嬉しい表彰台だったなと思います」
「今回のレースもチームランキング4位を守りたいと意識していましたし、しっかり4位で終われてよかったです。チームにとって僕が移籍したことでいい方向に行ったので、自信につながりました」
「(山本選手について)本当に寂しいなと思います。僕がスーパーフォーミュラにデビューした時のチームメイトが尚貴さんでしたが、その時は海外との掛け持ちで数戦出られませんでした。2019年と2020年はフル参戦で、トータル3年間一緒にやらせてもらいました。あの人ずるいんですよね。僕と一緒にいた時に2回もチャンピオンをとって。僕は羨ましいなと思っていました。ああいうすごい人と一緒にやらせてもらうことで僕は学ぶことしかなくて、僕自身も山本選手がいてくれたことで今の自分があると思いますし、レース以外の話にも相談に乗ってくれて、本当に寂しいなと思います。僕があと何年間スーパーフォーミュラに乗れるかわかりませんが、僕もああいう風に幸せな引退ができたらなと思います」
Photo: Yoshinori OHNISHI