VITA岡山シリーズ最終第6戦は10日、岡山国際サーキットで行われている「岡山チャレンジカップレース第7戦」で決勝を行い、予選2位からスタートした有岡綾平(HERO'S TECH WORLD)が初優勝を飾った。
オーバーオールのチャレンジクラスは藤原優太(TMR AKILAND VITA)が、トロフィークラスは下垣和也(SOUEISHA-VITA)がチャンピオンを獲得した。
決勝は午後2時40分にフォーメーションラップが始まり、参加21台全車がグリッドを離れた。天気は快晴、この時期にしては異例の暖かさだ。全車グリッドに着き、シグナルブラックアウトで最終戦の幕は切って落とされた。
ポールポジションの藤原優太(TMR AKILAND VITA)、予選2位の有岡綾平(HERO'S TECH WORLD)、同3位の増本千春(SANNO SHIELD 01)、同4位の長田茂久(TRACE☆CB☆制動屋☆愉快なおっさん)は順位をキープして順当に1コーナーを通過した。
ところが2コーナーで、その後ろを走る清水康友(カーブティッククラブ☆Trace☆制動屋)、藺牟田政治(NUTEC制動屋JOKER)、中西亮平(BASIS RACING☆NAMS)、下垣和也(SOUEISHA-VITA)の4台が絡むアクシデントが発生。下垣は最下位でコースに復帰したが、清水、藺牟田、中西はこの場でリタイアとなった。
このアクシデントでの車両回収のためレースは開始早々にセーフティーカー(SC)が導入される。
SC中の順位はトップ藤原、2位有岡、3位増本、4位長田で、5位に村上凌晟(Racing TEAM HERO'S)、6位に植島禎一(尾張信貴山☆制動屋☆Trace☆VITA)、7位に中島僚斗(恵比寿&G RIGHT VITA)、8位に後藤武史(MOLECULE萬雲塾VITA)、9位にTAKE chan(恵比寿アキランドVITA制動屋)、10位に松本匡史(m*dent with 萬雲塾VITA)が上がってきた。
3台の車両回収に手間取り、SC先導のまま周回数の消化は延々と続く。ようやくSCが解除されたのは5周目で、レースは6周目から残り5周で再開された。
再開後の6周目、トップ3台、藤原、有岡、増本は0秒5前後の間隔で4位の長田を引き離しながの展開となる。また、10位を走る松本が、前のTAKE Chanを捉えて9位に上がった。
7周目にはトップ3台は互いにその差を縮めワンパックとなった。この周、5位を走る村上が、前の長田をリボルバーでパスして4位に、また9位の松本も後藤をパスして8位と毎周順位を上げる健闘を見せる。
8周目にはバックストレートでトップ藤原のスリップについた2位有岡が、ヘアピンで並びかけこの2台は並走。しかし、ここは藤原が有岡を抑えてトップを死守した。この周、10位に落ちたTAKE Chanがペースの上がらない後藤を捉えて9位に浮上した。
9周目にも再びバックストレートでスリップについた2位有岡とトップ藤原がヘアピンで並走。ここでついに有岡が藤原を捉え、トップに躍り出た。2位に落ちた藤原は、続くリボルバーコーナー立ち上がりでシフトミス。これに乗じて、3位増本がパイパーコーナーでインから仕掛ける。しかし、ここで両車は接触。藤原はスピンを喫し、6位まで後退。増本は2位に上がった。
最終ラップの10周目には、6位に落ちた藤原が前を走る植島を1コーナーで捉えて5位まで順位を回復した。
レースはこのまま終了。優勝は有岡で、2位増本、3位村上、4位長田、5位藤原、6位植島、7位中島、8位松本、9位TAKE Chan、10位後藤の順でゴールした。
2位に入った増本は藤原を逆転してチャレンジクラスのチャンピン獲得と思われたが、非情にも藤原との接触で30秒加算のペナルティーが科されてしまう。
優勝の有岡は変わらないが、3位以下の順位が繰り上がり、2位村上、3位長田、4位藤原、5位植島、6位中島、7位松本、8位TAKE Chan、9位後藤、10位戸田淳也(アングルオートVITA)で、増本は完走中、最下位の18位となった。
優勝した有岡は今回スポット参戦。耐久レースでの優勝はあったが、一人で乗るスプリントレースでの優勝は初めてということで、表彰式では娘を抱え喜びもひとしおだった。
2位に入った村上は優勝した有岡のチームメートで、ヤリスカップからの転身。VITAレース初参戦でいきなり2位に入る大健闘を見せた。
3位に入ったのはトロフィークラスの長田。トロフィークラス、ランキングトップでのクラス優勝で文句なしのチャンピオンと思われたが、総合3位以内は対象外(特別規則書41条2.2)(2)②)で、クラス4位に入った下垣和也が戴冠となった。増本の降格がなければ総合4位でチャンピオン獲得だったが、なんとも釈然としない結果となった。
4位に入ったのは17歳の藤原。このレースではペースが上がらず苦しい展開で、接触でスピンも喫する後味の悪いレースとなったが、終わってみればチャレンジクラスのチャンピオンを獲得。天国と地獄を経験したレースとなった。
5位に入ったのは植島。レース展開にも助けられたが、粘り強い走りで序盤からの順位を譲らなかった。
6位に入ったのは23歳の中島。今年からVITAレースに参戦を始め、スプリント形式のレースは全戦参加。このレースが今季最高位で、今後の活躍が楽しみな若手だ。
チャレンジカップのポイントランキングは、チャンピオンが藤原優太、2位増本千春、3位には今回優勝した有岡綾平、4位は今回欠場の大八木龍一郎、5位は清水康友、6位は長田茂久となった。
トロフィークラスは、今回クラス4位に入った下垣和也が逆転チャンピオン。2位には今回クラス優勝のTAKE Chanが上がり、ノーポイントの長田茂久は3位に後退し、4位藺牟田政治、5位吉村雅一、6位イノウエケイイチとなった。
これで今季の岡山VITAシリーズはすべて終了。来年は2月18日に開幕する予定だ。
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI