全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦の決勝が、岡山国際サーキットで行われ、初のポールポジションからスタートした小出峻(HFDP WITH TODA RACING)が、好スタートから独走で今季2勝目。ファステストもマークする完璧な勝利だった。
上空に雲が多くなり、若干過ごしやすい天候のもとスタートを迎えた。このレース結果が明日の第15戦のグリッドになるため、抜きづらい岡山ではスタートは尚更重要になる。
ポールポジションの小出が抜群のスタートを決め、2位以下は予選順にイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)、デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)と続く。
予選のトラブルで最後尾スタートとなった平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)は、1周目に4台を抜いて7位まで順位を上げ、さらに前を追う。
レースは縦に長い展開となるが、11周目、3位野中を追っていた4位の木村にシフト系のトラブルが発生。スローダウンして8位まで順位を落としてしまう。しかし、木村は冷静にシステムをリセットすることで修復し、ペースを戻すと前を行く7位古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)を抜き、平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)とエンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM'S 320)の5位集団に加わる。
この間もトップの小出は2位フラガとの差を着実に開き、12周目には4秒と完全な独走状態を築く。3位野中も木村の脱落で単独走行となり、トップ3はレース折返しでほぼ確定してしまった。
23周目、ジワジワと差を詰めていた木村が、バックストレートで6位を走るトゥルーリの背後につけ、ヘアピンでアウトから並ぶ。ポイント獲得のために是が非でも前に出たい木村だったが、押し出されるような形になり、木村はそこで車両を止めることになってしまった。
トップ3にはレース後半も動きはなく、小出が完璧なポール・トゥ・ウィンで今季2勝目。2位フラガもこの週末は速さを見せているが、小出のペースは終始それを上回っていた。
小出は、第11戦でも優勝を飾っているが、このときは上位陣のペナルティで得た勝利であり、今回はポールからの逃げ切り、しかもファステストラップも記録する文句なしの優勝だった。
気になるポイント争いは、5位に入った平良が2ポイントを加え85、ノーポイントの木村が76、優勝+PP+ファステストの小出が55と、今大会の結果次第では小出にもチャンスが出てきそうだ。(※ポイント集計に誤りがあったため修正しました)
マスタークラスは、クラス2番手スタートの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が、スタートでDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)の前に出て、少しずつ差を広げ、レース折返しの13周目には5秒以上のマージンを築いた。
このまま今田の独走かと思われたが、ピックアップでペースの上がらなかったDRAGONが終盤急激にペースアップ。「あと2、3周あったら危なかった」と今田が言うように、最後のゴールラインではその差0.6秒という薄氷の勝利だった。
第14,15戦の決勝は、明日10日の午前8時50分、午後2時20分から、ともに18周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Motorsports Forum