全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第11戦の決勝が、7月16日、富士スピードウェイで行われ、好バトルのトップ争いが見られたものの、レース後にペナルティや失格が続出し、4番目にチェッカーを受けた小出峻(HFDP WITH TODA RACING)が、初優勝を飾るというやや後味の悪い形で幕を閉じた。
朝から雲の多い天候となった富士スピードウェイ。昨日と同様にやや蒸し暑いなか、朝8時20分にレースはスタートを迎えた。
レースは、ポールシッターの平良響(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が逃げ、2番手スタートの木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が追うという形で始まった。抜くことが難しいSFライツだが、それでも富士ではチャンスはある。木村は0.5〜0.7秒差で平良の背後からプレッシャーを掛け続ける。
その後方では、昨日初優勝を遂げたエンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京 TOM'S 320)と小出峻(HFDP WITH TODA RACING)が3位争いを展開。4番手スタートの堤優威(Rn-sports F320)は、ペースが上がらず、1周目5位、2周目7位、3周目8位と、ズルズルと順位を落としてしまう。
チャンスを伺う木村は、10周目の1コーナーでアウトから仕掛けると、そのままコカ・コーラコーナー、100Rまで並走。平良も必死で堪えるが、木村がヘアピンでインから前に出て逆転に成功。チャンピオンを争う二人が近年稀に見る好バトルを見せた。
トップに立った木村は、残り5周の間、食い下がる平良を振り切り、見事な逆転勝利を飾った……はずだった。
しかし、レース後に、木村には2回以上の進路変更があったとして、平良も複数回の走路外走行があったとして、両者に+5秒のペナルティが課された。
さらに、3位争いを制したトゥルーリは最低重量違反で失格と、トップ3が揃って順位を落とすこととなり、結果として、4位フィニッシュの小出が思わぬ形で初優勝を手にすることとなった。
マスタークラスは、クラスポールの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)をDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)が追うという展開がスタートから続き、6周目には1コーナーで並走する場面もあったが、今田が抑えきって今大会2連勝を飾った。
第12戦の決勝は、午後4時35分から15周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Kastuhiko KOBAYASHI