スーパーFJ地方選手権鈴鹿・岡山シリーズ最終第8戦は3日、鈴鹿サーキットで12周の決勝を行い、4番グリッドからスタートした堂園鷲(Kデンタルオフィス☆ミスト)が初優勝を飾った。20番グリッドから怒濤の追い上げで2位に入った白崎稜(TAKE FIRSTスタッフリソース)がチャンピオンを獲得した。
最後の戦いのフォーメーションラップは午後1時5分に始まった。上空の雲は徐々に増え、太陽は隠れた。気温は14度だが、1コーナーに向かって吹く強い風のため体感温度はさらに低い。久保直也(AQUAだーはまRacing)がペナルティーでピットスタートとなったため21台がグリッドに着きスタートが切られた。
ポールポジションの岡本大地(FTKレヴレーシングガレージ)は好スタートを切りトップで1コーナーへ向かう。2位には村田悠磨(Rn-sports制動屋Vierueka)が、3位には田中風輝(M2 engineering KK-SII)がつけここまではグリッド順。4位には5番グリッドから渡会太一(FTKレヴレーシングガレージ)が上がり、5位に堂園鷲(Kデンタルオフィス☆ミスト)、6位に小田優(AUTOBACS Drago CORSE KK-SⅡ)、7位に迫隆眞(EAGLE ERS S-FJ)が続く。逆バンクでは渡会が田中を捉え3位に、ヘアピンでは迫が小田を捉え6位に浮上した。
スプーンでは3位渡会に4位田中が並びかけ、田中の直後につけていた堂園の3台が130R手前で3ワイドの攻防となる。ここからシケインにかけての争いは堂園に軍配、田中が続き渡会は5位までドロップダウン。
1周目、トップ岡本は2位村田を1秒5離して戻ってきた。3位に堂園が、4位に田中が、5位に渡会が、6位に迫が、7位に小田が、8位に永原蒼翔(ピットワークながはら/MYST)が続く。20番グリッドからスタートした白崎稜(TAKE FIRSTスタッフリソース)は11台抜きで早くも9位まで上がってきた。
2周目の1コーナーでは、ストレートで堂園のスリップについた3位田中がアウトから2位に浮上。スプーンでは白崎が永原を捉えて8位に浮上した。
3周目、2位村田のペースが上がらないため、シケインからストレートにかけ田中と堂園の渡会が追いつきこの4台が接近戦となる。4周目の1コーナーでは堂園が2位に浮上し、3位に田中、村田は2台にパスされ4位に落ちた。また、白崎が小田をパスし7位まで上がってきた。
2位に上がった堂島はトップ岡本に急接近。4周目に1秒9あった差を5周目に1秒3とすると6周目にはここまでのファステストラップを記録し0秒2差と背後についた。この間、白崎の勢いもとどまることをしらず、迫、渡会をパスして5位まで浮上した。
7周目の1コーナーでは、ペースの上がらない岡本を堂園が捉えついにトップに立つ。
8周目、5位を走る白崎が1コーナーでインから迫を捉え4位に浮上すると、さらに130Rでは3位の田中にアウトから並びかけ、シケインでインから3位に浮上、この周2台をパスした。
9周目、さらに白崎はスプーンでインから2位を走る岡本を捉え2位まで浮上した。
10周目、トップを走る堂園と2位に上がった白崎との差は1秒9。3位に落ちた岡本は力尽きたか、田中、迫にもかわされ5位に落ちる。
11周目、トップ堂園と2位白崎との差は1秒3まで縮まった。しかしファイナルラップで逆転できる差では無く、堂園がトップでゴール。3大会、4戦目にして初優勝を飾った。2位に入った白崎はチャンピオンを獲得した。
3位には田中。チャンピオン獲得には優勝が絶対条件だったが、ペースが上がらず悔しいレースとなった。
11周目まで4位につけていた迫はファイナルラップで7位までドロップ。4位にはチームメートの岡本をパスしてきた渡会が、5位には岡本が、6位には小田が入った。
昨日のスピン、リタイアでほぼ最後尾スタート、チャンピオン獲得に黄信号のともった白崎だったが、18台抜きの快走で2位に入り観客を魅了、見事戴冠となった。
今シーズンのスーパーFJはこれですべて終了。限定Aライセンスを取得し、シーズン途中から参戦してきた田中、堂園、迫などが速さを見せ、若い息吹の胎動を感じされるシーズンとなった。
来シーズンのスーパーFJも菅生・もてぎ、筑波・富士、鈴鹿・岡山、オートポリスの4シリーズが開催される。2月24日には先陣を切って鈴鹿・岡山シリーズがここ鈴鹿で開幕する予定だ。今年に勝る熱い戦いを期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHI Photo: Motorsprts ForumYoshinori OHNISHI