FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第1戦富士レース1決勝 平木湧也がファイナルラップの攻防を制して初優勝

優勝した平木湧也(HELM MOTORSPORTS)

 フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第1戦RACE1決勝は4月1日(土)に富士スピードウェイで行われ、FRJ初出場の平木湧也(HELM MOTORSPORTS F111/39)がスタートで前に出ると、一度は小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)にオーバーテイクを許すもファイナルラップで再逆転。優勝を飾った。

 今シーズンは6大会、全16戦で行われるシリーズの開幕戦。エントリーは9台とやや寂しいが選手の粒は揃っているだけに接戦が期待される。

 春らしい暖かな日差しがコースに降り注ぎ気温は約20度。絶好のレース日和だ。

15周の決勝がスタートした

 15周のRACE1決勝は午後1時10分にフォーメーションラップ開始。ポールシッターの小川を先頭に全車グリッドにつくと、レッドライトが消灯してレースが開始された。

 スタートの蹴り出しがよかったのは2番グリッドから発進の平木で、TGRコーナーに向けてイン側から小川の前に出てホールショットを奪うとトップに踊り出た。反対に大きく出遅れたのが5番グリッドの澤龍之介(Sutekina Racing)で、加速がにぶく8位までポジションを落としてしまう。小川の後方では4番手スタートのリアム・シーツ(Sutekina Racing)がTGRコーナーで前を行く岩澤優吾(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)のインを窺うが、岩澤がしっかり抑える。小川はコカ・コーラコーナーに向けて左右にチャンスを窺うが平木が隙を与えない。

 トップ平木から2位小川~3位岩澤~4位シーツまでそれそれ1車長ずつの等間隔でダンロップコーナーに進入、そのまま最終パナソニックコーナーを抜けてストレートに戻ってくると、平木と小川の差は0.734秒、0.612秒で岩澤、0.875秒でシーツがコントロールラインを通過。そこから2.429秒離れて5位はマスターズクラストップの辻子依旦(PONOS RACING)で、スタートを失敗した澤がセクター2から3にかけてオーバーテイクを連発してポジションを6位まで戻して来ると2周目のTGRコーナーで辻子のインを差して5位へ浮上する。

 トップ2台の間隔は2周目も変わらず0.871秒。3周目に入ると小川が1分39秒098とここまでのファステストラップを出して平木を追い上げる態勢にはいる。3位岩澤はやや離され小川と2.367秒差、トップ2台に逃げられそうな状況で後ろには4位シーツが0.689秒差で続き苦しい展開だ。

 ファステストラップを連発する小川は平木との間合いを詰めて5周目終了時点で0.354秒差。スリップストリームが効く範囲に入り、ストレートでぐっと接近する。

 トップ争いが動いたのは6周目のTGRコーナー、ストレートエンドで牽制するようにラインを右寄りに取った平木のスリップストリームから抜け出た小川がアウト側からコーナーにアプローチ。そのまま並走でコーナーを抜けると第2コーナーで大外刈り、トップ奪取に成功する。その後ろでは岩澤とシーツのバトルに澤が追いつき、3台による3位争いに拡大する。

 オーバーテイクを許した平木だが小川に食らいついてチャンスを狙っており6周目、7周目と0.6秒のギャップを守っている。3位争いは岩澤~シーツ~澤が1.2秒差のワンパックとなり、勢いのある澤がシーツを追い立てていて、コカ・コーラコーナーの立ち上がりでシーツがややワイドになると一気に詰め寄るとストレートで並びかける。そして8周目のTGRコーナーへの進入で前に出ると4位へポジションアップ。シーツとのバトルの間にやや間が空いた岩澤を追撃にはいる。

 9周目、今度は平木が小川と0.8秒あったギャップを削り、第3セクターで一気に0.3秒詰めて、コントロールライン上では0.459秒差。後方3位争いも澤が岩澤を0.552秒まで追い詰めている。

 そして10周目のコカ・コーラコーナーの立ち上がりで岩澤が僅かにバランスを崩しかけたチャンスを見逃さずに澤がインを差して3位を奪取する。続けてシーツも岩澤の背後につける。

 3位を失った岩澤だがストレートでは澤のスリップストリームを使って並びかけ、11周目のTGRコーナーでイン側からブレーキング勝負を仕掛けるといったんは前に出る。しかし澤もアウト側で譲らず並走。イン側となるコカ・コーラコーナーまで粘って再逆転、3位の座を奪還する。岩澤は再度アタックしたいところだが、今度はシーツのプレッシャーに晒されることになり、苦しい展開となる。そして12周目のTGRコーナーでシーツが岩澤のインに飛び込むとオーバーテイクに成功、岩澤はここで大きく失速、岩澤によると一時的にダウンシフトができなくなったそうで、その後ペースを取り戻すが4位の座は失われた。

 3位が激しく争われる間も小川と平木のトップ争いは0.4秒台のギャップで推移。12周目に平木が1分38秒630のファステストラップを出して小川にプレッシャーをかけるとダンロップコーナーからの上り区間で距離を詰めてロックオン。14周目を終えてその差0.221秒、テール・ツー・ノーズ状態でファイナルラップに突入する。

 そしてTGRコーナー進入で平木はインと見せかけてラインをアウトへ。立ち上がりでクロスラインを取って第2コーナーで小川のインに切れ込みオーバーテイクに成功、トップを奪い返す。

優勝は平木湧也(HELM MOTORSPORTS F111/3)

 小川は得意のコカ・コーラコーナーでインを狙うが平木が抑えこみポジションを守る。小川はなおも平木を攻め立てるがダンロップコーナー入口のブレーキングで一瞬ロックアップ、タイヤが苦しそうだ。平木はその後も小川につけ入る隙を与えずパナソニックコーナーを立ち上げるとフィニッシュラインまで加速。トップでチェッカードフラッグの下を通過した。

決勝2位は小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

決勝3位は澤龍之介(Sutekina Racing)

 小川は0.207秒及ばずの2位、そしてスタート失敗で8位まで落ちた澤がバトルを制して3位表彰台。粘り強く岩澤を攻略したシーツが4位という結果になった。

マスタークラス優勝は辻子依旦(PONOS RACING)

 マスターズクラスは終始クラストップを走り続けた辻子が全体6位でクラス優勝。終盤辻子を追い詰めたYUKI(DOME F111/3 ATM-ARF3R)だったが0.512秒届かずクラス2位に終わった。クラス3位はYUGO(S2R Racing)で初表彰台を獲得した。

 FRJ第1戦RACE2決勝は翌4月2日(日)の午前9時30分スタート予定だ。

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE


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