2023年FIA-F4選手権シリーズ第11戦、第12戦の公式予選が10月14日、大分県日田市のオートポリスで行われ、第11戦は小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)、第12戦は中村仁(TGR-DC RSトムススピリットF4)がポールポジションを獲得した。
この日のオートポリスは朝から小雨が降っており、競技団からウェット宣言が出される中、公式予選は午前8時15分よりA、Bの二組に分かれて行われたが、いずれも赤旗の相次ぐ荒れた展開となった。
A組の走行は各車最初の計測を終えたところで永原蒼翔(AKILAND F110)のコースオフにより早くも赤旗が出されることに。この時点でのトップは卜部和久(BJ Racing F110)で2分05秒473だが、これはまだウォームアップ走行でのタイムだ。
車両回収ののち8時25分に走行は再開となったが、今度は清水啓伸(Drago CORSE F110)がターン12でコースアウト。これで2度めの赤旗中断となる。
この赤旗の直前に奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)が1分58秒096でトップに浮上。大宮賢人(PONOS F110)が1分58秒142で2番手につけた。
A組の走行は午前8時32分に時間を5分延長して再開された。まずは中村賢明(トムスフォーミュラカレッジ F110)が1分57秒478を記録すると、これを卜部が上回って1分56秒326、さらに荒川麟(Dr. Dry F110)が1分56秒051を叩き出してトップに立つ。3番手には奥住慈英(BJ Racing F110)が1分56秒959で上がってきた。
続いて再開後2回めのアタックで佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)が1分55秒229を記録するが、直後に奥本が1分54秒791を叩き出してトップに立つ。奥住も1分55秒100で2番手につける。
3本めのアタックでは佐野が1分54秒533までタイムを縮めるが、奥本も1分54秒464でこれを上回る。さらに卜部が終了間際に1分54秒402までタイムを縮めてトップに浮上したところでチェッカーが提示され、A組の走行は終了した。セカンドベストのトップは最後のアタックで1分54秒556を記録した奥本だ。
なお、上位陣のタイヤチョイスはウェット宣言が出ていたにもかかわらず、スリックの一択だったようだ。
続いてB組の走行は予定より5分おくれの午前8時50分に開始。まだ濡れた箇所は残っていたものの、ほとんどのドライバーがスリックタイヤを選択し、計測1周目から小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)がいきなり1分56秒316を叩き出す。2番手は平安山良馬(ATEAM Buzz Racing)で1分56秒716だ。
その後方では下野璃央(Dr. Dry F110)がコースオフ。場所は清水と同じターン12だが、下野は自力でコース復帰したため、そのまま予選は続行された。
小林は計測2周めに1分53秒904、3周目には1分53秒178までタイムを縮めてきた。ここで中村仁(TGR-DC RSトムススピリットF4)も1分53秒276を記録して2番手に上がってきた。三井優介(HFDP RACING TEAM)も1分53秒293で3番手につけていたが、三井は計測4周目に入ったところで痛恨のコースオフ。場所はさよりんブリッジ先の左コーナーだ。これで赤旗が提示され、走行は中断となった。
走行は午前9時03分に再開されたものの、各車が計測に入った直後にKENTARO(Baum Field F4)が1コーナーの先でクラッシュしてしまったために再び赤旗が出されることに。マシンはリヤ周りにダメージを負っている模様。B組の走行はこの赤旗を持って終了となった。
これにより第11戦のポールポジションはB組トップの小林利徠斗が獲得、A組トップの卜部和久は2番手からスタートすることに。3番手には最後のアタックで1分53秒266を記録した中村仁が続く。
一方、セカンドベストタイムでは中村仁が1分53秒276で1分53秒420の小林を上回って第12戦のポールポジションを獲得、奥本隼士が2番手につけ、小林は3番手となった。
第11戦決勝はこのあと午後1時55分より、第12戦決勝は明日の朝8時30分より、いずれも13周または30分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI