Inter Proto Series

第7戦、第8戦富士 最終大会は阪口晴南と山下健太が勝利 坪井翔が自身2度目のチャンピオンに

 2022インタープロトシリーズPOWERED BY KeePe 第4大会が12月11日(土)・12日(日)に富士スピードウェイで開催され、第7戦は#3 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が、第8戦は#44 山下健太(NAVUL)が優勝。第8戦で2位に入った#32 坪井翔(NETZ NOVEL MIE)が、自身2度目となるシリーズチャンピオンに輝いた。

 シーズンを締めくくる最終の第4大会には、#72 アキランドIPSが新たにエントリーし、プロフェッショナルレースには国本雄資が参戦。今シーズン最多となる12台のインタープロトクラスで、熾烈なバトルが繰り広げられた。

 11日(土)に行われた公式予選では、今回もタイムアタックのポジション取りで各車がライバルを牽制し合う展開となり、チェッカー直前の1周アタックで順位が決まる形に。1分45秒166を記録した山下が、今シーズン2度目のポールポジションを獲得した。

 第7戦決勝は、山下がトップでTGRコーナーを通過するも、背後にぴったりとついた阪口が、トップ浮上のチャンスを伺う展開に。メインストレートからTGRコーナーにかけて、様々なアプローチで何度も並びかけるものの、山下もしっかりと牽制しポジションを死守する周回が続いた。

 阪口は諦めずにチャンスを探り続け、8周目のダンロップコーナーでインを突いてオーバーテイク。トップに浮上した。その後も2台による激しい攻防戦が展開されたが、山下の猛プッシュをしのぎ切った阪口がトップチェッカーを受け、今シーズン初優勝を飾った。

 2位には山下、3位に#55 宮田莉朋(人馬一体ドライビングアカデミー)が入った。

 第7戦の到着順でグリッドに再整列し、9周で争われる第8戦がスタート。トップ2台は順当にTGRコーナーを通過するが、その後方では第7戦で4位だった坪井が宮田をコカ・コーラコーナーでパスし3番手に浮上。阪口、山下、坪井のトップ3となった。ここに、最後尾から4番手まで追い上げてきた#7 野尻智紀(J-POINT)も追いつき、4台による白熱したトップ争いが展開された。

 第7戦ではポールスタートからポジションを落とした山下だが、第8戦ではペースを取り戻して阪口の背後に迫ると、6周目の最終パナソニックコーナーでインを突き、トップを奪い返した。その後も4台によるバトルは終盤まで展開。中でも山下と阪口の2台が随所でサイドバイサイドのバトルを繰り広げたが、その背後で逆転を狙っていた坪井が最終ラップの13コーナーで隙を見つけ、阪口をかわして2位に浮上した。

 結局、4台はパックになった状態でゴールし、山下が今シーズン2勝目をマーク。2位に坪井が入り、第7戦優勝の阪口は3位でチェッカーを受けた。トップの山下から4位の野尻まではわずか0.337秒差という、インタープロト史上でも稀に見る大接戦となった。

 注目のシリーズチャンピオン争いは、坪井が126ポイントを獲得して2019年以来2度目の戴冠。山下と阪口が113ポイントで並んだが、勝利数の多い山下がランキング2位を手にした。

 今回は4台で争われたSUPRA GT4クラスではクラスポールポジションからスタートした#38 石浦宏明(P.MU RACING SUPRA)が2連勝をマーク。3台がエントリーしたCCS-Rクラスでは今季負けなしの強さを誇る#39 堤優威(P.MU RACING CCS-R)が最終大会でも2連勝を飾った。

IPS第7戦 優勝:阪口晴南(INGING MOTORSPORT)
 「1レース目は序盤からバトルがありましたが、大きなチャンスを一発で仕留めることができました。その後の山下選手からの攻めにも負けずにトップを守ることができたので、非常に良い結果だったと思います。2レース目はフィーリングも良く、トップに値するクルマの感触はあったので、そこでトップで戻ってこられなかったのは自分のせいだなと思っています。決して油断したわけではありませんが、最終コーナーであの距離から仕掛けられるとは正直考えていなくて、そこは山下選手がうまかったです。終盤は厳しいブロックでなかなか前に行かせてもらえず、軽い接触もありましたが、お互いコース上に留まってゴールができました。とても見応えのあるレースを見せられたかなと思います。個人的には残念なところもありますが、クルマの調子が良いので、来年またリベンジしたいです」
IPS第8戦 優勝:山下健太(NAVUL)
 「1レース目は序盤から、ペースのいい後ろのクルマを抑えていくという展開でしたが、途中のダンロップコーナーで阪口選手がインのさらにイン側を攻めてきたので、自分も少し引き気味になってしまい、抜かれてしまいました。2レース目で阪口選手を抜き返したところは、少し距離がある状態で無理やりでしたが、飛び込んでいきました。残り3周はちょっと強引なところもありましたが、最後は何としても勝ちたかったので、トップでチェッカーを受けられて良かったです。第1大会に出られなかったのでランキングのことは考えていませんでしたが、最善の結果は残せたのかなと思います」
シリーズチャンピオン:坪井翔(NETZ NOVEL MIE)
 「久しぶりのチャンピオンは嬉しいです。最終戦の前はポイントもそれなりにリードしていたので『この感じで行けば……』という思いはありましたが、ここまで追い込まれるとは思いませんでした。今週末はエンジニアといろんなことを考えて試して、その結果が報われたので、非常に良かったです。練習走行から本当に不調で、予選も6番手で終えられたのが奇跡なくらいでした。ポイントを争っている山下選手と阪口選手が速いことは分かっていて、1レース目で2台か3台抜きたいと思っていたので、やれることはやれたと思います。2レース目ですぐ3番手に上がったところまでは順調にいき、ものすごい勢いで追いかけてきた野尻選手からもポジションを守りきって、最後はトップ2台が争ってくれたことでチャンスが生まれて2位に上がれました。本当に、チャンピオンを獲れなくてもおかしくないくらいの調子の悪さだったなか、粘り強く戦えました」
株式会社インタープロトモータースポーツ


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