全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第2戦の決勝が、4月4日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、予選2位の佐藤蓮(TODA RACING)がレース後半に先行する名取鉄平(B-MAX RACING TEAM)を逆転し初優勝を飾った。
早朝8時25分、上空に雲は多いものの切れ間から日も差すコンディションのなかスタートを迎えた。シリーズは最終戦を除き1大会3レースとなっているので、チームやドライバーは日曜日は早起きを強いられることになる。
スタート前にトラブルが発覚した5番グリッドの#37平良響(TOM'S)はピットガレージで修復を試みるがスタートに間に合わず。11台でのスタートとなった。
スタートで飛び出しの良かったポールシッター#50名取は、トップは絶対に譲らないと、イン側#2佐藤に被せる進路を取りその座をキープ。レースはここから第1戦とまったく同じ展開になっていく。
逃げる#50名取、追う#2佐藤が後続を引き離しながら周回を重ねていく。第1戦の21周とは異なり15周レースのため、#2佐藤にとってはやや焦る気持ちもあったはずだが「後ろからプレッシャーをかけて相手のミスを待つ」という作戦どおり、ルーキーらしからぬ冷静な判断で、コーナー入口で背後に迫り相手のミラーに自分の姿を映し続ける。
#50名取も#2佐藤を意識して牽制していたためペースがやや落ち、9周あたりから3位単独走行の#36ジュリアーノ・アレジ(TOM'S)がトップ2台との差を少しずつ詰め始める。
レースが大きく動いたのは10周目。後半になって明らかに動きの悪くなった#50名取に#2佐藤がストレートでそれまでにない間隔で迫ると、1コーナー進入で後方を意識した#50名取がたまらずブレーキロック。止まりきれずアウトに膨らみ、#2佐藤が念願のトップ奪還に成功した。
同じ周の最終コーナー。トップ2に迫っていた#36アレジは最終コーナーの立ち上がりで縁石に乗ってスピン。良いレースを見せていただけに残念なミスだった。これで#36アレジの連続表彰台はなくなり、代わって3位にはスポット参戦の#1野中誠太(TOM'S)が上がることになった。
トップに立った#2佐藤は追いすがる#50名取を振り切るようにハイペースで走り、12周目には1分33秒939のベストタイムを記録。最終的に約2秒の差を築いて初優勝のチェッカーを受けた。
ウィニングラップを終えパルクフェルメに戻ってきた#2佐藤は、マシンを降りると大きくガッツポーズ。全身で初優勝の喜びを表した。
40歳以上のマスターズクラスは第1戦に続き#4今田信宏(B-MAX ENGINEERING)がクラス優勝を遂げた。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI