ル・ボーセモータースポーツが参戦するカテゴリーのうちのひとつ、スーパー耐久シリーズの第3戦が5月30日(金)~6月2日(日)に富士スピードウェイ(静岡県)において24時間レースとして開催された。8つのクラスに48台がエントリーする中、ST-3クラス(排気量2001~3500cc、後輪駆動)に、ル・ボーセモータースポーツのDENSO Le Beausset RC350は、嵯峨宏紀、山下健太、小河諒のレギュラー陣に平川亮、FIA-F4のチーム卒業生でもある平木湧也の体制で、シリーズで最も長丁場となる24時間レース制覇を目指し臨んだ。
開幕戦・鈴鹿で優勝と幸先良いスタートを切ったが、第2戦・SUGOでは苦戦を強いられた。この富士24時間レースは、昨年復活開催された長時間耐久イベント。昨年は2位ゴールだっただけに今年は是が非でも優勝を遂げ、大きなボーナスポイントを獲得したいところ。今回の成績がタイトル争いを大きく左右することもあり、非常に大事な戦いとなる。
予選 5月31日(金)天候/晴れ コース状況/ドライ
レクサスRC350は、最低車重が昨年より20kg増の1 ,410kgとなり、軽量なフェアレディZ(1,300kg) やマークX(1,390kg) に対しやや不利な条件。さらにDENSO Le Beausset RC350は開幕戦の優勝で25kgのハンディキャップウェイトを搭載しており、最終区間が登りとなる富士では多少の苦戦が予想された。30日に行われた専有走行では4位だったが、ナイトセッションではトップタイムをマークするなどレース中盤での躍進が期待された。
金曜日の公式予選。初夏の爽やかな風が吹くセッションは、A、Bドライバーのベストタイム合算で争われる。まずAドライバー予選で嵯峨がコースインし1分52秒923で5番手につけた。続くBドライバー予選では山下が1分51秒595で2番手につけ、ふたりのタイム合算で3番手。3戦続けてのポールポジション獲得はならなかったが、24時間レースということでグリッド位置はさほど大きく影響はしないこともあり、まずまずの位置につけることができた。この後、Cドライバー予選では小河がトップタイムをマーク。Dドライバー予選では平川、予選後のフリー走行では平木が、燃料を満タンでのセッティングや各所の確認を行うなど、決勝への準備を整えていった。
決勝 6月1日(土)天候/曇り コース状況/ドライ
決勝がスタートする1日は朝から薄い雲が張り出した。そして14時59分に決勝レースのスタートが切られた。スタートを担当した山下は、グリーンランプ点灯から1コーナーまでの間に予選2位の#34 RC350をかわして2位に、さらに1コーナーで予選トップの#68 マークXをかわしてクラストップを奪った。さらに速さを緩めることなく徐々に2位との差を広げ完全な独走態勢を築いた。しかしレーススタートから55分を経過した1コーナーで、山下はストレートからの速度を緩めることなく1コーナーを直進。マシントラブルのためにタイヤバリアにクラッシュして停止した。
幸い山下は自力で車両から脱出したがメディカルセンターに搬送され、その後病院で検査を受けたが、大きな衝撃による打撲はあったものの幸い無傷で済んだ。
車両はリペアエリアへ運ばれ修復が可能かのチェックを行ったが、クラッシュの衝撃は大きくチームはレースへの復帰を断念。残念ながらリタイアとなった。
- チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
- このレースウィークに向けて様々な準備をして来たが、メカニカルトラブルから大きなアクシデントに繋がった事が心苦しい。この悔しい思いを次戦に繋げ、結果で示したいと思う。