筑波・富士S-FJ選手権

SFJ:第3戦筑波 ベテランの底力を見せたKAMIKAZEが開幕から3連勝

 スーパーFJ筑波シリーズ第3戦、まだ5月だというのに真夏と思えるような強い日差しがサーキットに降り注いでいた。

 注目すべきは、今年から新たに開催されることになったSFJジャパンチャレンジ。筑波サーキットを皮切りに全国6カ所のサーキットで順次開催されるジャパンチャレンジとして別枠での賞金や年間賞なども用意されており、ドライビングスキルの向上や、遠征への促進を図るのが目的の企画だ。そのSFJジャパンチャレンジ初戦となるSFJ筑波シリーズ第3戦には12台のマシンが集結した。

 8時40分より20分間の予選が開始され、各車一斉にコースへと流れていく。予選トップタイムを叩き出したのはジャパンチャレンジの為にスポット参戦していた#72 前田大道(ELEVコンドルゼンカイウインズKKS)。12台の中で唯一1分を切る59秒979をマークし、自身初のポールポジションを獲得。

 一方、開幕戦から2連勝中の#9 KAMIKAZE(スーパーウインズ&花島10V)は、4周目を走り終えた辺りでリアの足廻りにトラブルが発生。なんとかコースに出たがすぐさまピットへと戻り、そのまま予選を終えることとなった。周回数は少なかったものの、4周目に1分00秒131をマークしてフロントロウから優勝を狙う。

 3番手にはポイントランキング2位の#3 秋山健也(スーパーウインズKKS・ED)、4番手に#67 小谷諭司(Deepぐんま東庄10VED)、5番手に#7本田千啓(モダンガレージ☆ARF☆10VED)と続いた。

 決勝戦は12時30分から始まった。決勝がスタートした瞬間、ポールの前田が痛恨のシフトミスで失速。その隙を突いてKAMIKAZE、秋山、小谷が前田をパス。小谷は1コーナー立ち上がりアウト側から秋山のオーバーテイクにも成功し2位に浮上。

 小谷、秋山、前田での2位争いは激化していった。小谷は秋山のプレッシャーを背負いながらもなんとか守り切っていたものの、レース中盤でついに陥落し、秋山が2位を奪取する。

 5番手の本田はスタートでもたついてしまい#5 鶴岡秀磨(SウインズTflapKKSED)に抜かれはしたが、再び鶴岡を抜き去ると、前を走る前田を猛追し、小谷、前田、本田の3台での3位争いが展開された。しかし順位が入れ替わることはなくそのままの順位でチェッカーを受け3位は小谷の手に渡った。

 1コーナーで前田をパスし一気に視界が開けたKAMIKAZEは「予選で足回りのトラブルのこともあったので」と、縁石に乗ることを避けマシンを労わりながらも2位秋山に2秒差をつけチェッカー。勝負強さを見せたKAMIKAZEは開幕から負けなしの3連勝を飾り、悲願の筑波シリーズチャンピオンにまた一歩、大きく近づいた。

優勝:KAMIKAZE選手
「マシンセッティングはかなり成熟してますが、足回りのトラブルで予選を4周しかアタックできず、ポールを逃してしまったのが悔やまれますね。決勝はスタートで前田選手の前に出た時に勝負あったと思います。それからは後ろの秋山選手との距離に目を配りながらペース配分して、タイヤと相談しながら最後まで走り切りました。前日・予選ともに、リアの足回りにトラブルが連続していて、決勝もスペアパーツで対応したのですが、決勝で足回りを傷めないようゼブラに乗らず、白線の内側を走行しました。次の第4戦は速い選手が2人ほど参戦してくるようなので、面白いレースになると思います」
2位:秋山健也選手
「第2戦まではKAMIKAZE選手との一騎打ちだったのでなかなか追いつけなかったですけれど、今回は前田選手がポールだし、複数でのトップ争いでなら勝機は十分あると思っていました。ですが、前田選手がスタートでかなり失敗して1コーナーのイン側から抜いた瞬間、油断していました。気がついた時には左側に小谷選手が並んでいて、立ち上がりで前に出られてしまいまして。2位争い小谷選手のガードをなかなかこじ開けれず、2位に上がった時にはトップのKAMIKAZE選手との差が開いてたので、やはり小谷選手に抜かれたのは痛かったですね」
3位:小谷諭司選手
「決勝でスタートが決まって、4番手から一気に2番手まであがってリードを広げていたんですが、秋山選手にやられてまして、2位をしっかり守ることができなかったことは悔やまれます。ですが、前田選手からのプレッシャーを受けながらも、気持ちも集中力も途切れることなく3位を死守できたことは大きな自信につながりました。第2戦の3位よりも、今回の3位はとても重みのあるものでした」
Text & Photo: Koji IKEDA


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