全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は5日、6日の2日間にかけて、三重県の鈴鹿サーキットで公式テスト&ルーキードライバーテストを行った。総合では福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分35秒190でトップに付けた。
ルーキーとしてテストに参加したのはサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、片山義章(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、シャルル・ミレッシ(B-Max Racing with motopark/ThreeBond Drago CORSE)、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)、大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)の6人。このうち片山とミレッシは昨年、大津は一昨年のルーキーテストに参加しており、実質スーパーフォーミュラ初ドライブはフェネストラズ、宮田、大湯の3人である。
テストは5日と6日、それぞれ午前、午後の2セッションの計4セッションが行われた。
5日、午前1回目のテストは快晴の下行われた。トップタイムは山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)で1分36秒900。今季最終戦に出場したユーリ・ビップス(TEAM MUGEN)もいきなり2位に付けた。ルーキーでは大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING)が4位に入り存在感を示した。
午後は午前からさらにタイムアップ。午前2位だったビップスが1分36秒215でトップタイムを記録した。前評判どおりの実力を発揮し、参戦するとなれば脅威になるだろう。2位には福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が付け、ルーキーではサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が5位に食い込んだ。
翌6日も午前中はドライコンディションで行われた。ここでは前日2位の福住が1分35秒190と非公式ながらコースレコードを大幅に上回る驚異的なタイムでトップに立つ。2位と3位は僅差で山本とビップスが付け、さらに僅差でルーキーの大湯が続いた。大湯のタイムはクリアラップが取れなかったラップのものでこれがなければ35秒1台には入ったと思われる。
午後には1分34秒台のタイムが期待されたが、開始からしばらくして雨が落ち始めた。ドライコンディションの時のタイム、1分36秒482で牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)がトップに立った。雨は断続的に降り続き、タイム更新はならず。このため、マシンをシェアして午後に割り当てられた大津などのドライバーはアピールする機会を失うこととなった。
総合では2日目午前のタイムで福住がトップ、2位は山本、3位はビップス、4位は大湯、5位は野尻智紀(TEAM MUGEN)、6位が松下信治(ThreeBond Drago CORSE)と、上位6人をホンダエンジン勢が独占。7位にようやくトヨタエンジン勢のトップ山下健太(KONDO RACING)が顔を出した。
このテストのルーキーで目立ったのはやはり大湯だろう。大湯は今年、ユーロフォーミュラ・オープン(EFO)の2戦行われたシルバーストンにスポット参戦し、コースレコードのおまけ付きで両戦ともポールトゥウイン。初めてのコース、初めてのマシンでも苦にしない非凡な才能はこのテストでも発揮され、自身2セッション目には実質トップに比肩するパフォーマンスを見せた。
スーパーフォーミュラはこの後、何度かのテストが行われ、4月4日にここ鈴鹿サーキットで開幕する。今回のテストを受け、どのようなドライバーラインナップになるのか楽しみだ。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI