スーパーFJ地方選手権鈴鹿シリーズ第4戦は12日、鈴鹿クラブマンレース第3戦で決勝を行い、6番グリッドからスタートした澤龍之介(TPS・KK-SⅡ・制動屋)が2周目にトップに立つと後続を引き離して2連勝、今季3勝目を飾った。
第4戦決勝は、前レースでのシステムトラブルのため予定より10分遅れの午後4時25分に29台が参加してフォーメーションラップが始まった。グリッドは第3戦の結果順だが、1~6位がリバースグリッド。第3戦優勝の澤龍之介(TPS・KK-SⅡ・制動屋)が6番グリッド、6位の荒川鱗(Drago CORSE 10V)がポールポジション位置からのスタートとなる。日も西に傾き、気温22度、路面温度36度というコンディションの中、全車1周を回って整列、シグナルブラックアウトでスタートが切られた。
ポールシッターの荒川はスタート直後の1コーナーで2番グリッドの入山翔(giddy up KKSⅡ yamasyo)に、S字では3番グリッドの中村賢明(M2 inoki KK-SⅡ)にもかわされ3位に落ちる。
4番グリッドの村松日向子(Rn-Sports制動屋KK-S2)がスタートでミスをしたため4位には、菊池宥孝(ラインアップKRS KKS-Ⅱ)が、5位には澤が上がってきた。澤はS字で菊池をパスして4位に、さらにヘアピンでは3位・荒川のインに飛び込んだが荒川も譲らず、スプーン、バックストレッチで並走しつつ、ついに130Rで澤が3位に浮上した。
シケインでは、トップを走る入山を中村がパスしたが続く2周目の1コーナーでは抜き返され、トップ・入山、2位・中村のまま。そしてバトルを演じるこの2人の背後に迫ってきたのが3位の澤。澤はスプーンで2位の中村を、130Rではトップの入山をもかわし、なんとわずか2周で6番グリッドからトップに躍り出た。
3周目に入ったストレートでは、澤に抜かれた入山と中村がシケインでの立ち上がりが鈍ったため、4位の菊池がこの2人に並びかけ1コーナーで2台をインからごぼう抜き。一気に2位に浮上した。
こうなるともう誰も澤を止められない。澤は1秒近く速いラップタイムで後続を徐々に引き離すと12周を回って2位以下を8秒弱ちぎり、ダブルヘッダー2連勝、今季3勝目を飾った。
3位争いが数台でのバトルとなったため、澤には離されたものの2位の菊池は安泰。第3戦に続きこの順位でゴールを迎えた。
3位争いは最終的に入山と中村のバトルとなったが、6周目の1コーナーでインから入山をかわした中村が表彰台の一角を獲得した。4位は入山。
このレースのもう一つのハイライトは、第3戦トラブルで27番グリッドからスタートした岩佐歩夢(Rn-sports制動屋DプロKK-S)の驚異的な追い上げ。岩佐は2周目には13台抜きの14位まで浮上すると、3周目に13位、4周目に12位、5周目に11位、6周目に9位、9周目に8位、10周目に7位、11周目にはこのレースのファステストラップをたたきだし6位と着実に上位に進出。最終ラップでは5位を走る吉田宣弘(DAYTONA☆KKS-II☆MYST☆ED)とテールトゥノーズまで持ち込んだが、追撃もここまで。吉田が5位、岩佐は6位でレースを終えた。
2位に入った菊池は埼玉県出身の24歳。3位の中村は広島県出身の19歳で、このレースに出場した岩佐、荒川とともに鈴鹿レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)を受講している。
第5戦は9月22日、西コースで開催される。果たして驚速・澤を脅かすドライバーは現れるのであろうか。若獅子の成長・覚醒に期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI