ル・ボーセモータースポーツが参戦するカテゴリーのうちのひとつ、FIA-F4シリーズの開幕戦が4月13日(土)~14(日)に岡山国際サーキット(岡山県)にて開催された。今年は、昨年スーパーFJもてぎシリーズでチャンピオンを獲得しステップアップした18歳の神晴也が62号車、昨年FIA-F4選手権で初の全戦入賞を果たし、シリーズ4位を獲得、メーカー系スカラシップ勢の中に割って入った川合孝汰が63号車で挑む。同シリーズは全7大会14戦で争われ、今後ステップアップを目指す若手ドライバーの登竜門。今回の舞台の岡山国際サーキットは、中低速コーナーが続くサーキットでいかにコーナーを早く立ち上がるかが戦う上でのポイントとなる。
予選4月13日(土)天候/晴れコース 状況/ドライ
このレースウィークの走行開始は水曜日から。ドライ・ウエット両方のコンディションを経験し、様々なセッティングを試しながら方向性を決めていった。金曜日の専有走行では神が7番手、川合が10番手につけ、さらにポジションアップを狙える手応えで予選に臨んだ。
今回の予選は、通常よりもガソリンの量を減らしマシンを軽くした状態でコースイン。「フロントタイヤにじっくり熱を入れてからアタックするように。」と監督の坪松はドライバーに指示を出す。
ふたりとも周回を重ねてベストタイミングでのアタックを狙うが、神はタイヤに熱を入れるまでのペースが速くアタックをかけていくタイミングとタイヤの状態がかみ合わない。それでも14周目に1分33秒303でベストタイムを記録する。一方の川合は、時間をかけてウォームアップしていくが練習時との路面状況の変化に対するアジャストが難しく33秒255となった。
その結果、第1戦では神が11番手、川合が10番手、第2戦も同様のポジション。「金曜日までの走り方を予選で変えたことが裏目に出てしまった。」と神。「タイヤや路面状況をみると、もう少し早めのアタックにしてもよかった。」と川合は振り返る。
決勝第1戦4月13日(土)天候/晴れ コース状況/ドライ
予選の5時間後、午後1時40分から行われた第1戦決勝。天気も良く、暖かな陽気の中、初戦のスタートが切られた。
スタートでふたりは1つずつポジションを上げるが、集団の中に入る展開。川合は続くWヘアピン2つ目で集団を避けようとアウト側から進入するとスピンを喫し30番手となる。神はマシンの感触にも手応えを感じながらポジションキープで3周目に入っていくが、アトウッド進入でコースアウトし復帰は叶わずリタイア。
一時は30番手となった川合だが、周回を重ねるごとにポジションを戻し14周目には20番手にまで上がる。しかし、スピンした際の復帰に時間がかかってしまったことからこれ以上の逆転は叶わずタイムアップとなった。
なお、神はマシンの損傷が大きく翌日の第2戦はリタイアとなった。
決勝第2戦4月14日(日)天候/曇り コース状況/ドライ
雨予報が出ていた日曜日は雨粒が落ちる場面もあったが、持ちこたえてドライコンディションでのレース。8時20分にフォーメーションラップが開始され、全車がグリッドにつくところで、ポールポジションのマシンがスタート手順違反により最後尾スタートを科せられることに。そのため再度フォーメーションラップを行い、仕切り直しとなる。なお、スタートディレイによりレースは14周に減算された。
実質、10番グリッドの川合の前にいるのは8台となり、スタートでまず1台を攻略すると、2コーナーの内側で並び、続くアトウッドの外側からもう1台、さらにWヘアピンの2つ目のインから3台目を刺すと1周目で6番手にまで上がる。
しかし、4周目の1コーナーでクラッシュがありセーフティーカー(SC)が導入されてしまう。4周のSCランの後、9周目にレースが再開されると、さらにポジションアップを狙いプッシュしていく。するとトップに対してドライブスルーペナルティが課せられて11周目に5番手に。
残り3周の頃には前車の背後につき、タイミングをうかがっていくと、翌周の1コーナーで前がミス。その後のアトウッドでの立ち上がりを早くし、後半での逆転を狙うが、初戦でタイヤを使ってしまったことで捉えきれず5番手でレースを終えた。
- チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
- レースウィークの流れはけして悪い感じはなかったが、第1戦のレースでは川合がスピンで入賞の権利が無くなり、神もスピードがあっただけにアクシデントは大きな代償になった。それでも、第2戦での川合は冷静なレース運びで表彰台まであと一歩のところまで追い上げてくれた。
- Driver 神晴也(Seiya Jin)COMMENT
- 今回、予選でのアタックのタイミングや位置取りなど含めてタイムの出し方がよくありませんでした。また、急に走り方を変えてロスをしていることに気付かずそのまま終わってしまって、すごくもったいないことをしたと反省しています。レースは残念な結果になってしまいましたが、もう次を見て切り替えていこうと思います。富士は勝つことしか考えていません。そのために、まずは予選でいいポジションを取れるように自分の走りもしっかりまとめられるようにしていきます。
- Driver川合孝汰(Kohta Kawaai)COMMENT
- 予選は時間をかけてタイヤに熱を入れていきアタックしましたが、路面状況など見てもう少しアタックのタイミングを早くするべきだったと思っています。第1戦は、自分の判断ミスが全てです。スピンをして戻るまでに時間がかかってしまいました。第2戦は、前後に自分の存在を大きく見せてミスを誘うことや後ろがバトルするように考えて組み立てました。最後はアトウッドで近づいて後半で抜くつもりでいましたが、アトウッドでうまく合わせきれず5位となりました。富士ではさらに上を目指しますので今シーズンも応援よろしくお願いします。