5月26日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の公式予選が、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#5野尻智紀(DOCOMO DANDELION M55 SF14)が、完璧なアタックでコースレコードを更新。自身3度目のポールポジションを獲得した。2位は#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)、3位は第2戦のポールシッター#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)と続いた。
日差しは強いものの、気温24度と過ごしやすい天候となった菅生。フリー走行の結果を見ても僅差の戦いになることが予想できるだけに、各ドライバーはいかにクリアラップを取るかに神経を集中させることになる。午後1時20分から行われたノックアウト方式の予選では、残念ながら朝のフリー走行でクラッシュをした#65伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING SF14)は出走ならず。残る18台によるタイムアタックが繰り広げられた。
Q1
ここで好調さをアピールしたのは、#6松下信治(DOCOMO DANDELION M6Y SF14)。最初のアタックでトップタイム1分5秒840を叩き出すと、さらに5秒365までタイムを削る。最後は#2国本雄資(JMS P.MU/CERUMO INGING)にトップの座を譲ったものの、終始安定した速さを見せた。
逆に不運だったのが、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)。残り3分を切ったところで、#7トム・ディルマン(UOMO SUNOCO SF14)がコースアウトし走行が中断したが、この黄旗提示の際にベストタイムを出したとしてそのタイムは抹消。悠々クリアしていたはずのQ1で涙を飲む結果となった。
Q2
このセッションからソフトタイヤを使用できるが、#6松下はここでも速さを見せ、見事トップタイム。100分の4秒差で#1石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO INGING)、100分の6秒差で#2国本が続き、この3者はコースレコードを更新。上位4台をダンディアライアンとセルモ・チームが占めることになった。
午前中のインタビューで「必ずQ3に進む」と言っていた、初参戦のマカオGP王者#15ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN SF14)は惜しくも9位。それでも、初のマシン、初のコースでQ3進出の一歩手前まで上がってくる順応性は只者ではないことを窺わせた。
Q3
好調#6松下のポール奪取に注目が集まったが、その#6松下は誰よりも早くコースインし、じっくりとタイヤを温める作戦をとった。しかし、これが裏目に出たのか、Q2のタイムを上回ることができず1分5秒048と、#20平川がマークした1分4秒985に届かなかった。ここで並外れた集中力を見せたのが#5野尻。Q1・5位、Q2・4位とここまでは目立った速さを見せていなかったものの、Q2で#6松下が記録したレコードを上回る1分4秒694をマークし、見事ポールポジションを獲得。マシンを降りると「菅生はチャレンジングなサーキット。ソフトタイヤでアタックすると違った世界が見えるんです」と笑顔で語った。
途中のセッションタイムで野尻を上回り、最後の最後に大逆転を狙った#1石浦は、SPコーナーで勢い余って痛恨のハーフスピン。逆転ポールはならなかった。
決勝は、明日午後2時15分から68周で行われる
Text:Shigeru KITAMICHIPhoto: Motorsports Forum