スーパー耐久

S耐:第4戦富士 DENSO Le Beausset RC350にとって、夏の富士は聖地に! 2位以下を周回遅れにするスピードで、2年連続の優勝 (Le Beausset)

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 ル・ボーセモータースポーツにとって第2シーズンとなる、スーパー耐久シリーズの第4戦が富士スピードウェイ(静岡県)で9月3日(土)〜4日(日)に開催された。引き続き挑むのは2001〜3500ccの二輪駆動車が対象のST-3クラスで、「DENSO Le Beausset RC350」としてレクサスRC350を走らせる。レギュラードライバーも代わらず、嵯峨宏紀と中山雄一、そして山下健太。そして、Dドライバーの登録が許される今回は、FIA-F4に挑む育成ドライバーの平木湧也を加えての出場となった。

 今回の「SUPER TEC」は伝統的に長時間で争われることで知られ、一昨年から7時間、8時間と続いた、今年は今季最長の9時間の長丁場で争われ、最多出場台となる65台ものエントリー台数が一堂に会するレースとなり、昨年「DENSO Le Beausset RC350」が、デビューウィンを成し遂げた、ビッグステージでもある。もちろん目指すのは、2年連続制覇であるのは言うまでもない。

予選 9月3日(土)天候/晴れ コース状況/ドライ

 激戦続くスーパー耐久も、ここからはいよいよシリーズ後半戦に突入。前半の3戦は2位、5位、5位とリタイアなく入賞を重ね、「DENSO Le Beausset RC350」は目下ランキング3位。これをさらに上げるべく、このレースウィークは木曜日からテスト走行を開始。この木曜日に、多くの走行の機会を多く与えられた平木が、さまざまなことを学んで進化していく様子が印象的だった。さらに金曜日には1時間ずつ3回行われた、専有走行でセットアップが着実に進められていき、最終セッションでは山下のドライブによってトップタイム、1分53秒853を記すまでとなっていた。

 そして、いよいよ土曜日には予選が行われ、炎天下でのアタック合戦となった。計測は20分と長いこともあり、よりコンディションが向上して、クリアラップを取りやすい後半に、Aドライバーセッションに挑んだ嵯峨は、勝負をかけることとなった。狙いは的中し、1分54秒515を記して4番手に。

 嵯峨からインフォーメションを受けた中山は、続くBドライバーセッションでしっかりワンアタックに成功。短いインターバルの間に陽も陰って、温度が下がったこともあって1分53秒332と、レースウィークのベストタイムをマークして2番手につけたことから、チームはこれで十分と判断。早々にピットに戻すも、中山のタイムを上回るものは、その後現れず。その結果、タイム合算で「DENSO Le Beausset RC350」は、クラス3番手の好位置から決勝レースに挑むこととなった。

 なお、この後に行われたCドライバーセッションには山下が、そしてDドライバーセッションには平木が走行。ともにグリッド決定には影響を及ぼさないものの、基準タイムを上回る必要があり、決勝を見越した燃料満タンでのアタックだったにも関わらず、それぞれ1分54秒032、55秒247を記録して条件を満たしたばかりか、ともに2番手につけて上々の仕上がりであることを明らかにした。

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決勝 9月4日(日)天候/曇りのち晴れ コース状況/セミウエット~ドライ

 当初、天気予報では日曜日は雨が降ると伝え、すでにやんではいたものの、早朝の路面は濡れたまま。これでフリー走行が行われていれば、ウェットタイヤも試されただろうが、スタート進行の開始は8時10分と極めて早かったため、ピットから離れた「DENSO Le Beausset RC350」は、さっそくスターティンググリッドに並べられることとなった。近くに雨雲がなく、しばらく降りそうではなかったこともあって、数周のうちに路面は乾くとチームは判断。早々とドライタイヤを装着しスタート。

 今回のスタート担当である中山はポジションを2つアップ。やはりというべきか路面は瞬く間に乾いて、全体的にタイムが安定するようになる。中山の第1スティントには一時的に雨も降ったが、1時間を経過した頃には青空まで広がるように。中山はトップ以上のラップタイムで追走を続け、最初のピットストップはトップと同時の48周目。メカニックの素早い作業で山下を、それまでトップだった車両より早く送り出す。しかし、先にドライバー交代を行っていた車両がタイヤ無交換だったこともあり、引き続き2番手を走行する。それでも山下は徐々に差を詰め、83周目には待望のトップに浮上。そして3時間を経過して間もなく、96周目に嵯峨へと交代、トップは保たれたままコースに復帰し、その嵯峨の走行中には、2番手車両のドライビングスルーペナルティで、それまでも20秒以上のリードを築いていたが、これにより1分半ほどに拡大する。レースはほぼ折り返しの4時間42分、143周目には中山が再びドライブを担当。ライバルチームのタイヤ無効間策でこの間にリードは30秒を切ってしまうが、もはや後続にペースを合わせる余裕もできているから、この間隔はもう縮まらなくもなっていた。190周目からの山下は、ライバルチームとの差を更に広げるべく予定を変更し、タイヤ無交換策を敢行する。山下はタイヤ無交換であっても、2番手の車両をもはや一歩も寄せつけないような速いラップタイムで走行。

 そして、ゴールまで1時間半を切ったところで、嵯峨が再び「DENSO Le Beausset RC350」に乗り込んだのは231周目。そこから先は、もう差が広がり続けていく一方となっていた。最終的には、全車を周回遅れとする圧勝に。2年連続優勝を果たしたばかりか、総合でも10位に。さらにランキングでも2位に浮上するとともに、トップとの31ポイント差は16ポイント差にまで短縮された。

 残すレースは2戦となり、悲願の王座獲得も現実味を帯びてきた。次回のレースは岡山国際サーキットで10月22〜23日に開催され、連勝が期待される!

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 9時間という長丁場のレースを戦う上で、やはり大きなミスをしない、ミスを引きずらないことが大切である。レース中、5回のピットストップが義務付けられていたが、タイヤのライフと燃費から戦略を考えると、不安定な天候でレースが進まない限りは淡々と走る作戦がベストと考えていた。今回の勝因をレース開始から考えると、第1スティントのスタートを担当した中山がトップを追いつめて相手にプレッシャーを与えた状態で山下にバトンを渡せたこと、そのピットストップでメカニックの素早い作業で順位を逆転出来たこと、第5スティントの山下が第4スティントの中山から引き継いだ中古タイヤで周りを上回るタイムで走れたこと、そして第6スティント最終走者の嵯峨が追いかけてくる後続車輌に対し、1周あたり1秒以上速いタイムを出し続けたことにより追撃姿勢を崩せたことが勝ちに繋がったと思う。トラブルにより脱落していったライバルチームがある中、9時間をノントラブルで走破するクルマに仕上げたエンジニアとメカニックを讃えたい。
Driver 嵯峨宏紀(koki Saga)COMMENT
 僕の最初のスティントでは予想外に路面温度と気温が上がってきたので、けっこうタイヤも厳しくなっていったこともあり、リードしていたとはいえ、決して楽な展開ではありませんでした。でも最後、僕にまた代わってからは、かなりのマージンを持って走り続けることができました。今回の勝因は、チームもドライバーもみんなミスなく、この9時間を戦い切ったことです。本当にチームメイトとチーム、メカニックとスポンサー、応援してくれているファンの方、全部チームが一丸になって奪った勝利だと思うので、本当に嬉しい。S耐では去年の富士以来勝っていなかったんですが、これでいい流れができたと思うので、次の岡山、オートポリスに向けても、この流れを切らさないように頑張っていきます。
Driver 中山雄一(Yuichi Nakayama)COMMENT
 今回はかなり長いレースでしたので、一番に心がけたのはタイヤのマネージメントでした。僕の第2スティントはタイヤ無交換で山下選手につないで、タイヤのライフはギリギリだったようですけど、最後までペースを落とさず山下選手もつないでくれたので、そこで1分以上のマージンが作れたんだと思います。それ以上に、今回9時間しっかり戦いきれて、決して直線は速くはないんですけど、コーナーが今週はすごくバランスが良くて、戦闘力がものすごく高かったのから、本当に気持ち良く走り続けることができました。
Driver 山下健太(Kenta Yamashita)COMMENT
 2年連続で勝てて、本当に良かったと思います。1回目はタイヤを交換して、逆に僕の前にいた34号車が無交換で出てきたから、ちょっと差を開けられたんですが、それを詰めていって、抜くことができて、そして最後は差も広げられて、ちょっといい気分でした。2 回目のスティントは中山選手からそのままもらったタイヤでも、タイムを大きく落とさず走れて、それも良かったと思います。残り2戦でも変わらないパフォーマンスを発揮できるようにがんばります。
Driver 平木湧也(Yuya Hiraki)COMMENT
 今週通していっぱい走らせてもらえて、チームが僕に走る時間をくれたので、かなりS耐の車両にも慣れましたし、初めてのツーリングカーだったので、そういう部分ではかなり経験させてもらいました。僕が走ったDドライバー予選は全車混走で、タイムは採用されないんですが、その中でペースとか抜かせ方とか勉強になりました。決勝でもレースの流れとか組み立て方とか、戦略とかいろいろ勉強させてもらいました。今回の経験を、今後のレースに活かせるように頑張ります。
Le Beausset Motorsports


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