スーパー耐久

S耐:第3戦鈴鹿 予選までは順調だったDENSO Le Beausset RC350、難なく決勝進出果たすも決勝では序盤早々にまさかのアクシデントが……。それでもしっかり5位完走! (Le Beausset)

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 ル・ボーセモータースポーツにとって2シーズン目となる、スーパー耐久シリーズの第3戦が鈴鹿サーキット(三重県)で6月11日(土)〜12日(日)に開催された。ST-3クラスで「DENSO Le Beausset RC350」としてレクサスRC350を走らせる。ドライバーは、嵯峨宏紀と中山雄一。

 今回はスーパー耐久初の試みとして、予選と決勝レースの間に「セカンドチャンス100」と銘打たれた100分の敗者復活レースが設けられた。8台が参戦するST-3クラスでは、予選で3番手以内に入る事で先ず決勝進出が決定し、残る5台で「セカンドチャンス100」を戦い、3位までが決勝進出となり、合計6台が決勝レースへと進める。そして決勝レースは前年の3時間から1時間プラスされ4時間となり、19時すぎのナイトチェッカーのサバイバルレースとなった。

予選 6月11日(土)天候/晴れ コース状況/ドライ

 ここまでの2戦は、2位、5位と連続入賞を果たしている「DENSO Le Beausset RC350」。もちろん、これで満足できようはずがなく、最も求めている結果は優勝。そこで、このレースウィークは木曜日からテスト走行を開始。今回は、予選で3位以内に入り決勝へ進むべく臨み、タイヤの最もグリップするタイミングとなる、コースイン直ぐにウォームアップを開始し、1周目のタイムアタックでベストタイムを出すように、セットアップを進め、周回を重ねてきた。金曜日には、セッションごとタイムアップを果たしたばかりか、午後からのセッション2ではトップタイムも記していた。

 そして土曜日には予選が行われ、好天の下で激しいアタック合戦が繰り広げられた。鈴鹿は5.8kmのロングコースであること、そして5月としては気温も少々高めだったこともあり、Aドライバーセッションに挑んだ嵯峨は、さっそくアタックを開始。1周をきっちりまとめて2分18秒270をマークして2番手につける。

 続くBドライバーセッションに挑んだ中山は、クリアラップが取れなかったことからアタック開始を1周遅らせたものの、それでも2分18秒282をマークして3番手に。その後、いったんピットに戻って決勝セットに変更。2周に渡ってガソリン満タンでのセッティングの確認走行も行っていた。 そして注目された合算タイムでは、4番手にコンマ1秒差をつけ、3番手で「セカンドチャンス100」を免れ、決勝進出を果たすこととなった。

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決勝 6月12日(日)天候/雨 コース状況/ウエット

 日曜日の10時から30分間に渡って行われたフリー走行は、早朝まで降り続いた雨によって路面が濡らされており、あいにくのセミウェット。当初はドライタイヤでの走行も十分可能だったものの、やがてポツリポツリと降り始めて、徐々に雨足を増すことになった。「DENSO Le Beausset RC350」には、まず中山が乗り込んで2周走行。最初にマークした2分22 秒754がセッションベストになった。そして、ピットに戻って嵯峨に交代し、4周走行することに。決勝は雨に見舞われるとの予報も出ており、ウェットコンディションでのセット確認も、このセッションで済ませることができた。

 そして迎えた決勝は、45台がグリッドに並んだ段階では雨はやんでいたものの、スタートが近づくにつれて小雨がポツリと降るも、路面を濡らすまでにはいたらず、ドライタイヤのままスタートを切ることとなった。

 この選択は正解で、スタートドライバーの嵯峨は3番手をキープしてレースを開始する。しかしながら、ウェットタイヤを装着していてペースを上げられないST-1クラスの車両が、前を塞ぐ状態になり、続いたST-3クラスとST-2クラスの車両は、一列縦隊となっていた。先行する2台が見える一方で、すぐ後ろには2台が続いていただけに、そんな状況から早く抜け出したいところだが、ST-1車両はストレートが速く、4周に渡って嵯峨は我慢を強いられる。

 そして、間もなく5周目に差し掛かろうというところで、そのチャンスが訪れたかと思われたのも束の間、シケインの立ち上がりでST-1車両の脇を、嵯峨がインからすり抜けようとした時、ピットに入ろうとして右にハンドルを切り込まれ、あまりに突然のことに回避する術を奪われて接触。左リヤのタイヤにダメージを負ってしまう。異変を感じた嵯峨はペースを落とし、ピットに戻ろうとするもデグナーの立ち上がりで、そのタイヤが脱落! 何とかピットに戻ることができたのは、不幸中の幸いではあった。

 その後、タイヤの回収のため6周目からセーフティカーランが行われ、同一周回で復帰できる期待もあったが、わずか1周のみでレースが再開。バンパーの修復とタイヤ交換、そして中山に交代してコースに戻った時には、すでにトップとは2周の差がついていた。

 幸いに足まわりにはダメージを負っていなかったが、センサーの破損によりABSが効かない状態となっており、ブレーキングが不安定な状態に。そんな中、中山はマシンをコントロールし諦めず周回を重ねていく。

 20周を間もなく経過しようという頃、ついに雨は本格的に降り出すように。23周目、ウェットタイヤに交換し、同時に中山から嵯峨に交代し再びコースに戻っていく。その直前に4番手を走行していた車両にクラッシュがあり、5番手にポジションを上げることとなったが、バトルする相手もいない孤独な周回を、その後は淡々と続けていくこととなるが、ウェット路面でなおかつABSを失ったマシンながら、嵯峨はコントロールを続け、上位車よりあきらかに速いラップを続けていく。ほぼ1時間半後の59周目、再び中山に代わり、あとはチェッカーを目指す。ただし、ここから先は徐々に暗くなっていき、徐々に視界が奪われていくばかりか、いつしか雨足も強まっていた。しかし、そんな過酷な状況においても、中山はしっかりとトップと遜色ないラップタイムで周回を重ね、5位でチェッカーを受けた。

 次回のレースは、9月3〜4日に富士スピードウェイでシリーズ最長の9時間レースとして開催される。初めてレギュラー4人で戦うレースに、昨年の初優勝からの連覇に向けて臨む。

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 予選までは順調に進める事が出来た。クルマの仕上がりは表彰台の一角を狙えるだけの感触があったが、レース序盤の接触によるタイムロスが全て。皆が諦めず手負いのクルマで最後まで4時間レースを戦ったが挽回は叶わなかった。クルマの信頼性は十分あるので、これから先はよりスピードを上げて行く必要がある。
Driver 嵯峨宏紀(koki Saga)COMMENT
 ST-1クラスの車両のペースが遅く、渋滞のようになっていて、シケインの立ち上がりで並んだのですが、ピットに入ろうとしたんでしょう、右にハンドル切られてしまって……。そこで左側が当たってしまったんです。もっと慎重に行くべきだったと反省しています。足まわりこそ大丈夫でしたが、タイヤがダメになって。その影響でABSも壊れてしまって、そこからはABSなしの状態で、うまくコントロールをしながら走るしかなくなってしまいました。チームに迷惑をかけてしまったので、次の富士のレースで挽回し優勝できるように臨みます。
Driver 中山雄一(Yuichi Nakayama)COMMENT
 ABSが効かなくなっていました、たぶんぶつかった影響だと思うんですけど。それ自体はそんなに問題じゃなくて、予定より1ピット増えたっていうのと、1周ゆっくり走らなきゃいけなくなったっていうのが、最大の敗因かなとは思います。雨の中でのペースは悪くなかったと思うので、何もなかったなら、もうちょっと面白いレースだったと思います。予選3番手というのは、RCとしてはかなり上出来だと思っていて、マシンのバランスとしてはかなりいいところに来ていましたから、優勝を狙っていたので残念です。次回は9時間もあるので、今回以上にサバイバルなレースになるでしょうが、昨年の富士は勝っていますし、着実にレースを進めて勝利を狙います。

Le Besausset Motorsports



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