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WEC富士6時間:「来年は30秒速くしますよ」村田久武プロジェクトリ−ダー(トヨタ)予選後のコメント

このレースに備えてエンジンの馬力を上げてきました。詳しい数字は言えませんが、エンジン単体でウン十馬力です。
燃費を犠牲にして馬力を上げても仕方がないので、ポンピングロスとかフリクションを下げて実馬力を上げました。
すでに東富士では来年のエンジンが回っているんですが、そこで使っているものの中から入れられるものを全部入れてれてきました。
空力についてはコース特性とドライバーの要求に合わせて調整してきました。

(他のライバルと比較して)そんなに甘くないなと。ルマンから少しでも差を縮めようとしてきているんですけど、そんなに世の中甘くないなあと。

ルマンも特別ですが日本も特別なレースです。自分たちのパワートレーンを作ってくれている仲間が日本に一杯いて、彼らが生で見られる唯一のレースが富士なんです。
自分たちのプロジェクトを応援してくださる日本のファンも生で見られる唯一のレースでもあるので、手ぶらでくるわけにはいかないと。今自分たちが出来る最善の策を持っていかんといかんよねと話し合って、一人1馬力ずつでいいので掻き集めてこいと。それを足してウン十馬力にしました。ドライバーも体感してくれています。
ただこれは絶対的な努力で済む話ではなく競争ですから、自分たちが頑張っても相手がもっと上げてくるかもしれない。その結果が今日に繋がったということです。

前半戦はアウディのハイダウンフォースのクルマが強く、ポルシェのローダウンフォースのクルマですが何が何でもチャンピオンを取ろうと、後半さらにアップデートしてきました。
今回我々はハイダウンフォースのパッケージを持ち込んでいます。富士はストレートが長いので直線を重視した方がいいと思われていますが、セクター3をどう切り抜けるか、ハイスピードコーナーをどう切り抜けるかがすごく重要なんですよ。

今までいろんなところで「申し訳ございません」と言い続けてきました。
役員にも怒られてるし、ファンの人からは「来年こそがんばってくださいね」と言われています(笑)まずは「申し訳ございません」と。「来年頑張ります」と。

(来年の開発状況は)すでに回っています。東富士で回っていて、今回もドライバーが日本に来た時に彼らを勇気付けるために本社の鋳物工場やマシニング工場に連れてって現場のみんなと触れあってもらい、来年のユニットも見てもらってモチベーションを上げてもらいました。
今年ポルシェが6秒速くしてきましたので、来年僕らは30秒速くしてやろうと(笑)
アウトラインは相当前に決めていて、ポケットにあるものを掻き集め、持ってるものを全部出して開発しています。そうしないと来年も同じようになってみなさんに問い詰められることになりますから。

こういう厳しい状況になると諦めたり投げやりになったりすることもあると思いますが、チームも、ドライバーも、開発陣もひたすら前を向いてやってきました。そういう諦めへん気持ちを培ったのが今年の収穫です。半分泣きながらやってますけど(笑)鼓舞しながら。そういう精神的な強さを再確認できました。
去年チャンピオンとったけど、その前はずぅっと負け続けていましたよね。
だから「去年はたまたまチャンピオンとったんだ。もともとこうだったやんけ」とみんなで言いながら、「そんな偉そうなこと言える立場やないやろう」って。

(30秒という目標は達成可能なのか)出来るできないじゃなく、やるんだ、と。できなかったらまた同じ思いをすることになるんですから。

(来年型のコンセプトについて)今言ったら3月に書くことがなくなるじゃないですか(笑)もうちょっと待っててください。

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO


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