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SGT:第1戦岡山決勝 雨雲が分けた明暗。#37KeePer TOM'S RC Fが岡山二連勝を達成。GT300も#31プリウスが勝ち、トヨタ(レクサス)が両クラスを制覇!

2015オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月5日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)がポール・トゥ・ウィンを達成。途中大きく順位を落とす場面もあったが、終わってみれば平川が後続を42秒以上突き放す圧倒的な走りでレギュラー参戦の初戦を勝利で飾った。
GT300クラスも昨年までのサードドライバーからレギュラーに昇格した中山雄一の加わった#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)がレース序盤から圧倒的な速さをみせ、勝利をものにした。

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この日の午後2時30分より82周で行われた決勝レースは、スタートからゴールまで雨雲の動向とそれに対するタイヤチョイスの可否が展開を左右する、実に波乱に満ちた一戦となった。

朝から降り続いた小雨は正午からのピットウォークが始まる頃には一旦上がり、曇天のままスタート進行が開始された。
これをみてスリックタイヤを選択したのが#17KEIHIN NSX、#11GAINER SLS、#65LEON SLS、そして#61SUBARU BRZの4台だった。
このほか、インターミディを選択するチームもあり、ウェットタイヤの中でもハードコンパウンド、ミディアム、ソフトと各チームそれぞれ異なった選択を行ってレースに臨んでいた。

スタートでトップに立ったのはソフトコンパウンドのウェットタイヤを選択したポールポジションの#37RC F。スタートを担当したカルダレッリは最初の5周で6秒ものマージンを築き上げる。
その後一旦は4番手からスタートして着実に順位を上げてきていた#1モチュールGT-Rのロニー・クインタレッリに17周目のヘアピンでインを突かれて先行を許すが、1号車は22周目に入ったところで左リヤから激しく白煙を吹き上げてピットへ、そのままガレージに押し戻されてレースを終えてしまった。どうやらブレーキトラブルに見舞われたようだ。
しかしその直後、23周目の最終コーナーで今度は#15モデューロNSXを駆る小暮卓史がカルダレッリのインに並びかけてトップに立った。
さらに25周目のダブルヘアピンでは#100レイブリックNSXを駆る山本尚貴も37周目を攻略、更には35周目のヘアピンで小暮のインに飛び込んでトップに躍り出た。
ちょうどその頃から再び雨が路面を濡らし始めた。

これに対応する形で15号車は36周目、100号車は37周目、そして37号車は42周目にドライバー交代を行ったが、タイヤ交換に手間取って50秒以上の作業時間を要したNSX勢に対し、46秒1で作業をまとめた37号車が再びトップを奪い返す。
また、このままの状態が続くと判断したホンダ勢はハードコンパウンド、レース終盤に雨が強くなると読んだ#37トムスはソフトコンパウンドを選択。これがそのままレース展開を左右することになった。

チームからの指示でタイヤを温存しつつ周回を重ねていた平川は49周目のダブルヘアピンで周回遅れに詰まったところを#100伊沢拓也にかわされて2位に後退、その後もじわじわと差を広げられて一時は10秒以上の差をつけられてしまう。

ところが残り周回数が15周となった67周目から平川が逆襲に転じ、1分33秒台のハイペースで伊沢との差を
詰め始めた。#100レイブリックNSXのタイヤはその頃には悲鳴を上げ始めており、伊沢は1分36秒~39秒台の苦しい走りを強いられ、コースにとどまるのが精一杯の状況となっていた。

そして71周目。
ダブルヘアピンの二つ目でアウト側からアプローチした平川がうまくラインをクロスさせる形で伊沢を抜き去り、一気に突き放していった。
その差は75周目には15.6秒、80周目には42秒と一気に広がっていき、最後はチームからの指示によりペースをコントロールしながら平川は圧倒的な速さでGT初勝利を挙げた。また、#37KeePer RC Fとしては昨年に続いて岡山に連勝を達成したことになる。
2位には久々に伊沢/山本コンビが復活した#100レイブリックNSX、3位には新たに立川/石浦コンビとなった#38ZENT RC Fが入った。

めまぐるしくトップが入れ替わったGT500クラスとは打って変わり、GT300クラスはレース序盤にトップに立った#31プリウスが終始レースをリードし、2位以下にこちらも42秒の大差をつけて開幕戦を制した。
こちらも今季初めて使用することになったブリヂストンのウェットタイヤ(ハードコンパウンド)がうまくコースコンディションにマッチした結果だという。
2位には同じくBSタイヤを履くハイブリッド車の#55ARTA CR-Zが入り、ポールポジションからスタートした#10ゲイナーGT-Rはスタ−トでインターミディを選択したことも祟って次第に順位を落とし、7位でレースを終えている。

次戦は富士スピードウェイでの500km耐久レース。
5月3日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Motorsports Forum
Eiji TAKEUCHI


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