全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦は14日、大分県のオートポリス(1周・4.674km)で決勝を行い、46周・1時間10分8秒548でアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)優勝した。
前プログラムのJSB1000で赤旗中断があったため、決勝レースは10分遅れの午後2時55分にフォーメーションラップが始まった。予選8位の平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)はウォームアップでマシンが止まったため、ピットスタートとなった。気温26度、路面温度37度で日差しは強いが阿蘇の草原を吹き抜けてきた秋風は涼しい。
スタートはポールシッター山本尚貴(TEAM無限)の1コーナーまでの車速が伸びず、後続に飲まれる展開で始まった。ここでトップに上がってきたのが素晴らしいスタートを決めた予選3位のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、これに予選2位の国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が続く。3位にはなんと予選9位からジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)がジャンプアップしてきた。4位塚越広大(HP REAL RACING、5位ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、6位中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)と続き、山本は7位まで落ちてしまった。これに好スタートを決めた予選14位の石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が8位で続く。また、予選6位のロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は接触によるコースアウトで最後尾からレースを始めることとなった。
トップに立ったロッテラーは3周目の1コーナーでオーバーテイクボタンを使った国本に並びかけられるがこれを退けると、その差を徐々に広げはじめる。しかし、10周過ぎに2秒前後と国本との差を広げてからは、この2台の差は膠着状態でレースは後半戦に突入する。
ロッテラーは燃料の心配が無くなったのか、27周目に2位国本との差を3秒7とすると、徐々にその差を広げ36周目には6秒5。44周目は自身のファステストラップを上回る1分30秒800を出すと、ファイナルラップ1周前の45周目にはさらに30秒406まで縮め、終わってみれば12秒9、2位以下をちぎって独走で今シーズン2勝目を飾った。
2位国本から8位石浦、9位野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、10位武藤英紀(同)までの順位はスタートから変らず。燃費、タイヤ摩耗の心配がなくなった終盤、各ドライバー、自身のベストタイムを更新して、前車に詰め寄る場面もあったが、結局パスするまでには至らず「パレードになるかも知れない」とサタデーミーティングのゲストに呼ばれたロッテラーの懸念通りの展開となってしまった。
3位に入ったオリベイラはドライバーズ選手権ポイントを29と伸ばし、トップを堅持。2位には前戦を欠場したにも関わらず、優勝し10ポイントを追加した26.5ポイントのロッテラーが浮上。これに6位に入った中嶋一貴が25ポイントで続く。
第6戦決勝は2週間後の9月27日、スポーツランドSUGOに舞台を移し行われるが、残り2戦、ドライバーズ選手権を賭けた争いはますます激しくなりそうだ。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Motorsports Forum