SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス EXE ASTON MARTIN、チーム結成から奇跡を重ねて、九州でとうとう本当の「奇跡」が起きた! 「チーム一丸」でまさかの表彰台、2位ゲット (ARNAGE)

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gt_r07_arnage-01.jpg  前戦富士ラウンドのあと車両がアジアン・ルマンに貸し出さていたため、メンテナンスに一週間のブランクができてしまい、チームはこの九州ラウンドに向けて急ピッチで車両を間に合わせることになりました。しかし、アジアン・ルマンの結果(*GTCクラスにてクラス優勝)からも車両の状態はたいへん良好であることが伺われ、またチームにとっても車両にとっても、オートポリスは苦手なサーキットではないだけに、気合十分で初の九州遠征に臨むことになりました。

 しかし、予選日となる10/5は、かねてより懸念されていた台風23号の影響で朝から大雨に見舞われ、9時からの公式練習も開始から48分で強い雨と霧のため赤旗中断となり、そのまま回復することなく終了してしまったためほとんどの車両が満足な走行をすることができませんでした。しかも、この悪天候は午後になっても回復せず、午後の予選もキャンセルされ、翌日午前中に実施されることとなりました。

October 6th Qualifying
  • 天候:曇り 路面状況はウエット/ドライ
  • 気温:開始時20℃→終了時21℃ / 路面温度:開始時21℃→終了時22℃

gt_r07_arnage-13.jpg  この日もサーキットは朝から雲に包まれ、霧のような雨がフロントガラスを濡らすコンディション。前日の予選キャンセルを受け決勝日の朝9時から25分間にわたって行われた予選はいずれかのドライバーが走行すればよいというルールだったので、安岡選手が予選アタックを担当することになりました。前日満足な走行ができなかったため車両のチェックもかねて、まず慎重かつ果敢に、車両の感触を確かめながらインターミディエットで走行した後、5Lapでドライタイヤに交換してアタックにかかり、予選後半にはGT-R勢と1‘48秒台の熾烈なポールポジション争いを演じました。しかし終了まで残り4分のところで47秒台を出したGT-R勢に一歩及ばず、その後10Lap目にベストラップを更新する1’48.036を出しましたが、惜しくも予選を3位で終えました。

なお300クラス予選の結果は下記のとおりとなりました。

  • P1 #3 S Road NDDP GT-R 星野 一樹 / 佐々木 大樹
  • P2 #48 DIJON Racing IS GT-R 高森博士 / 千代勝正
  • P3 #50  Exe ASTON MARTIN 加納政樹 / 安岡秀徒
October 6th  Finals
  • 天候:くもり 路面状況はドライ
  • 気温:22度→22度(レース中盤)/ 路面温度:24度→25度(レース中盤)
  • 入場者:決勝日22,100人

gt_r07_arnage-08.jpg  午前中の予選後、サーキットサファリと15分間に延長されたウォームアップ走行時間に、前日から全く走行する機会のなかった加納選手が走行し、車両の感触を確認することができました。

 そして定刻14時にフォーメーションスタートで決勝がはじまります。スタートを切るのはセパン以来ずっとスターティングドライバーを担当している安岡選手。鈴鹿以来の3番グリッドからスタートした車両は、1周回後すぐに2番手の48号車をかわして2番手に浮上、この際記録したタイム1‘49.297がこの九州ラウンドのベストラップとなりました。その後安岡選手は1分49~50秒台のハイペースでトップを行く3号車に迫り、ついに7Lap目に3号車をパス。トップに立ちました。

 その後、安岡選手はぐいぐいと後続車両を引き離し独走状態に入ります。レースの3分の1を過ぎた26Lap目の頃から弱い雨が降り始め路面は滑りやすくなっていましたが、他の車両が続々ルーティンのピットインをする中、安岡選手は変わらず1分50~51秒台を中心にトップを独走し、後続とのマージンを広げ続けました。

gt_r07_arnage-12.jpg  ピットインは38Lap目。ドライバーを加納選手に交代し、フロント左側タイヤを1本のみ交換する作戦で41秒という非常に速いピット作業時間を終え、車両はトップのままコースに戻りました。すでに温まっているタイヤでリスクは少なく、加納選手は交代直後から1分52秒台の好タイムで安定した走行を見せました。その後惜しくも45Lapのところで4号車の名手谷口選手にパスされ、順位を一つ落としました。

 弱い雨が降ったりやんだりの悩ましいコンディションはその後も続きましたが、加納選手は順位を後退させることはなく、むしろ安岡選手から引き継いだタイヤを守りながら前半に築かれたマージンを活かして守りの走りに徹し、2位をキープし続けました。そして61Lap目、Arnage Racingとしては最高位の2位でチェッカーを受けることができました。

gt_r07_arnage-15.jpg  今回の九州ラウンドでは、天候に恵まれなかったために土曜日の公式練習から予選までまったく走行ができず、セットアップもままならない状況でしたが、これまでにない順調な車両の仕上がりと、加納、安岡両選手の無心の走りが、チームにとって望むべくもなかったポディウムに立つという結果を産み出すことができました。たくさんのご支援や応援と、レース後のたくさんのお祝いのお言葉に心より感謝いたしますとともに、最終戦となります次戦11月のMOTEGI GT 250km Raceにおきましても、変わらぬ応援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

  • P1 #4  GSR 初音ミク BMW  谷口 信輝 / 片岡 龍也
  • P2 #50  Exe ASTON MARTIN 加納政樹 / 安岡秀徒
  • P3 #52  OKINAWA IMP SLS  竹内浩典 /土屋武士
チーム代表 伊藤宗治
gt_r07_arnage-20.jpg  今回のオートポリスは天候に振り回されてイレギュラーなスケジュールになってしまいましたが、珍しくこれといったトラブルに見舞われることもなく、チームとしては終始順調にレースを終えることができました。タイヤ一本交換作戦をとったわけなのですが、交換したタイヤもじつは午前中使ってたタイヤでNEWじゃなかったんですよ。結局1レース300kmはもつタイヤをヨコハマタイヤ様は出してくださっているわけで、素晴らしいというしかありません。スタートドライバーの安岡にしても、タイヤを苛めずに走るようにというこちらの要求を呑んでくれたから最後までタイムを落とさずにトップを走れたわけだし、そのあとの加納さんも順位にこだわらずに自分の走りをキープしてくれたからこそ、あの路面状況でもアクシデントもなく最後まで走れて、結果2位でチェッカー受けることができました。こういう守りの作戦でいこうと決めさせてくれたチーム、レース全体の構成を俯瞰したうえで自分の走りを見失わない冷静でクレバーなドライバー、そして素晴らしいタイヤを供給してくださるタイヤメーカー様、ほんとにありがとうございます。それからたくさんの声援を送ってくださったスポンサー様とファンの皆様にも感謝、感謝です。シーズン当初からすべてが「奇跡」でやってきたチームですが、またまた奇跡がおきてしまいました(笑)次戦のもてぎは今回のオートポリスでの結果は忘れて、心置きなくやり残しのないような最終戦になるようがんばりますので、応援よろしくお願いします。
ドライバー 加納政樹
gt_r07_arnage-18.jpg  フリー走行から赤旗中断になってそのまま予選がキャンセルになって全く乗れてなかったんですけど、安岡くんが予選で決めてくれて、午前中の短い時間(サファリとウォームアップ走行)に15分ずつでしたけど30分くらい練習する時間があって、その時の感触でなんとなくいけそうな感じはしてました。レースでは安岡くんがたくさんマージンを作って帰ってきてくれて、しかもタイヤ1本交換作戦でトップでコースに戻って、谷口さんが後ろから来た時に無線で監督から(谷口さんを)先に行かせて2番手をじっくり守ればいいからと言ってもらったので、そのあとはタイヤを大事にして余裕をもって走りました。サーキットの特性を知り尽くしたチームの作戦がこの結果を導いたと思います。チーム一丸でずっとシーズン当初からやってきましたけど、こんなに早く表彰台に乗れる日がくるというのは、もう感無量です。チームみんなで勝ち取った表彰台です。早いもので次戦のもてぎは最終戦ですが、さいごまでチーム一丸で戦い抜きます。
ドライバー 安岡秀徒
gt_r07_arnage-19.jpg  オートポリスは僕も加納さんも好きなサーキットだったし天候的にも期待できそうな雨模様ではあったんですが、予選が今日になって、僕が自信を持ってアタックするのは鈴鹿とここだけだっていうことを考え併せると、結果的には昨日のキャンセルは良かったと思います。3番手からレースをスタートして、監督からは早めに前に出て自分のペースで走るように言われていたのですが、7Lap目で一番前に出ることができたので、それからはマイペースで、無線でタイヤと後続の状況を確認しながら走ることができました。とにかく僕たちは優勝を目指してレースをしていたわけではなく、欲もなくレースをしていました。ポジションが落ちても仕方ないと思っていたし。無心の走りがこの結果につながりました!タイヤも素晴らしかったし、僕自身オートポリスのコースが好きで、加えて九州には応援してくださっている人も多いので、こんなうれしいことはないです。レースの最後は祈るような気持ちで加納さんの走りを見守るだけ、ドキドキして心臓が止まりそうでした(笑)次戦は最終戦になりますが、またいつものように完走を目指して加納さんと、チームのみんなと頑張ります。

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 第8戦もてぎラウンドは11月2日~3日にツインリンクもてぎ(栃木県)に於いて開催されます。最終戦となりますが、さいごまでより一層のご声援、宜しくお願いします。

Arnage Racing 2013 SUPER GT Race reports


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