SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ決勝 #38ZENT SCが2005年以来のチャンピオン獲得!優勝は#6エネオスSC

2013オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の決勝レースが11月3日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#6ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也/国本雄資組)が終始レースをリードし、1年ぶりの勝利をものにした。
なおシリーズチャンピオンは、このレースを3位でフィニッシュした#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が獲得した。
GT300クラスは予選2番手からスタートした#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が2位以下に大差を付け、開幕戦岡山以来今季2勝目。#16無限CR-Zはこのレースを2位でフィニッシュし、ハイブリッドカーで初のシリーズチャンピオンを獲得した。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選14,500人/決勝30,000人 二日間合計44,500人)

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第8戦決勝は午後1時30分より53周で行われた。
ポールポジションの#6エネオスSC(大嶋)がホールショットを奪い、序盤からトップを快走する。
その後方では2位スタートの#17ケーヒンHSV(金石年弘)を4周目のS字で#38ZENT SC(平手)がパス、シリーズタイトル獲得に向けて好位置をキープして周回を重ねていく。
3位に後退した#17金石はその後も#23モチュールGT-R(ロニー・クインタレッリ)の猛攻を受けるが、なんとかポジションをキープして19周終わりでピットイン、塚越広大に後半を託した。
更にその後方では#39デンソーSCの脇阪寿一、#100レイブリックHSVの伊沢拓也、#12カルソニックGT-Rの松田次生らが激しいドッグファイトを展開、7周目の3コーナーで並走状態となった#39脇阪と#100伊沢を#12松田が5コーナーで一気にインから抜き去り5位に浮上、#100伊沢も12周目の3コーナーでやや強引に#39脇阪をかわし、6位に。
更にその後方から#36ペトロナスSCのジェームス・ロシターも脇阪の背後を脅かし始める。
ロシターは予選13番手から着実に順位を上げ、遂に16周目の1コーナーで脇阪のインをついて7位、続く17周目の2コーナーでアウトに膨らんだ#12カルソニックGT-Rを見逃さずにパスして6位に浮上した。
これで一時は潰えたかに見えた36号車のタイトル獲得の可能性も徐々に高まってきた。

2位以下の集団は規定周回数の3分の1が過ぎた19周目辺りから相次いでピットイン。
給油とドライバー交替を済ませてコースに戻っていく。
トップの6号車は24周目に大嶋から国本に交代、トップのままでコースに復帰した。
この時点での順位は#6エネオスSC、#38ZENT SC、#17ケーヒンHSVの順。
このままの順位でフィニッシュすれば#38セルモの8年ぶりの王座獲得が決まる。しかし38周目の1コーナーで#17塚越が38立川のインをついて2位に浮上、そのまま1周2秒近いペースで#6国本とのギャップを削り取り始めた。
もし塚越が国本を捉えれば、或いは立川がもう一つ順位を落とせば17号車に逆転チャンピオンの望みが出てきた。

しかし38号車の後方を走るのは#39デンソー、#36ペトロナスのレクサス勢。
スタートから39号車とバトルを展開していた12号車、23号車はその後方、100号車はタイヤ交換のため予定外のピットストップを行って下位に沈んでしまっていた。
#39石浦宏明はそのままポジションキープで立川の後ろを走行するが、自身が2位に上がれば逆転チャンピオンの可能性もある#36中嶋一貴は時折石浦に仕掛けるそぶりを見せる。
しかしこの3台の順位は変わらぬまま、残り周回数は徐々に減っていき、2位#17ケーヒンHSVとの差も15秒以上に開いてしまった。
また、2位#17塚越も#6国本との差を思うように詰められないまま、53周目のチェッカーを受けることに。

これにより#6エネオスSCは昨年7月の第4戦SUGO以来、1年3ヶ月ぶりの勝利を獲得。これは今季チームルマンに移籍した国本にとってはGT500初優勝となった。
また#17ケーヒンHSVが2位、#38ZENT SCが3位に終わったことで、GT500クラスのドライバーズチャンピオンは立川/平手組が獲得することとなった。
レクサスにとっては2009年のペトロナスSC(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)以来、チームセルモにとっては2005年の立川/高木虎之介組以来のタイトル獲得だ。

同じくタイトル決定を最終戦迄持ち越したGT300クラスも、コースの各所で激しいバトルが展開された。
ホールショットを奪ったのは今季5度目のポールポジションからスタートした#61スバルBRZ。
今シーズンを持ってスーパーGTを勇退することを明らかにした山野哲也がソフトタイヤで逃げる作戦を採ったが、ストレートスピードに勝るFIA-GT3勢の1台、#11ゲイナーSLSを駆る平中克幸は5周目のダウンヒルストレートで悠々と61号車を抜き去り、一気に差を広げにかかった。
この状況で#11平中/ビルドハイム組がチャンピオンを獲得するには#16無限CR-Zが4位以下でフィニッシュしなければならない。その#16CR-Zは武藤が予選3番手からスタートして早くも10周目に#61BRZの山野を捉え、2位に浮上してきた。
懸命にリードを広げる11号車だったが、#16CR-Zも2位の座を明け渡すこと無く最後まで走り切り、シリーズ戦無勝(エキジビジョンイベントのAsLMSでは優勝)ながら全戦でポイントを獲得する安定の速さで2013年ドライバーズチャンピオンを獲得した。
チーム無限にとっては2004年NSXの山野哲也/八木宏之組以来のタイトルとなった。

2013年のスーパーGTはこれでシリーズ全戦を終了。
あとは11月22-24日開催の特別戦「富士スプリントカップ」を残すのみとなった。
なおGT500クラスはこの特別戦を以て2009年規定の車両での戦いを終了。
来季はいよいよITRとの共通規定のシャシーに2リッター直噴ターボエンジンを搭載した新しい車両を登場させる。

2014シーズンは4月6-7日、岡山国際サーキットで開幕する

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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