全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/1

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.5 SPORTSLAND SUGO
GTインサイド・レポート            No.  1        1995/ 9/  8 FMOTOR4版
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1.GTC第5戦フリープラクティスレポート
 今週末のGTC SUGOのためのフリープラクティスが、8日、快晴のスポーツ
ランドSUGOで行われた。午前中#1カルソニックスカイラインの影山正彦が1
分25秒736をたたき出し好タイムが期待されたが、午後29度Cまで気温が上昇して路
面温度も40度Cを越える、夏といってもよいコンディションとなったため、2回目
の走行で#55 JOMO R33の鈴木利男が1分25秒台までタイムをアップさせた
に留まった。ルマンGT2仕様でマシンを開発した#2ZEXELワイズスカイラ
インは、車重が1,300kg以上もあるにもかかわらず、550馬力を越える大パワーを利
して1分27秒台前半を記録することに成功している。7月のテストで好タイムを
マークしている#39 サードスープラGTは、決勝用セッティングに終始したため1
分26秒台に留まった。ポルシェ勢ではチームタイサンの2台が好調の出だしを見
せた。前回の第4戦でトップグループに迫るタイムを記録した#88レインXタムラ
ディアブロは、テクニカルコースのSUGOでも1分27秒台をコンスタントに記録
して、本物のレーシングマシンに生まれ変わりつつあることをアピールした。
 GT2クラスは、*7 RE雨宮SuperG RX7が好バランスを武器にGT
1クラスに迫る1分30秒台をマークしてライバルの*71 WAKO'S BMW M3
を引き離した。シリーズポイント トップの*70 外国屋スカイラインは、さすが
に90kgのウエイトハンデが効いてきたらしく、タイムが伸び悩んでいる。
2.#1カルソニック・スカイライン
影山正彦:「今日のトップタイム? ええ、富士での反省点をもとに、チームのス
タッフが相当の努力をしてくれましたので。とくにリヤ・サスペンションが問題
だったのですが、それがかなり良くなりました。ダンパーを交換しています。何と
しても3年連続チャンピオンを取りたいので、必ず勝ちますよ。明日はポールを
狙って行きます」
金子監督:「ツーリングカー、F3000と同じ気合でやっている。今日のタイムは特
別なことをしたのではなく、いままでの積み重ねの成果。それとダンパーが他チー
ムと同等のものになった。何としても影山をチャンピオンにしたい。決勝で星野が
乗るかどうかは状況によって決めるつもり。たぶん乗ることになるとは思うが」
3.8日フリープラクティス総合タイム(非公式)
 ドライバー              マシン                             タイム(セッション)
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1影山正彦/星野一義    #1 カルソニックスカイライン        1'25.736(1)
2鈴木利男          #55 JOMO R33           1'25.939(2)
3長坂尚樹        #8 FET SPORTS SUPRA  1'26.075(2)
4A.リード/近藤真彦    #35 タイサンスターカードGT2      1'26.188(3)
5J.クロスノフ     #39 サードスープラGT              1'26.262(3)
6長谷見昌弘        #3 ユニシアジェックススカイライン  1'26.514(2)
GT2クラス
1竹内浩典/松本晴彦    *7 RE雨宮 SuperG RX7    1'30.762(2)
2牧口規雄/木下隆之      *72 WAKO'S BMW M3         1'31.670(2)
3池谷勝則/袖山誠一      *31 ナインテンGatoradeポルシェ      1'32.945(2)
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.5 SPORTSLAND SUGO
GTインサイド・レポート            No.  2        1995/ 9/  9 FMOTOR4版
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4.*7 RE雨宮SuperG RX7
 金曜日の練習走行で1分30秒台という(GT2クラスとしては)驚異的なタイムを
雨宮RX7はたたき出すことに成功した。「となり(牧口BMW)も来てるで
しょ? 31秒台? あっちは富士スピードウェイでもストレート速かったから」と
雨宮代表は慎重だが、松本晴彦は「先週テストをして、セッティングなども決まっ
てきています。50kgのハンデですか? 乗り比べれば違うんでしょうけど、最初か
ら積んでいるとあまりわからないですね。シリーズチャンピオンは、とりあえず表
彰台の真ん中に上がらないと権利ないですからね。ねらっていきますよ。決勝で31
秒から32秒のタイムでいければぶっちぎれると思います」とかなり自信ありげな様
子だった。相棒の竹内浩典も「コーナーリング中が速いんです。最終コーナーの飛
び込みとかはGT1クラスよりも速いです。今日は温度が結構高くなっちゃったか
らこれくらいですけど、明日の予選では1分29秒台に入れると思います。決勝は32
~33くらいのペースですね。タイヤも太い295サイズをテストでは使ったんですが、
このマシンにはオーバーサイズです。ホイールが5穴なんですけど、リアの2本は
1回交換しなければならないかもしれません。うちは今回勝つことがチャンピオン
の条件ですから、勝ってMINEにつなげます」と語った。
5.*72 WAKO’S BMW M3
 富士で優勝し、GT2クラスチャンピオンの芽も出てきたM3だが、牧口代表
は「今回はパッとしないね」と、ちょっと控えめなコメント。「上りが多いから
パワーが足りないのかもしれないね。木下選手が31秒台を出しているけれど、レー
スでは33秒台でしょう。パワステをつけたいんだけど、レース間隔が詰まっている
ので時間がない。テストも必要だしね。今年は富士でひとつ勝たしてもらったか
ら、これ以上は欲をかかないでいきますよ」 宮内マネージャーも「パワステは、
ロードカーのものとは違って結構難しいんです。今年は諦めなければなりません。
雨宮さんが50kg積んでいますけどうちも40kg重りを積んでいますから、条件は一緒
ですよ。チャンピオン? 難しいなあ~」と語っている。
6.#36 トヨタ カストロール スープラ
 大胆なノーズをトムスは採用してきたが、「これですか? フロントのオーバー
フェンダーとノーズバンパーを空力的につなげるためです。ダウンフォースを得る
ためではありません。うちは、今回も決勝レースで持続出来るタイムを想定して
走ってますから、よそが速くても関係ありません。これまでもスタートは10位以下
でも、1時間後にはトップ争いが出来るところに付けているでしょ。それにどんな
にエントリーが多くても、1回はピットストップをしなければなりませんから、後
ろからの追い上げでも問題ありません」と伊藤チーフエンジニアは自信を持って
セッティングを行っている。
7.#88レインXタムラ ディアブロ
 寺井輝昭監督が、GTC第4戦後の8月19日に死去するという悲しみを味わっ
たKENWOLF with TERAI Engineeringのディアブロ イオタは、チームの努力によって
今回もV12の快音を響かせて1分27秒台をコンスタントに記録して元気に走り回っ
ている。今回からは特徴的なはね上げドアのヒンジを造り直してホイールハウス内
に余裕を設け、その分フロントの車高を下げ、電動のパワーステアリングまで装備
している。(残念ながらパワステは明日の予選からテスト)
 我々に大きな夢を与えてくれた故寺井輝昭氏は、カウンタック以来、ランボル
ギーニGTプロジェクトを推進してきた立て役者であり、彼の努力なしにはこのプ
ロジェクトは実現しませんでした。輝昭氏は昨年12月に胃癌の手術を行い、完治し
たと思われていましたが、今年5月に再発、入退院を繰り返しながらも、来年のル
マン プロジェクトのためにイタリアのランボルギーニ本社を訪れる等精力的に活動
を行っていました。改良型ディアブロがデビューしたGTC第3戦仙台ハイランド
の翌日から再び入院して闘病生活を送っていました。そのためGTC第4戦
FUJIでトップクラスのタイムを叩きだしたディアブロの雄姿を見ることなく、
息を引き取りました。ディアブロをレースの世界でもトップクラスに仕立て上げた
のは、すべて彼の功績であります。謹んでご冥福をお祈りします。
GTアソシエイション事務局
                       インサイドレポート担当
                       古屋 知幸 = MGG01235=


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