全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.4/1

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.4 FUJI SPEEDWAY
GTインサイド・レポート            No.  1         1995/ 8/ 12 FMOTOR4版
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1. 史上最大の作戦
'95GTCのターニングポイントでもある今回のGTC rd4富士スピードウェイ
に、何と42台ものGTマシンがエントリーすることが確実となった。
 期待のR33“スーパーGTR”は、初登場の4WDバージョンを都平健二が持ち
込むため5台に増強される。昨年のランキング3位のRS中春は、新たに製作した
4WDのR32で今年初参加することとなった。マシンの製作が間に合わない場合は、
昨年、鈴木利男がドライブした“完成された”FRのR32を持ち込むということで
あり、ダークホースとなることは間違いない。
 5月に富士スピードウェイで行われたGTC Rd2でその高速性能を見せつけて優
勝したポルシェ993GT2は、何と大量“6台”の大編隊を組んで富士スピードウェ
イに来襲する。
 ポルシェは993GT2の足回りの改良作業を全力で行っており、タイヤに優しいポ
ルシェが富士スピードウェイでは見られることだろう。注目はあのチーム タイサン
が3台目の993GT2を投入することであり、このマシンには、ドライバーの松田秀
士がインディ500に参戦した時のファイアストーンが縁でブリヂストンタイヤが組み
合わせられる。
 320km/h以上の最高速を持ちながらも、マシンの開発のために5月のGTC Rd2富
士スピードウェイをパスしなければならなかったランボルギーニ ディアブロも順調
な仕上がりを見せている他、5月の時は予選で2位のポジションを獲得しながら、些
細なトラブルでレースを失ったフェラーリF40も、いつものチーム タイサンのフェ
ラーリコンビによって参戦することが決定した。
2.GT2クラスは、RX7とBMW M3の一騎討ちにポルシェ993RSRが乱入!
 RX7とBMW M3の激しい闘いが続いているGT2クラスは、ポルシェの
ニューマシン993RSR3.8の登場で戦国時代を迎えることとなりそうだ。
 この993RSRは、F1の前座で行われているポルシェ スーパーカップ用のマシ
ンをベースとするもので、最低2台、間に合えば3台が富士スピードウェイにやっ
てくる。
 1台は、旧型のHR31スカイラインで闘いながらもGT2クラスのポイントリー
ダーの地位にある外国屋が走らせるため、彼らは80kgものウエイトハンデから解放
されることとなった。十勝24時間でクラス優勝を964RSで勝ち取った池谷勝則は、
いち早く993RSRのシェイクダウンを実施して“良い”感触をつかんでいるよう
だ。
 牧口エンジニアリングのDTM仕様M3は、ボディが小さいことから幅の狭
い(230)タイヤをこれまで使っていたが、今回からは一回り太い245mm幅のタイヤが
間に合うため、操縦性が大幅に向上することだろう。GTC仙台ハイランドで優勝
したRE雨宮のFD3S型RX7は、熱対策を重点的に行っている。チーム タイ
サンは(6台目のタイサンGTマシン!!)、新たに(シュニツァーによってチャンピ
オンに輝いた)E30型M3にオーバーフェンダーを取り付けて18インチタイヤの装
着を可能としたフルGTスペックのマシンを投入してくる。
 GT2クラスも戦国時代を迎えたようだ。
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                   Rd.4 FUJI SPEEDWAY
GTインサイド・レポート            No.  2        1995/ 8/ 12 FMOTOR4版
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3.“43台目”のGTCチャレンジャー登場
 かつてないほどの異常人気によって42台のエントラントを集めている今週末の'95
GTC第4戦『JAPAN SPECIAL GT CUP』に新たな挑戦者が現れ
た。43番目のチャレンジャーは、チーム国光から昨年M.マルティニが操っていたポ
ルシェ911RSR3.8と共にGTデビューを果たす道上龍である。
4.GTC第4戦 直前テスト情報
 6月25日の'95GTC第3戦仙台ハイランドが終了した直後から、今週末のGTC
富士スピードウェイのために各チームは綿密な準備を始め、7月の終わり頃から行
われたテストでは好タイムが続出している。7月26~27日にはスカイラインとスー
プラが、富士スピードウェイとSUGO(GTC第5戦をも睨んで)に分かれてテス
トを行い、富士スピードウェイではニスモが1分33秒9までタイムを詰めた。SU
GOに乗り込んだセルモとSARDの2台のスープラ勢は、気温36度C 路面温度
50゚C以上という過酷な状態の中でSARDが1分26秒フラットの好タイムを記録し
ている。7月31日には、トムス スープラ、タイサン ポルシェ、JUNスカイライ
ンが富士スピードウェイでテストを行い、トムスが1分34秒台を記録している。タ
イサンは日本に到着したばかりの3台目の993GT2のシェイクダウンを行い、1分
35秒台を記録している。JUNのオリジナル スカイラインも1分35秒台までタイム
をアップさせた。8月4日と7日にはマツダコレクション ポルシェがテストを行
い、彼らも1分35秒台に乗せてきた。
5.8月10日富士スピードウェイ テスト最新情報
 7月後半のテストの結果を踏まえて、GTC富士スピードウェイの最終テストが
今日行われた。今日はF3000のタイヤテストも間に行われていたため、GTCと
F3000の両方に参戦しているドライバー達にとっては、過酷な8時間耐久テストで
もあった。午前中に行われた1回目のセッションでは、エンジンやミッションの
セッティング、さらには新たに積み替えたエンジンの慣らし走行を行うマシンも
あったが、7月末にもテストを行って好タイムを記録している#36 トムスの出し
た1分34秒台前半のタイムがトップであった。午後に行われた2回目のセッション
では各チームとも積極的なテストが始まり、スカイライン勢では、午後から走り始
めた#3 長谷見昌弘のR33がコンスタントに1分34秒前後の安定したタイムを記
録して、好調ぶりをアピールした。ポルシェ993GT2は、#5マツダコレクショ
ンがタイヤも含めてロングランテストを行っていたため、1分34秒を切った田嶋
栄一の#30 綜合警備がトップであった。ベストタイムは、やはりE.コマスの
#38 セルモのスープラであった。「体調は良好。マシンはリア不安定。フロント
を決めるとリアが苦しくなる。そのセッティングに務めているところ」とE.コマ
スは言いながら1分33秒5を叩き出してしまった。注目されたのは、テストでも好
調であった#19 JUNスカイラインである。4気筒のエンジンも含めて、ロール
バー以外はすべて独自に開発したマシンでありながら1分34秒台に乗せてきた。昨
年のゼクセル スカイラインを走らせるRS中春と共にダークホースとなることは
間違いない。
GTアソシエイション事務局
                       インサイドレポート担当
                       古屋 知幸 = MGG01235=


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