全日本F3000

F3000決勝ノート

 昨日とはうってかわった晴天の中、F3000ファイナルの幕は切って落とされ、
2周めの1コーナーでポールのチーバーをかわしたダニエルソンがそのまま逃げき
り、今季初優勝を遂げた。
 気温22度、路面温度24度という絶好のレース観戦日和となった決勝当日、定刻
の1時30分にグリーンライトが点灯した。
 1コーナー争いは、アウト側ポールの25番チーバーがホイールスピンで出遅れたの
を見た61番ダニエルソンがイン側から並びかけるが、わずかに届かずチーバーがホー
ルショットを奪った。3位以下は、21番ラッツェンバーガー、20番スコット、11番
アーバインと続く。
 しかし2周目のメインストレートでチーバーはあっさりとダニエルソンにかわされ
てしまい、2位に転落してしまった。3番手争いもステラ同士の21番ラッツェンバー
ガーと20番スコットが1コーナーで激しく交錯し、スコットが見事3位の座を奪っ
た。スコットはその勢いを保ったまま、ヘアピンでは2番手のチーバーにブレーキン
グで激しく詰め寄る。
 3周目、ダニエルソンとチーバーの間隔は早くも1秒以上も広がり、なおもその間
隔広がって行くようだ。スコットにかわされたラッツェンバーガーは、気落ちしたの
かこの1コーナーで11番アーバインにもかわされてしまう。ここで国際F3000帰
り2戦目で期待された30番野田が1コーナーでスピン。そのままタイヤバリアに突っ
込んでしまった。
 4周目、1位と2位の間は2秒に広がっている。この時点で日本人最高位8番手
だった36番関谷が1番マルティニを1コーナーでかわし7番手に上がった。
 5周目、1位・2位間は3秒になった。前の周で7位に上がった関谷は6番手の10
番フレンツェンに激しく詰め寄り、1コーナーではアウト側から並びかけるが、わず
かに届かない。この時点の順位は61番ダニエルソン、25番チーバー、20番スコット、
11番アーバイン、21番ラッツェンバーガー、10番フレンツェン、36番関谷、28番カー
カッシ。注目の19番星野は88番中谷を責めあぐね、11位に沈んだままだ。
 6周目、1位・2位間は5秒となる。2位・3位間は2秒。しかしこの間隔は確実
に詰まりつつあるようだ。6番手争いが激しくなり、フレンツェン・関谷・マルティ
ニ・カーカッシが団子状態で走行する。しかしスプーンで関谷・マルティニが争った
挙げ句にもたつくところをすかさずカーカッシが見事にジャンプアップを果たし、関
谷・マルティニをかわして9位から7位に。
 7周目、依然6番手争いはフレンツェン・カーカッシの2台のし烈な駆け引きに
よって競われている。関谷・マルティニはわずかに遅れてこれに続く。
 8周目、1位・2位間は6.8秒に。ここで1星野がヘアピン進入で中谷に強引に仕掛
けようとブレーキングを遅らせたが、痛恨のスピンを記してしまい、コース外側の
セーフティーゾーンにはみ出してしまう。これで左フロントウィングを破損してし
まった星野はそのままピットイン。フロントノーズを交換後、ピットアウトした。
 10周目、激しく6位争いをしていたフレンツェン・カーカッシだったが、1コー
ナーでアウトからカーカッシが強引にかぶせた。たまらずフレンツェンは後ろに引
き、順位を下げてしまった。これでカーカッシが6位となった。ここでF1を2戦
戦ってきた77番鈴木がスローダウン後ストップ。残念ながらリタイヤとなってしまっ
た。この時点の順位は、61番ダニエルソン、25番チーバー、20番スコット、10番アー
バイン、21番ラッツェンバーガー、28番カーカッシ、10番フレンツェン、36番関谷、
1番マルティニ。
 11周目、1位と2位の間は10秒。しかし2番手争いがし烈になり始めた。チーバー
にスコット、アーバインが迫り始めたのだ。ここで19番星野のエンジン音がばらつき
始めそのままピットイン。ドライバーはコックピットを離れてしまった。
 15周目、アーバインのタイムが落ちたために、後ろのラッツェンバーガー、カー
カッシの間隔も詰まってきていたが、ついに1コーナーでカーカッシがラッツェン
バーガーのインに飛び込み、これをかわして5番手の座を手に入れた。
 18周目、しばらくは激しいバトルをせずに走行しつづけていたドライバー達だが、
フレンツェンにじわじわと近づいていた関谷が1コーナーで一気にアウトからかわし
にかかった。しかしフレンツェンも譲らず、2台は並んだまま1コーナーをクリア。
しかしその出口で関谷は縁石に乗り上げてしまい、たまらずスピン・コースアウト。
残念ながらそのままリタイヤになった。
 20周目、トップ集団は間隔を開けての走行。この時点での順位は、61番ダニエルソ
ン、25番チーバー、20番スコット、11番アーバイン、28番カーカッシ、21番ラッツェ
ンバーガー、10番フレンツェン、1番マルティニ、98番服部、3番金石。
 26周目、序盤責めるレースによってタイヤを酷使していたカーカッシのタイムがこ
こに来て落ち始めた。またこの数周ラッツェンバーガーに迫っていたフレンツェン
だったがここでかわして6番手の順位を手に入れた。その周、ラッツェンバーガーは
マルティニにもかわされてしまい、一気に8番手まで順位を下げてしまった。
 27周目、カーカッシに押さえられた集団は、フレンツェン、マルティニ、ラッツェ
ンバーガーの4台となった。ここで20番スコットが1分49秒218のファステストタイ
ムを記録。2位のチーバーに迫る。
 28周目、激しく争う5番手争いは1コーナーでフレンツェンがアウトからインの
カーカッシを脅かす。1コーナー入り口ではフレンツェンはカーカッシを抜いたが、
わずかにブレーキングで姿勢が乱れ、この隙にカーカッシに再度抜きかえされてしま
う。4台の5番手争いに9番手を単独走行していた98番服部も追い付いた。
 29周目、マルティニとラッツェンバーガーが争っている隙を見つけた服部はこの2
台を一気に抜いて戻ってきた。またこの集団に追い付いた3番金石もS字でラッツェ
ンバーガーを抜いて9位に上がった。
 30周目、ヘアピンで服部のアウトから仕掛けたマルティニはまんまと7位になっ
た。しかし服部もあきらめず、スプーンで仕掛けた。ついにマルティニと服部は接
触。マルティニはコースアウトしてしまい、レースを終える事になってしまった。服
部もこのとばっちりで順位を下げる。この時点の順位は、61番ダニエルソン、25番
チーバー、20番スコット、11番アーバイン、28番カーカッシ、10番フレンツェン、
3番金石、21番ラッツェンバーガー、98番服部。
 33周目、激しかった5番手争いだったが、ついにシケインでカーカッシがコースア
ウト。フレンツェンが5番手の順位を手に入れた。しかしフレンツェンもコースアウ
トしており、1コーナーの進入では砂の影響からか姿勢を大きく乱している。
 このままの順位でレースはフィニッシュとなった。しかし最終周、シケインでカー
カッシに中谷が絡み、中谷はマシンが横転。カーカッシは左足に怪我をして救急車に
運ばれる事になってしまった。
 激しいレースは終わった。チーバーが2位、アーバインが4位となったため、リタ
イヤした星野が首の皮一枚で今シーズンチャンピオンの座を手に入れる事になった。
         レポート:山川 順治/PEE00630
 レポートは自身のメモとピットFMを元に作成しました。
 順位など違っている部分がありましたら、お許しください。


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