1991年9月30日 -1991年全日本F3000選手権シリーズ第9戦- 91ミリオンカードカップレースROUND3鈴鹿 会心のスタートで今季2勝目を獲得 --------------------------------------- 富士スピードウエイで開催予定でありながら台風で延期となった第8戦の決勝レース は、11月30日(土)に行われることが決定。その際のスターティンググリッドは、 すでに行われた予選結果の順となる。富士で予選トップタイムの感触をつかんでいた2 5番ロス・チーバーは、第9戦のここ鈴鹿でも、そのコンディションを保ち臨んだので あった。 [9月28日:予選]台風19号が夜のうちに通過し、鈴鹿は台風一過の晴れとなっ た。コースコンディションはドライ、風はやや強くストレートで追い風となっている。 今回予選A組で出走となったロス・チーバーは、まず1回目の予選で他のドライバーの タイムアタックの様子をじっくり確認後、おもむろにコースイン。1分47秒833の ベストタイムを出した。その落ちついた態度には、この予選に対する余裕が感じられた 。しかし、続く予選B組で出走の片山右京選手がチーバーのタイムを上回る1分46秒 398のタイムを出したのであった。午後、2回目の予選で2セット目のタイヤを使っ たチーバーは、午前中の自己タイムを縮める1分46秒655を記録したたが、わずか に片山選手に及ばなかった。「シケインでシフトミスがなければ45秒台は出た」とピ ットに戻るなり悔しさを隠せなかった。ポールポジションは逃すことにはなったが、そ の後予選終了までA組トップの座を譲ることなくフロントローのスターティンググリッ ドからの決勝レースを迎えることになった。 [9月29日:決勝]朝のフリー走行ではベストラップタイム1分50秒265と、 13番手に止まったロス・チーバー。決勝レースへ向けてのセッティングをトライした が、満足すべき結果が得られなかった。そして、レーススタート前に設けられたわずか な時間のウォーミングアップ走行で、リヤウイングのフラップを1ノッチ下げ、たスト レート重視のセッティングで決勝に臨む決断を下した。朝は「満タン時は辛いので10 周を過ぎてから追いかけるよ」とチーバー。しかし、セッティングが最後まで決まらな い苛立ちが、スタート時にポールポジションの片山選手を抜くことに最大の狙いへつな がった。満を持して臨んだそのスタートで、中谷選手と接触しながらも片山選手を抜き 、トップに立ったのである。一時はテール・トゥ・ノーズの状況まで片山選手が迫って きたが、チーバーは終始トップのポジションを守り抜き、今期勝目を挙げたのであった 。これでシリーズポイントでも4位に上がったのである。 ドライバー&チーム監督コメント ●ドライバー/ロス・チーバー(Ross Cheever) クリーンスタートをきることができた。コーナリングでのマシンバランスは今ひとつ だったけれど、ストレート重視のセッティングが効果を発揮した。トップに立ってから は、菅生の時のように自分の気持ちをコントロールし、クールに走ることを心掛けた。 決してやさしいレースではなかったけれど、メカニック達とセッティングを積み重ねて きた甲斐があって嬉しい。 ●チーム監督/本間 勝久(Katsuhisa Honma) 片山選手とはセッティングの違いで、向こうはコーナー重視で、こちらはストレート 重視ということで、レース展開がどうなっていくのかとヒヤヒヤしました。ストレート 重視のセッティングは、実際にレースを走るドライバーの判断に任せました。富士での セッティングはかなり良い感触が得られていたのですが、鈴鹿についてはまだ不安な部 分もあったので、これで鈴鹿のセッティングも方向性を見いだすことができました。残 りのレースは、鈴鹿と富士の2ヶ所だけとなるので、今回同様、良い結果が残せるよう に頑張りたいと思います。 レースデーター ●開催日/9月28日(予選)~29日(決勝) ●開催地/鈴鹿サーキット(三重県):1周5.86403㎞ ●主催者/株式会社鈴鹿サーキットランド、SMSC ●観客数/予選日:11,000人/決勝日:48,000人 ●天 候/予選日:晴れ、気温27℃/決勝日:曇り、気温23℃ --------------------------------------- 提 供 プロミス&レイナードレーシング事務局 ---------------------------------------