全日本F3000選手権第9戦(鈴鹿サーキット) 予選リポート 1991年 9月29日 キャビン・レーシングチーム 事務局 片山右京、鈴鹿で3連続ポール奪取 星野一義 カーナンバー 1 1分48秒072 予選A組3位 片山右京 カーナンバー 3 1分46秒398 予選B組1位 (ポールポジション) ●マシン 片山は、今回初めて新しいローラT91-50/DFVを実戦に投入した。フロン ト翼端板に独自デザインのボルテックス・ジェネレーターを装備する他は、ほぼオリ ジナルデザインである。星野は、従来通りローラT90-50/無限を使用する。 ●記録 星野一義:トップフォーミュラ117レース目。今季第7戦で通算36勝目を挙げ、 37勝目を狙う。現在24ポイントでシリーズ第2位。 片山右京:トップフォーミュラ33レース目。通算2勝。現在28ポイントでシリ ーズ・ポイントリーダー。今季3回目のポールポジション。 (注)決勝延期の第8戦は記録に含まない。 ●予選 台風19号が通過した鈴鹿サーキットは雲の流れが早かったものの、ドライ・コン ディションに恵まれた。予選A組第1回目の星野は、セッション開始後15分、1セ ット目の予選タイヤを装着してタイムアタック。1分48秒072を記録してA組の 首位に立った。 その後星野はピットで待機していたが、チーバー選手が星野のタイムを更新したの を確かめて2セット目の予選タイヤを装着して再タイムアタックにかかった。記録は 1分47秒484と、チーバー選手を逆転するものだった。しかし、星野が計測ライ ンを通過する直前にコース上で発生したアクシデントのため赤旗が提示され、星野の 2回目のタイムは無効となってしまった。 B組の片山はセッションが始まるやタイムアタックにかかり、1分46秒887を 記録して首位に立つ。このタイムは中谷選手に一旦逆転されるが、その後右京は2セ ット目の予選用タイヤを用いて再度タイムアタック。1分46秒398を記録して再 び首位を奪い返した。 午後のセッションで、星野は午前中に使用したタイヤを用いて記録更新を期したが、 1コーナーで遅いマシンにひっかかってタイムアップに失敗。逆に小河選手が記録更 新を果たして星野は不運にもA組3位へと後退せざるをえなかった。一方片山は、星 野同様午前中に使用したタイヤを用いてコースインするが、3周を走行しただけで早 々にセッションを打ち切った。 星野一義:前回富士での決勝は雨で流れてしまうし、今回は予選に失敗するし、この ところどうもついてないね。午前中の2回目のアタックが無効になったのは納得いか ないよ。あれはセーフだと今でも思っている。タイヤを2セットとも午前中に投入し て賭けていたから、あれは痛いよ。午後は、一度使ったタイヤでもタイムアップをす る自信があったんだけど、1コーナーで前のクルマにひっかかってしまったんだ。決 勝レースは今シーズンを占う重要な意味を持つ。とにかく勝負かけなきゃいけないな。 片山右京:けして納得いく走りではなかったんですが、結果的にポールが取れて嬉し いです。スプーンの路面があまりよくなかったこともあって、滑らせすぎてしまいま した。テストのときにはうまくいっていたんですが、今日はタイヤを消耗させすぎて しまった。それで普通のタイムしかでませんでした。今回から91に切り替えるわけ ですが、まだ91は勝利を記録していない車体ですよね。だから不安はあるんだけれ ど、チームを信頼して戦います。決勝レースでは天気も良くなって路面温度も上がる でしょうから、タイヤの消耗に気をつけて、うまくペース配分しなければいけないで しょう。ロスのペースに乗せられたらまずいな、と考えています。 なお、併催の全日本F3選手権第10戦に、キャビン・レーシングチームより出場の 金石勝智は、公式予選で予選B組首位の2分5秒205を記録、フロントローより決 勝に臨むこととなった。金石の目標は、F3選手権における初優勝である。 提供:キャビン・レーシングチーム事務局