JSPC

JSPC:タイサンチーム不出走理由書

               不出走理由書
 当チームは、1983年より全日本耐久選手権シリーズに通算42戦出場してまい
りました。
 それだけに、国内の事情に精通していると自負しております。この日本を代表する
大きなイベントでありながら、参加者のスポーツマンシップ、モラル及び主催者の、
審判団の一部にも公平さを欠く面も見られ、特に今回はその運営に疑問をいだいてお
ります。
 従いまして、今後、競技の安全性、正当性等に改善が見込まれるまで、参加を取り
止めたいと考えております。
                 理由
・スポーツマンシップを欠く危険なドライバーの行為
 その事後処理にかかわるドライバー、チーム間の信頼関係と、その審議について
 ’91年全日本耐久選手権シリーズ第2戦5月5日に行われたFUJI1000kmレースに
おいて、当チームCAR No.2は、152周回目2位で300R高速右コーナーを5速に
て走行中に後続車に左後方よりPUSHされ、車両はリアカウルを上空に飛ばされ、コン
トロールを失い右コースへスピンはじき出され、コースを何度も横転しながらガード
レールに激突し飛び越え樹木に着樹して止まる大事故となった。幸いドライバーは打
撲傷と二三の裂傷で済んだ。
 本来、このような行為については、チーム間でまず話し合い、解決すべき事柄であ
り、私は当方ドライバーと第三者の証言で「追突された」との確信を得、後続車チー
ムへ行き話し合いを申し入れたが、応じられなかった。また、審査委員長に、後続車
のこの危険な行為に対しての抗議文を提出するとともに危険行為の審査請求をしたが、
次の理由で却下された。
 (1)審査委員会の事情聴取に対し、後続車のドライバーは「CAR No.2に接触して
    いない。
 (2)後続車に接触した形跡はないと審査委員会が検証した。
 (3)CAR No.2は、2ラインの正常な姿勢でダートに入っている。
 (4)CAR No.2の当該ドライバーより事情聴取できない。
しかしながら、レース中および後の当方の調査では、
(1)後続車ドライバーは交代後、第三者に「接触した」と言い、チーム監督は
   レース5日後の電話で「ドーンとは当たらなかった。接触したかもしれない。
   とドライバーは審査委員会に証言した。」と口述を二転三転し審査委員会への
   証言と異なる。
(2)審査委員会が調査したフロントカウルは接触後のピットン時に交換後のもので
   事故当時のものは右フロントカウルに接触した形跡があり、またコース上にあっ
   たCAR No.2のリアカウル左の接触跡を確認すらしていない。(写真1.2)
(3)コース上のタイヤ跡より明確に判断できるように、車両は3、4ラインのスピ
ン状態でダートに入っており、後日のテレビ放映の中でも、まず、CAR No.2の
リアカウルが後方より追突され真上に舞い上がり、リアカウルを失った車両が
スピン状態でダートへ入っているのがタイヤ跡により判明できる。
(4)当方のドライバーは、胸部を打撲し、コース上を何度も横転しており東京の病
院へかかりたいとの本人の希望により事務局に断りレース場を後にした。そし
て翌々日(翌日は祭日)48時間以内の規定のもとにJAF審査委員会への口
述書と共に直接出頭し充分に説明し離日した。
   当方のドライバーのJAF審査委員会への口述書の如く、当方車両が、右コー
ナーを全開で走行中、アウト側より抜きにかかった後続車がコースアウト側の
荒れた状態より追い越し不可能と見て進路を変えた際に、CAR No.2に左リアよ
り追突した時点で起こった事故であり、明らかに後続ドライバーのミスである
と当方では考える。
   競技会の原則から見て、当然接触は起こりえるものであるが、富士の300R
高速コーナーでの接触がいかに危険なものであるか、また、当然TOP SPEEDの異
なる2車であるのでストレートで容易に追い越しが出来る状況からしても、後
続車ドライバーのミス判断、そして追突の責任は重い。
更に、接触があったにも拘らず、審査委員会に対し「接触がなかった」と証言
し、またチームも「カウルに接触跡はなかった」と形跡のあるカウルを隠した
り、後日それを二転三転する口述をしたり、レース後2ヶ月以上経た今現在ま
で謝罪の一つの言葉すら無い。ドライバー、チーム共々、スポーツマンシップ
に欠け、また、審査委員会としては日本を代表する本選手権シリーズにふさわ
しいモラルをドライバー、チームへ指導すべきではないか、また、一方的な審
査と公正を欠く事情聴取の調査方法に抗議し、今後同一競技を共に行える信頼
関係にないと考え、ここに今レースへの出走を断念いたします。
       1991年7月20日
                株式会社 タイサン インターナショナル


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