Japanese F3

SKILL SPEED F3 REPORT11/09



☆☆☆ SKILL SPEED  F3 REPORT ☆☆☆

****全日本F3選手権第10戦****
決勝レース
場所:鈴鹿サーキット/三重県
日時:11月09日  天候:晴れ(路面/ドライ)

伊藤大輔、
ついにポールtoウィンで、
表彰台の真ん中に立つ!

まさに会心のスタートだった。これまでお届けしてきたレポートにあるとお
り、このスタートこそが伊藤大輔にとっての鬼門であった。スタートの瞬間に
すべてを失うか、逆にこのスタートを決めることさえできれば、伊藤に追随で
きるドライバーはいないと信じていた。
極度のプレッシャーが彼を襲ったのはいつも通りのことだが、そのプレッシャ
ーを闘志に変換させて、伊藤は文句なしのホールショットを奪った。伊藤にと
って次の課題は、最後のラップまで全力を尽くすことだった。2番手の立川選
手との間隔を計るようなレースはF3ドライバーにしてほしくないというチー
ムの気持ちから、今日のコンディションを考え、2分01秒台で走るように指示
が出された。約束通り、伊藤は序盤から圧倒的なペースで2番手との差を広げ
ていった。こうなると、たとえ17周のスプリントといえども、ロングディスタ
ンス戦を戦っているように長く感じてしまうものだ。チーフメカニックの長江
はどこかナットがゆるんでしまわないかと気をもむ。エンジンチューナーの戸
田レーシングのスタッフも同じような思いだ。しかし、そんな心配をよそに、
伊藤は差をよせつけない走りを見せながら最終ラップに突入。最後のシケイン
を無事通過し、メインストレートに姿を現した。その瞬間スキルスピードはピ
ットウォールに総出で出迎える。チェッカーを受けた伊藤は、力強いガッツポ
ーズでスタッフの前を通過した。パークフェルメに戻り、マシンから降りる
と、あっという間に人の波に飲み込まれた。これまでその速さだけは証明して
いたが、どうしても結果に残すことができず、伊藤もスタッフも苦悩し続けた
一年であったが、土壇場の一発で強さも証明することができた。


伊藤大輔のコメント
「すごく嬉しい!!プレッシャーはありましたが、今日はいつもより落ちつい
てスタートを決めることができました。その後はとにかく前だけを見て全力で
走りました。マシンは完璧、最高の状態でした。
これまで僕のせいでレースを何回も落としていたから、なんとかこの最後のレ
ースでチームの力を証明したかったんです。だから、前だけを見て全力で走り
ました。本当に本当に嬉しい。チームスタッフ、エンジンチューナーの戸田レ
ーシング、そしてホンダ・・・、すべての方々に感謝の気持ちを送ります。も
っと速く、もっと強く、来年もがんばります。」

百田義弘テクニカルディレクターのコメント
「最高のパフォーマンスを見せてくれました。公約通り、今年中にこのルーキ
ーを優勝させるということが実現できてほっとしています。ホンダをはじめ数
多くの方々のご協力があって、なんとか一年間走り切ることができました。本
当にありがとうございました。」

深尾栄一チームディレクター
「今年展開してきた様々なことの集大成となるような、完璧なレースができて
とても嬉しい。伊藤も今年たくさんのことを経験し、大きくなったと思いま
す。また、常にシビアな状況の中でへこたれずがんばったスタッフ達を埃に思
います。今年一年間お世話になった方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。本
当にありがとうございました。」

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      1997年全日本F3選手権シリーズ第10戦 鈴鹿サーキット
                          決勝レース正式結果表                        
1997.09.07 天候 : 晴れ       コース状況 : ドライ         
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位車番ドライバー         車     名                所要時間/トップ差 ベストラップ 
-----------------------------------------------------------------------------  
 1 77 伊藤 大輔 (J)      SEVモデューロ無限ホンダ        34'37.403  2'01.169
 2  2 立川 祐路 (J)      ライアン TODA無限                  4.556  2'01.450
 3  8 舘 信吾 (J)        TOM'S F397                        25.964  2'03.122
 4  4 ミカエル サンタビルタ (SF)  MONTANAダラーラ 三菱              26.642  2'03.080
 5 33 リスト ヴィルタネン        5ZIGEN・DALLARA                   27.990  2'03.002
 6 16 土屋 武士 (J)      阪急交通社カリスマラリーアート    29.233  2'03.144
 7  9 清水 剛 (J)        Three Bond GO                     31.173  2'02.956
 8 18 平野 功 (J)        イエローハット397ラム&トス        41.328  2'03.508 
 9 65 山口 大陸 (J)      SRS-FスカラシップF3               46.203  2'03.532
10 39 中嶋 廣高 (J)      KDSダラーラ トリイトヨタ          50.162  2'04.024
11 64 西 翼   (J)     SRS-FスカラシップF3               54.929  2'03.946
12 23 惣田 季晴(J)       キョウエツダラーラ              1'00.638  2'03.927
13 25 長島 正興 (J)      メガネスーパーナンシンF397      1'10.059  2'04.828
14 11 高橋 毅(J)     SUPER NOVA              1LAP    2'03.593
15 19 阪口 良平 (J)      サムテックアキランド夢工房日和    2LAPS   2'05.023

以上 規定周回 完走

16 53 五味 康隆 (J)      芙蓉実業 ダラーラF397             3LAPS   2'03.250
17 38 徳田 照幸 (J)      KDSダラーラ トリイトヨタ          4LAPS   2'03.290

FASTEST LAP: 77 伊藤大輔  2'01.169  3/17  174.22Km/h
以上

               SKILL SPEED F3 TEAM
               深尾栄一


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