☆☆☆ SKILL SPEED F3 REPORT ☆☆☆
****全日本F3選手権第9戦****
公式予選
場所:富士スピードウエイ/静岡県
日時:10月18日 天候:晴れ(路面/ドライ)
伊藤大輔、ポールポジション獲得!!!
「がんばってマシンを直してくれたチームのために、
なんとしても最速マシンであることを証明したかった。」
いよいよシリーズもこれがオーラス。なんとか来年につながる結果を残した
いところだ。レースウイークの前週、チームでは富士スピードウエイにてテス
トを敢行した。スポンサー不足から厳しいシーズンを送っている我々だが、こ
の最後の2戦でなんとしても結果を残したいという意気込みから、1DAYながら
伊藤大輔とともに富士に向かったのである。しかし、そのテストでとんでもな
いハプニングが発生した。富士のメインストレートエンドでスピン状態から横
転するというアクシデントに見舞われてしまったのだ。マシンは大破。使える
のはものコックとほんのわずかなパーツのみ。伊藤がヘルメットを路面にこす
りつけるほどのショックを受けながらも大事に至らなかったのが不幸中の幸い
といえる。精密検査の結果も、多少、横転時に緊張した筋肉が神経を圧迫した
程度と軽度の打撲と診断。翌週に控えたレースへの出走は問題がなかった。
一方、シャシー面では、富士から帰ってきたスタッフは移動日までの6日間
というもの、まさに総出の徹夜状態でマシンの修復作業となった。財政及び人
員的に大きな痛手を負ってしまったが、なんとか走行開始に当たる木曜日の24
時間前に作業は終了した。
木曜日の走行時のポイントは2つ。まずは、きちんとマシンが走るか。この
点に関してはベアリングに少し問題が生じた程度でいつものように快調。そし
て、もう一つ、伊藤の精神的なショックが走りにどうあらわれるかだった。し
かし、それは杞憂に終わった。「最初の数周はさすがにブレーキングポイント
が早めになってしまっていましたが、やはりマシンは完全に直っていた。その
ことがわかったら、いつもとおりに攻めることができた。スタッフは、工場で
は徹夜でマシンを直し、完璧な状態にマシンを仕上げてくれた。なんの心配も
ない。だから今度は、僕ががんばらないといけないんです。」と、木曜日の走
行をトップ3で終えた伊藤とチームは、さらに加速。金曜日の午前と午後の両
セッションをトップでフィニッシュ。特に金曜日午前のセッションでは1分27
秒810というレコードタイムに相当するスーパータイムをマーク。中古タイヤ
でスリップストリームを利用しないでたたき出したこのタイムは、後続を1秒
以上も突き放すものだ。伊藤はそのままの勢いを保ちながら土曜日朝のフリー
走行をもトップでフィニッシュし、午後の予選に臨んだのである。
予選セッションは、フォーミュラ・ニッポンの予選が赤旗の連続となったた
め、スケジュールから40分遅れの午後3時から行われた。富士特有の長いスト
レートにおけるスリップストリーム合戦は、予選でも圧巻だった。いつも通
り、シリーズ上位ランカーが動き出したのはセッションが始まって5分以上経
ってからだった。まず、マークすべきドライバーの中で最初にコースに出てい
ったのが脇坂選手。その5分後に立川選手、コロネル選手と続き、伊藤が出て
いったのは、開始後10分以上経ってからだった。
木曜日からの各セッションの流れ通り、強烈にプレッシャーをかけてきたのが
コロネル選手だった。それまでのトップだった脇坂選手をその座から降ろす1
分28秒705をマーク。伊藤のファーストアタックは、これよりも0.037秒遅れで
ピタリ2番手に上がる。しかし、伊藤はすぐさま28秒393→28秒312と立て続け
にトップタイムを更新し、残り5分の時点でトップ。その差は0.131しかない、
まさに超接近戦となった。
緊張のラスト5分、伊藤はトップの座を守り続け、今季2回目のポールポジシ
ョンの座を手に入れた。管生戦でのポール獲得は、宿敵トム・コロネル選手不
在のものだったが、今回はマッチレースを展開した上でのポール獲得だ。しか
も、コースレコード付きだ。「ここまでは」いうことなしの展開。明日の決勝
は、初めての優勝を露骨に狙う!
伊藤大輔のコメント
「凄くうれしい。富士の予選はスリップストリームをいかに使うかが注目され
ますが、いろいろ考えると自分のリズムを崩しかねないので、単独で出すよう
チームから指示が出ていました。ストレートに戻ってくるたびに順位ボードが
気になって仕方がなかった。明日の決勝も重要だけど、がんばってマシンを直
してくれたチームのためになんとしても最速マシンであることを証明したかっ
たんです。だから、とにかく全開でした。明日は明日で精一杯がんばりま
す。」
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1997年全日本F3選手権シリーズ第9戦 富士スピードウエイ
金曜日参考タイム
1997.10.17 天候 : 晴れ コース状況 : ドライ
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●午前
位車番ドライバー 車 名 ベストタイム
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1 77 伊藤 大輔 (J) SEVモデューロ無限ホンダ 1'27.81
2 7 トム コロネル (NE) TOM'S F397 1'28.95
3 1 脇阪 薫一 (J) ANABUKI 397無限 1'29.22
4 2 立川 祐路 (J) ライアン TODA無限ホンダ 1'29.33
5 6 横山 崇 (J) ANABUKI 396無限 1'29.39
6 16 土屋 武士 (J) 阪急交通社カリスマラリーアート 1'29.41
7 38 徳田 照幸 (J) KDSダラーラ トリイトヨタ 1'29.51
8 33 リスト ヴィルタネン(SF) 5ZIGEN・DALLARA 1'29.54
9 65 山口 大陸 (J) SRS-FスカラシップF3 1'29.68
10 9 清水 剛 (J) Three Bond GO 1'29.83
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●午後
位車番ドライバー 車 名 ベストタイム
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1 77 伊藤 大輔 (J) SEVモデューロ無限ホンダ 1'28.68
2 2 立川 祐路 (J) ライアン TODA無限 1'28.74
3 7 トム コロネル (NE) TOM'S F397 1'28.94
4 38 徳田 照幸 (J) KDSダラーラ トリイトヨタ 1'29.19
5 16 土屋 武士 (J) 阪急交通社カリスマラリーアート 1'29.35
6 1 脇阪 薫一 (J) ANABUKI 397無限 1'29.40
7 8 舘 信吾 (J) TOM'S F397 1'29.54
8 20 加藤 寛規 (J) ステラwithパル F397 1'29.60
9 32 密山 祥吾 (J) BP・オートスポーツ・F397 1'29.67
10 6 横山 崇 (J) ANABUKI 396無限 1'29.78
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1997年全日本F3選手権シリーズ第9戦 富士スピードウエイ
公式練習
1997.10.18 天候 : 晴れ コース状況 : ドライ
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位車番ドライバー 車 名 ベストタイム
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1 77 伊藤 大輔 (J) SEVモデューロ無限ホンダ 1'28.442
2 7 トム コロネル (NE) TOM'S F397 1'28.524
3 2 立川 祐路 (J) ライアン TODA無限 1'29.007
4 33 リスト ヴィルタネン 5ZIGEN・DALLARA 1'29.167
5 8 舘 信吾 (J) TOM'S F397 1'29.409
6 1 脇阪 薫一 (J) ANABUKI 397無限 1'29.419
7 9 清水 剛 (J) Three Bond GO 1'29.619
8 16 土屋 武士 (J) 阪急交通社カリスマラリーアート 1'29.751
9 4 ミカエル サンタビルタ (SF) MONTANAダラーラ 三菱 1'29.958
10 53 五味 康隆 (J) 芙蓉実業 ダラーラF397 1'29.959
11 18 平野 功 (J) イエローハット397ラム&トス 1'30.015
12 20 加藤 寛規 (J) ステラwithパル F397 1'30.028
13 65 山口 大陸 (J) SRS-FスカラシップF3 1'30.034
14 38 徳田 照幸 (J) KDSダラーラ トリイトヨタ 1'30.164
15 39 中嶋 廣高 (J) KDSダラーラ トリイトヨタ 1'30.420
16 32 密山 祥吾 (J) BP・オートスポーツ・F397 1'30.430
17 25 長島 正興 (J) メガネスーパーナンシンF397 1'30.582
18 13 海老原 茂樹 (J) TOMEI SPORT OPEL 1'31.115
19 11 高橋 毅(J) SUPER NOVA 1'31.145
20 37 本庄 康幸(J) KDSキョウエツダラーラ 1'31.174
21 6 横山 崇 (J) ANABUKI 396無限 1'31.461
22 22 山本 茂(J) タクルタートルF395 1'32.441
5 内山 清史(J) NIHON KIZAI F397 出走せず
14 セバスチャン マルティノ (RA) TOMEI SPORT OPEL 出走せず
15 藤原 靖久 (J) TOMEI SPORT OPEL 出走せず
17 河野 尚裕 (J) ライアン TODA無限 出走せず
64 西 翼 (J) SRS-FスカラシップF3 出走せず
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1997年全日本F3選手権シリーズ第9戦 富士スピードウエイ
公式予選暫定結果表
1997.10.18 天候 : 晴れ コース状況 : ドライ
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位車番ドライバー 車 名 ベストタイム
--------------------------------------------------------------------
1 77 伊藤 大輔 (J) SEVモデューロ無限ホンダ R1'28.312
2 7 トム コロネル (NE) TOM'S F397 R1'28.443
3 2 立川 祐路 (J) ライアン TODA無限 1'28.597
8 16 土屋 武士 (J) 阪急交通社カリスマラリーアート 1'28.907
6 1 脇阪 薫一 (J) ANABUKI 397無限 1'28.961
4 33 リスト ヴィルタネン 5ZIGEN・DALLARA 1'29.034
7 9 清水 剛 (J) Three Bond GO 1'29.307
12 20 加藤 寛規 (J) ステラwithパル F397 1'29.432
14 38 徳田 照幸 (J) KDSダラーラ トリイトヨタ 1'29.668
5 8 舘 信吾 (J) TOM'S F397 1'29.685
13 65 山口 大陸 (J) SRS-FスカラシップF3 1'29.767
15 39 中嶋 廣高 (J) KDSダラーラ トリイトヨタ 1'29.772
9 4 ミカエル サンタビルタ (SF) MONTANAダラーラ 三菱 1'29.774
10 53 五味 康隆 (J) 芙蓉実業 ダラーラF397 1'29.919
11 18 平野 功 (J) イエローハット397ラム&トス 1'30.220
17 25 長島 正興 (J) メガネスーパーナンシンF397 1'30.332
21 6 横山 崇 (J) ANABUKI 396無限 1'30.432
16 32 密山 祥吾 (J) BP・オートスポーツ・F397 1'30.453
20 37 本庄 康幸(J) KDSキョウエツダラーラ 1'30.646
19 11 高橋 毅(J) SUPER NOVA 1'30.871
18 13 海老原 茂樹 (J) TOMEI SPORT OPEL 1'31.956
22 22 山本 茂(J) タクルタートルF395 1'32.288
5 内山 清史(J) NIHON KIZAI F397 出走せず
14 セバスチャン マルティノ (RA) TOMEI SPORT OPEL 出走せず
15 藤原 靖久 (J) TOMEI SPORT OPEL 出走せず
17 河野 尚裕 (J) ライアン TODA無限 出走せず
64 西 翼 (J) SRS-FスカラシップF3 出走せず
Rマークは、コースレコード。従来のタイムは、1'28.516
以上 SKILL SPEED F3 TEAM
深尾栄一
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