全日本GT選手権

GTC_Rd.5:もてぎGT 無限+童夢Pリリース

                                                         1998年 9月14日
                                                 無限+童夢プロジェクト

'98 AUTOBACS CUP 全日本GT選手権シリーズ第5戦 "もてぎ GT チャンピオンレース"

                    ホンダ NSX 2連勝を飾る!
                    Castrol 無限 NSXが初優勝!
                    予選もフロントローを独占!


○開催日 :1998年9月12(土)~13日(日)
○開催地 :栃木県 ツインリンクもてぎロードコース(コース全長:4.801379km)
○決勝レース:63周(約302.487km)
○天 候 :予選日/晴れ決勝日/晴れ(気温30.0℃)
○コースコンディション:予選日/ドライ決勝日/ドライ
○観客数:35,000人(決勝日/主催者発表)


 '98全日本GT選手権シリーズも第5戦を迎え、各チームとも栃木県のツイン
リンクもてぎに勢揃いした。この"もてぎGTチャンピオンレース"は、ツインリン
クもてぎのロードコースで行われる初の全日本チャンピオンシップレースで、入
念なセッティングを施した42台の参加者を集めて開催された。

 12日(土)に開催された公式予選では、道上龍選手の駆るCastrol 無限 NSXが
コースレコードの1分49秒800をマークし、見事にポールポジションを獲得。
第2位もRAYBRIG NSXで、ホンダNSX勢はフロントローを独占。他のNSX勢も、
Mobil 1 NSXが第5位、TAKATA 童夢無限 NSXが第8位と好位置を占め、決勝に
期待を持たせた。

 13日(日)の決勝レースでも、道上選手がスタートドライバーを努めるCastrol
無限 NSXがトップを独走、途中セイフティカーが入りマージンは帳消しとなった
が、後を受けた中子修選手がきれいに纏め、無限+童夢プロジェクトとしては2
連勝、Castrol 無限 NSXは初優勝を飾った。

●もてぎ GT チャンピオンレース 出場チーム
│No.│マシン名            │エントラント名           │ドライバー       │タイヤ│
│   │                    │                         │              │   |
│16 │Castrol 無限 NSX    │Castrol 無限             │中子 修      │BS │
│   │                    │                         │道上 龍      │   |
│18 │TAKATA 童夢無限 NSX │童夢レーシングチーム     │金石勝智      │BS |
│   │                    │                         │山本勝巳      │   |
│64 │Mobil 1 NSX        │Mobil1 Nakajima Racing   │トム・コロネル│BS │
│   │                    │                         │山西康司      │   |
│100│RAYBRIG NSX         │チーム国光 with MOONCRAFT│高橋国光      │BS |
│   │                    │                         │飯田 章      │   |

◎レース・リポート
 「無限+童夢プロジェクト」による4チーム4台のN-GT仕様ホンダNSX
は、秋晴れを思わせる好天気の中で行われた金曜日のスポーツ走行でも好タイム
をマークし、午前中の走行ではRAYBRIG NSXが、午後はCastrol 無限 NSXがトッ
プタイムをマーク。今回も変わらぬスピードを見せていた。また今大会では、Mobil
1 NSXが70kgのハンディウェイトを背負って参戦することになった。

○9月12日(土) 公式予選[第1回/11:15~12:15 第2回/15:30~16:30]
 早朝は曇り空が広がり天候の悪化が心配されたが、公式予選が始まる頃には青
空が姿を見せ、コースコンディションはドライで、公式予選第1回の最初の20
分間がGT500クラスの専用として開始された。
 各チームとも予選開始とともに積極的に走行を重ね、道上龍選手のドライブす
るCastrol 無限 NSXは、1分50秒台の好タイムをマークしトップに立ったが、
その直後の予選開始13分を過ぎた頃、コースのほぼ全周にわたってオイルを撒
いたマシンがあり予選は赤旗中断となった。
 オイルの汚れが第1コーナーから最終コーナーまでと広範囲にわたるため、コ
ース清掃に時間がかかり、約30分後予選は再開された。
 再びコースインした道上選手はさらにタイムを更新し、1分50秒274、さ
らに1分50秒042をマークし、暫定のポールポジションを手中に収めた。

 RAYBRIG NSXの飯田章選手は、他チームの様子を見ながらやや遅れてコースイ
ン。ところがマシンを暖めタイムアタックに入ろうとしたところで、予選中断と
なりピットに戻った。予選再開後コースインした飯田選手はアタックを開始、と
ころがまだコース上にはオイルが残りハーフスピン。ピットでは前戦富士での悪
夢が頭をよぎり悲鳴が上がる。ところが飯田選手はグリーンに車体の半分を落と
しながらも見事にコントロールし、何事もなかったかのようにメインストレート
を駆け抜けていった。そのラップタイムは1分50秒772で一気に第2位に浮
上。飯田選手は次のラップで1分50秒353をマークして第2位のまま最初の
20分間を終了した。

 70kgを背負ったMobil 1 NSXはトム・コロネル選手がハンドルを握り予選を
開始。また、TAKATA 童夢無限 NSXは山本勝巳選手が乗りスタート。しかし両車
とも今一つタイムが上がらない。最初の20分間が終了後ピットに戻った両選手
は、ともにミッショントラブルを訴えていた。
 GT300クラスが激しいタイム争いを繰り広げた20分間が終了しGT500
/300混走の20分では、それぞれドライバーを交代しスタートしていった。
その中、Mobil 1 NSXは再びトム・コロネル選手でスタート。GT300クラス
との混走で混み合うコースで懸命のアタックを続けたコロネル選手は、ラスト2
周で1分52秒309、1分52秒034と、ただ一人タイムアップに成功。こ
の予選第1回の8番手に食い込んだ。

 TAKATA 童夢無限 NSXは、より症状が重く15番手のタイムのまま早めに予選を
終了し、ミッションの再調整に取りかかった。

 昼のピットウォークなどで時間調整を行った公式予選第2回は、定刻通り15
時30分より開始された。
 予選開始後やや様子を見ていたCastrol 無限 NSXの道上選手は、スタートする
と一気にタイムをつめ、3周目に1分50秒016、4周目についに50秒を切
り1分49秒800をマーク。ポールポジションを確実なものとした。
 RAYBRIG NSXは飯田選手が積極的に攻め、1分51秒306でいったんピット
イン。細部の微調整を行った後再びタイムアタック。一気に1分50秒を切り、
1分49秒877をマーク、惜しくもCastrol 無限 NSXには届かなかったが、フ
ロントローを確実なものとした。

 ミッションの復調なったMobil 1 NSXは、コロネル選手が再度アタックし、1
分51秒058でその時点の2番手となったが、結局5番手で予選第2回を終了
した。
 インターバルの間に懸命の修理を行ったTAKATA 童夢無限 NSXは、開始早々に1
分51秒829をマークしこの時点での2番手に浮上してきた。その後1分51
秒348までタイムアップしたが、結局8番手で予選を終了した。

 公式予選1~2回を併せた総合結果では、Castrol 無限 NSXがポールポジショ
ンを獲得、第2位はRAYBRIG NSXで、ホンダNSX勢は今回もフロントローを独占
した。Mobil 1 NSXは第5位、TAKATA 童夢無限 NSXは第8位からのスタートとな
った。
 また、ホンダNSX勢は昨年から引き続き6戦連続(中止となった第2戦を含
めれば7戦連続:参考記録)のポールポジションを獲得。道上選手は仙台ハイラ
ンドの第3戦に続き2回目のポールポジション獲得となった。

○9月13日(日) 決勝レース[13時30分スタート 63周 出走:38台]
 ツインリンクもてぎ初の全日本GT選手権決勝レースは、快晴の空の下、3万5
000人の観客を集めて開催された。
 朝8時15分からのフリー走行でも、RAYBRIG NSXとCastrol 無限 NSXが1-
2位を占め、変わらぬスプリンターぶりを示していた。

 12時45分、定刻通りスタート進行が開始され、13時30分"もてぎGTチ
ャンピオンレース"の幕が切って落とされた。
 ポールポジションのCastrol 無限 NSXを駆る道上選手は、きれいなスタートを
決め、トップで第1コーナーをクリア、そのポジションを保ち1周目のグランド
スタンド前を通過していった。快調にトップを走るCastrol 無限 NSXは、後続と
の差を徐々に広げ、12周目には約10秒、20周目には約24秒と独走態勢に
持ち込んでいった。27~28周目頃から上位陣のルーチンピットインが始まり、
後続の順位が混乱したが、Castrol 無限 NSXの道上選手は走り続け、2番手の
RAYBRIG NSXに1周近い差となった31周目、デンソーサードスープラがクラッ
シュし、32周目セイフティカーが導入された。このセイフティカーランが行わ
れている35周目、Castrol 無限 NSXもピットイン。ドライバーを中子選手と交
代。2番手でコースに復帰した中子選手は、トップのRAYBRIG NSXを追走。46周
目、スローパンクチャーでペースの落ちたRAYBRIG NSXをかわしトップに復帰。そ
の後、中子選手は後続とのタイム差を見ながら、危なげないラップを重ね、63
周目、ポール・トゥ・フィニッシュで待望のチェッカーフラッグを受けた。中子
選手とコンビを組む道上選手は、最終ラップに自らP1(ポジション1位)のサイ
ンボードを掲げ、中子選手を出迎えていた。

 RAYBRIG NSXは高橋国光監督兼選手のドライブでスタート。1周目に1台にかわ
され3番手、4周目に4番手に下がったが、8周目一気に2番手に浮上。徐々に
後続を引き離していった。26周目、上位陣のトップを切ってルーチンのピット
イン。ドライバーを飯田章選手に交代してコースに復帰。Castrol 無限 NSXのル
ーチンピットの間にトップに浮上した飯田選手は、快調にトップをキープするが、
46周目、クラッシュしたマシンから飛んだガラス片を踏んだためスローパンク
チャーが発生。タイヤ交換のためにピットイン。8番手にまで後退してしまった。
コースに復帰したRAYBRIG NSXの飯田選手は、レースベストラップ1分51秒37
9を叩き出しながら前車を追走。55周目、7番手に浮上するがそれ以上の追撃
はならず、第7位でチェッカーフラッグを受けた。

 Mobil 1 NSXのハンドルを握りスタートしたトム・コロネル選手は、1周目を
6番手で通過。チャンピオンシップのライバル、ペンズオイル・ニスモGT-Rの順
位をにらみながら、レースを進めていったが、16周目、ダウンヒルストレート
に続く90°コーナーでコースアウト、直ぐにコースに復帰したが、11番手と
なってしまった。その後、コロネル選手は懸命に追い上げるが、27周目、前を
いく僚友チームのTAKATA 童夢無限 NSXに接触しコースアウト。リタイアしてし
まった。

 TAKATA 童夢無限 NSXの山本勝巳選手はスタートでミスし、14番手で1周目を
終了。しかし山本選手は、2周目に13番手、5周目に12番手、10周目9番
手と徐々に失地を回復する。ところが7番手にまで浮上してきた27周目、後方
から追走してきた僚友のMobil 1 NSXと接触し、大きくコースアウト。リタイア
に追い込まれてしまった。

 優勝の栄冠に輝いたCastrol 無限 NSXは、次戦MINEでは50kg、Mobil 1
 NSXは60kgのハンディウェイトを積むこととなる。


○熊倉淳一監督(Castrol 無限)のコメント
「前回の富士といい勝てそうで勝てないレースが続いていましたが、勝てて本当
に嬉しく思っています。予選・決勝ともに予定通りに進めてきましたが、決勝レ
ースの途中でセイフティカーが入り、道上選手が稼いでくれたマージンが無くな
ったときは、冷や汗をかきました。でも、その後を中子選手がトップをキープし
てくれて、やっと勝つことができました。終盤、2位とのタイム差がだんだん減
ってきてご心配をかけましたが、これはトップでゴールすることを優先して2番
手とのタイム差を見ながらペースをコントロールしていたためで、何の心配もし
ていませんでした。次のMINEでは、50kgを積んで走ることになりますが、
バランスを崩さないようにセッティングに注意します。後2戦の内、もう一つは
勝ちたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。ありがとうございま
した。」

○中子修選手(Castrol 無限)のコメント
「3度目の正直で勝てて、本当に嬉しい。道上は昨年のアコードの時から勝てそ
うで勝てないレースを繰り返していたので、勝てて本当に良かったと思っている。
我々のマシンは調子も良く全てがうまく廻ったと思う。終盤は後ろを見ながら走
っていたし、タイムよりイエローフラッグの方が心配だったくらいです。次から
ハンディウェイトを50kg積むことになりますが、JTCCの時の経験からも、
70kgくらいまでのバランスの取り方は把握しているつもりです。」

○道上龍選手(Castrol 無限)のコメント
「スピードが結果に結びつかないレースが多かったが、3度目の正直で勝てて嬉
しいです。セイフティカーが入った時のピットインはチームの指示でしたが、そ
れまでのリードが無くなったうえに飯田さんに先行され、まただめかと思いまし
た。2番手との差が詰まってきたときは少し心配したが、中子さんがトップでゴ
ールしたときは本当に嬉しくて、P1(ポジション1位)のサインボードを自分
で出しました。次からプラス50kgですが、何の心配はしていません。」


資料提供/無限+童夢プロジェクト

                              *** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(SDI00685)***



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