全日本GT選手権

GTC_Rd.4:富士GT 無限+童夢Pリリース

                                                         1998年 8月10日
                                                    無限+童夢プロジェクト

'98 AUTOBACS CUP 全日本GT選手権シリーズ第4戦 "JAPAN SPECIAL GT CUP"

                ホンダ NSX 念願の初優勝を飾る!
                  予選も1~3位、5位と上位を独占!


○開催日 :1998年6月27(土)~28日(日)
○開催地 :静岡県 富士スピードウェイ(コース全長:4.470km)
○決勝レース:56周/250.32km)
○天 候 :予選日/曇り決勝日/曇り(気温27.5℃)
○コースコンディション:予選日/ドライ決勝日/ドライ
○観客数:65,000人(決勝日/主催者発表)

 '98全日本GT選手権シリーズも第4戦を迎え、いよいよ後半戦となり各チー
ムとも8月の富士スピードウェイに集合した。例年は真夏の暑いレースとなると
ころだが、今年の天候不順により曇り空の下"JAPAN SPECIAL GT CUP"は開催され
た。

 8日(土)午前に開催された公式予選第1回では、RAYBRIG NSXの飯田章選手が見
事にポールポジションを獲得。他のNSX勢もCastrol 無限 NSX、Mobil 1 NSX、
TAKATA 童夢無限NSXの順で、1位から4位の上位を独占。午後の第2回で4番手
を他チームに奪われたものの、1~2回の総合結果では1~3位と5位と好位置
を占め、決勝に期待を持たせた。

 9日(日)の決勝レースでは、序盤ポールポジションからトップを疾走したRAYBRIG 
NSXが他車の蒔いたオイルに乗りコースアウトしリタイアとなったが、終始2~3
番手の好位置につけチャンスを伺っていたMobil 1 NSXが、終盤トップに立ちその
ままチェッカーフラッグを受け、初優勝の栄冠を勝ち取った。

●JAPAN SPECIAL GT CUP 出場チーム
│No.│マシン名            │エントラント名           │ドライバー       │タイヤ│
│   │                    │                         │              │   | 
│16 │Castrol 無限 NSX    │Castrol 無限             │中子 修      │BS │
│   │                    │                         │道上 龍      │   |
│18 │TAKATA 童夢無限 NSX │童夢レーシングチーム     │金石勝智      │BS |
│   │                    │                         │山本勝巳      │   |
│64 │Mobil 1 NSX        │Mobil1 Nakajima Racing   │トム・コロネル│BS │
│   │                    │                         │山西康司      │   |
│100│RAYBRIG NSX         │チーム国光 with MOONCRAFT│高橋国光      │BS |
│   │                    │                         │飯田 章      │   |

 「無限+童夢プロジェクト」による4チーム4台のN-GT仕様ホンダNSX
は、蒸し暑さの中で行われた金曜日のフリー走行でも揃って好タイムをマーク、
Castrol 無限 NSXがトップタイムをマークした。前戦を欠場したMobil 1 NSXの
山西康司選手は、体調も戻り元気な姿を見せ、ハーフウェットでスタートした午
前のセッションでも積極的な走りを見せていた。

○8月8日(土) 公式予選[第1回/10:30~11:30 第2回/15:00~16:00]
 このところの天候不順もあり心配されていた天候は曇りとなり、コースコンディ
ションはドライで、10時30分公式予選第1回の最初の20分間がGT500
クラスの専用として開始された。
 各チームとも予選開始とともに積極的に走行を重ねる中、飯田章選手がドライ
ブするRAYBRIG NSXは、やや遅れてコースイン。慎重にラップを重ねてマシンを暖
めタイムアタックを開始。1分27秒790から1分27秒316とコースレコ
ードを更新。見事に暫定ポールポジションを手中に収めた。

 Castrol 無限 NSXは道上龍選手がドライブ。終始1分28秒659で序盤のトッ
プに立ち、1分27秒517までタイムをつめトップをキープしていたが、予選開
始15分過ぎ、RAYBRIG NSXにかわされ2番手で最初の20分を終了した。
 Mobil 1 NSXはトム・コロネル選手がハンドルを握り、序盤は道上選手と激しい
トップ争いを繰り広げたが、結局3番手で最初の20分を終了した。
 TAKATA 童夢無限 NSXは金石選手がドライブ、終始3~4番手のタイムをマーク
していたが、結局4番手で、それぞれ最初の20分を終了した。
 GT300クラスが激しいタイム争いを繰り広げた20分間が終了しGT500
/300混走の20分では、それぞれドライバーを交代し、スタートしていった。
その中、Mobil 1 NSXにクラッチが切れないというトラブルが発生。チームでは
山西康司選手に、スターターモーターを回してマシンを転がしながらエンジンを
スタートし発進するように指示。うまくスタートした山西選手は、1ラップし1
分33秒233のタイムで予選基準タイムをクリアするとピットイン。マシンを
ピットに入れエンジンを降ろし修復にかかった。他のNSX勢は積極的にアタッ
クを行ったが、混雑したコースではタイムアップはできず、最初の20分の順位
のまま公式予選第1回は終了し、NSX勢は全車コースレコードを更新して1位
から4位を独占した。
 この予選第1回終了後、Mobil 1 NSXと同じ部品を使用していたRAYBRIG NSXと
Castrol 無限 NSXも、万一の用心のため公式予選第2回を不出走とし、クラッチ
の交換を行うことになった。

 公式予選第2回は、定刻より30分遅れで開始された。
 TAKATA 童夢無限 NSXは山本選手のドライブで積極的にタイムアタックを行った
が、今一つセッティングに悩みタイムアップはできなかった。この間にデンソー
サードスープラGTにかわされ5番手となったが、混走となる最後の20分では
ガソリンを88?
搭載し、決勝セッティングの詰めを行なった。途中替わった山本選手は1分29
秒535を記録し、フルタンクでも決勝レースを戦うに充分なスピードを示した。
 クラッチ交換に懸命の作業を続けていたMobil 1 NSXは、残り時間4分で漸く
コースイン。ハンドルを握るコロネル選手は、マシンチェックのため2ラップを
周回。以上のないことを確かめてピットに戻った。
 この結果、NSX勢は昨年から引き続き5戦連続(中止となった第2戦を含め
れば6戦連続:参考記録)のポールポジションを獲得。また、参戦4チームがそ
れぞれポールポジションを獲得し、チームに偏りのない平均したスピードを証明
した。

○8月9日(日) 決勝レース[14時36分スタート 56周 出走:45台]
 早朝は深い霧が立ちこめていた富士スピードウェイであったが、徐々に霧は薄
れ、曇り空ではあるがドライ・コンディションで8時30分からのフリー走行が
開始された。昨日のうっぷんを晴らすかのようにTAKATA 童夢無限 NSXがトップ
タイムをマーク。他のNSX勢も2~4番手につけ上位を独占。今回も4台のNS
Xは金曜日のフリー走行からこのフリー走行までの全セッションでトップタイム
をマークしスタートを待つ。
 定刻よりやや遅れてスタート進行が進められ、フォーメーションラップが開始
された。 ゆっくりとした2周のフォーメーション後、全車きれいにスタート。
JAPAN SPECIAL GT CUPの幕が切って落とされた。
 ポールポジションからスタートしたRAYBRIG NSXの飯田選手は、きれいなスター
トを切り、トップをキープして1周目を終了。そのまま後続を引き離し、4周目
にはレースベストラップタイム1分28秒219を叩き出しながら、トップを快
走する。2番手は道上選手のCastrol 無限 NSX、3番手はコロネル選手のMobil 
1 NSX、4番手は2周目に入るメインストレートで6万5000人の大観衆の見
守る中、デンソーサードスープラGTをパスした金石選手のTAKATA 童夢無限 NSXと、
NSX勢は1~4番手を独占してレースを進行していった。3番手のコロネル選
手は先行する道上選手に徐々にプレッシャーをかけ13周目にパス、2番手に上
がっていった。

 快調にトップグループを形成していたNSX勢であったが、17周目、周回遅
れのGT300クラスのマシンが第1コーナーのアウト側でオイルを拭き出し、直
後にいたRAYBRIG NSXの飯田選手は避ける間もなくそのオイルに乗りスピン、コー
スアウトしグラベルにはまってしまった。このグラベルからの脱出は不可能で、
RAYBRIG NSXはそのままリタイアとなってしまった。
 このRAYBRIG NSXの150mほど後ろにいたMobil 1 NSXも、オイルに乗ってし
まったが、飯田選手のスピンを見ていたコロネル選手は冷静に判断し、グラベル
を斜めに横切り、順位は4番手となったもののコースに復帰した。このオイルに
はさらに5ZIUGENスープラも犠牲となり、コース清掃のためセイフティカーが導入
され、その先導によるスロー走行となった。

 このペースカーランは23周まで続けられ、この間に各チームはピットインし、
ドライバー交代やタイヤ交換、ガソリンの補給を行った。その中、ピットインし
ないチームも存在し、順位が混乱したが、再スタートが切られた24周目、NS
X勢はCastrol 無限 NSXが6番手、Mobil 1 NSXが9番手、TAKATA 童夢無限 NSX
が10番手で、それぞれ上位を狙い先行車にプレッシャーをかけていった。26
周目、第1コーナーでCastrol 無限 NSXが5番手に浮上、28周目にはMobil 1
 NSXが8番手にそれぞれ浮上。この頃、ペースカーランの間にピットストップを
行わなかったチームがピットインしたため、31周目にはCastrol 無限 NSXが2
番手、Mobil 1 NSXが5番手、TAKATA 童夢無限 NSXが8番手と徐々に上位に進出
していた。

 2番手のCastrol 無限 NSXのハンドルを握る中子選手は、先行するデンソーサ
ードスープラGTに詰め寄り、37周目のストレートエンドでパス、ついにトッ
プに浮上した。トップを走る中子選手は徐々に後続を引き離し、45周目には3.
3秒、47周目には4.121秒の差を付け独走状態となっていった。しかし、
51周目、ブラックフラッグが掲示され、ペナルティのピットインが指示された。
中子選手は54周目にピットインし、10秒ストップのペナルティを受け、コー
スに復帰していった。このピットストップのため順位は5番手となり、次周その
ままチェッカーフラッグを受けた。ゴール後中子選手は「混雑するコース上で周
回遅れの車をパスするときに、イエローフラッグに気付くのが遅れ、前に出てし
まった。直ぐに後ろに戻したが、ペナルティという裁定が下されたのだったらし
ょうがない。今後はもっと注意します。」と語った。

 40周目から中子選手との間にデンソーサードスープラGTをはさみ3番手を走
行していたMobil 1 NSXの山西選手は、終盤2台のスカイライン勢に激しいプレ
ッシャーを掛けられていたが、見事に跳ね返し、Castrol 無限 NSXがペナルティ
のピットインした後を受け、ラスト2周をトップで快走。後続に約3秒の差を付
け見事にチェッカーフラッグを受け、ホンダNSXに初優勝をもたらした。
 TAKATA 童夢無限 NSXは、後半を山本選手が担当し10番手から徐々に追い上げ、
4位に入賞した。

 優勝の栄冠に輝いたMobil 1 NSXは、選手権ランキングに於いてもペンズオイ
ル・ニスモGT-Rに続く第2位に進出した。

○中嶋悟総監督(Mobil1 Nakajima Racing)のコメント
「やっと勝てて本当に嬉しい。これまで勝てそうで勝てないレースをしてきたが、
これでホッとしました。他のNSXチームには申し訳ないと思いますが、うちに
勝ち運が巡ってきたということでしょう。NSX4チームの中で最初に勝てたこ
とも嬉しいし、これでコロネルや山西が調子に乗ってくれればと思います。今後
もチャンピン目指してがんばりますので応援して下さい。」

○山西康司選手(Mobil1 Nakajima Racing)のコメント
「終盤の田中さんのチャージはきつかったが、NSXの初優勝に貢献できて嬉し
く思っています。これでチャンピオンの可能性も出てきたし、今後もがんばりた
いと思います。扁桃腺炎でチームのみんなに迷惑を掛けたし、中嶋監督にも少し
は恩返しができたと思います。」

○トム・コロネル選手(Mobil1 Nakajima Racing)のコメント
「今までの3レースも精一杯チャレンジはしてきたので、今回勝てたことは本当
に嬉しい。チームにとっても山西選手にとっても良かったと思います。飯田選手
がスピンしたときは、一瞬ニヤッとしたが、次には自分も滑っていた。でも、無
理に曲がろうとせずに真っ直ぐコースアウトして回り込めばコースに戻れると思
い直進した。この優勝でランキング2位となり可能性も見えてきたので、チャン
ピオン目指してがんばります。次からはハンディウエイトが70kgになるので、
厳しいレースになると思うが、ポイントをとるようにがんばります。」


資料提供/無限+童夢プロジェクト


                              *** FMOTOR4F SysOp 北島滋穂(SDI00685)***



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