全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.2/4

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   Round 2 FUJI GT RACE                                         4 May '97
   Race Report                    決勝レース                   FMOTOR4版
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混乱のレースを制したのはデンソーサードスープラ!
ユニシアジェックススカイライン追い上げ及ばず

 朝から小雨が降り、時に止むものの非常に不安定な天気が続く。朝のフリー走行
では、雨自体は降っていなかったが路面は完全にウェット状態。そのような状態の
中、No.75 NISSAN 300ZX-GTSが300Rの水たまりに乗ってしまってクラッシュ。フロ
ント部分を大破して、決勝レースに参加することが出来なくなった。
 空模様も黒い雲がかったままで、いつ本格的な雨になってもおかしくない状況
で、各チームともタイヤ選択に頭を悩ませた。スタート直前には、霧が発生し視界
が著しく悪くなったために、45分間スタートが順延された。フォーメーションラッ
プも2周行われ、決勝周回数が66周と1周減らされた。
 スタートで飛び出したのは、No.2 ZEXELスカイラインの亜久里とNo.36カスト
ロール・トムス・スープラのM.クルムだった。だが、中途半端に濡れた路面とまた
発生した霧によって、あちらこちらでスピンやクラッシュが続いた。特にデビュー
戦で期待されたNo.18 avex童夢無限NSXとNo.100 RAYBRIG NSXも相次いでクラッシュ
し、わずか3周足らずで姿を消した。この直後にセーフティカーがコースに入り、
6周に渡ってパレードラップになる。再スタート後には、路面がさらに乾きほぼド
ライコンディションとなり、レインタイヤを選択したNo.2 ZEXELとNo.36カストロー
ルはじりじりと順位を下げる。
 代わって、トップに立ったのはスリックタイヤを選択したNo.39デンソーサード
スープラの影山正美、そして追い上げ急なNo.5 5ZIGEN SUPRAの田嶋栄一だった。田
嶋は31秒台とひとつ抜けたスピードで15周目にZEXEL、デンソーを一気にかわして
トップに立つ。この2台の後ろには、やはりスリックを選択し、後方から上がって
きたNo.3ユニシアジェックススカイラインの長谷見昌弘とNo.556 KURE R33の影山
正彦の2台のスカイライン。
 各車がルーティンのピットインを行い、一通り終わった直後の40周目に田嶋から
引き継いだNo.5 5ZIGEN のグーセンが1コーナーでコースアウト。そして43周目に
はやはり代わったばかりのNo.556 KURE R33の近藤真彦がやはり同じ1コーナーで
グラベルにはまる。
 ちょうどこの頃に霧がまた濃くなったためにセーフティカーが入り、7周に渡っ
てパレードラップとなる。再スタート後はわずか6周のスプリントの様相になる。
トップのNo.39デンソーサードの谷川達也と2番手No.3ユニシアジェックス田中哲
也の差は約6秒ほど。2台の間には、数台の周回遅れがいたが、田中はわずか1周
ですべてを抜いて、No.39谷川との間が一気に4秒となるが、ここで谷川も最後のガ
ンバリを見せ、互いに32秒台を叩き出す好走をみせる。結局、わずか3秒差で谷川
が逃げ切り、トヨタチームサードにGTC初優勝をもたらした。3位には序盤ピットイ
ンしタイヤをレインからスリックに換えた、No.36カストロール・トムス・スープ
ラ、そして4位に同じくレインタイヤからの切り替えで遅れたNo.2 ZEXELスカイラ
インが入った。


タイサンスターカードRSRが巧みなレースで今季初勝利

 GT300はクラスポールのNo.19 RS☆Rシルビアがブーストが上がらないという不調
を抱え遅れ、予選クラス9位と低迷したNo.26タイサンスターカードRSRが巧みな
レース展開と2度のセーフティカーランを味方にしてトップに立ち、今季初優勝を
飾った。2位は開幕戦の覇者であるNo.19RS☆Rシルビア。3位にはRE雨宮SuperG 
RX7が入った。


☆総合優勝
No.39 デンソーサードスープラ
影山正美「スタート前からスリックを履いて行くつもりで、待たされているときは
結構怖かったですよ。でも、みんなスリックに変えちゃったから(笑)。途中、田
嶋君に抜かれたけど向こうはソフト目のタイヤだと、路面のコンディションが良く
なれば絶対挽回できると自分に言い聞かせて我慢しました。自分でも冷静に行けた
と思います。谷川君に代わるときは45秒のマージンがあったし、彼はテストでもい
いタイムを出していたので心配はしてなかった...。でもペースカーが入って差が詰
まったときは、シビレましたけど(笑)。昨日誕生日だったんで、ホント最高の日
でした。これまで誕生日のレースって、ロクなことなかったからね(笑)」
谷川達也「このチャンスを与えてくれたサードのみなさんにお礼を言いたいです。
でも、今日、僕はレースをしてません。なんかずーっとペースカーの後ろに付いて
走ってただけです(笑)。最後、田中さんが追っているのは、ミラーで見えて分
かってました。思ったほど詰まってこないから大丈夫と思ってました」


☆GT300クラス優勝
No.26 タイサンスターカードRSR
鈴木恵一「最初からスリックでいった。だから、5、6周は我慢の走りをした。8
周もすると路面も良くなってきたんで、ペースアップできた。前の方でスピンして
たクルマもいたしね。クルマもタイヤも問題ないよ。とりあえず勝てたけど、まだ
鈴鹿の汚名を晴らしたわけでないから。次、勝ってからだね」
新田守男「回りがドタバタして、ノーミスだったウチがトップになったって感じで
す。前回の鈴鹿は、福山さん(No.19RS☆Rシルビア)の呪いに負けたから、今度は
呪い返して上げました(笑)。1勝1敗でこれで五分ですね。今年も2人でチャン
ピオンになれるようがんばります」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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